閑話B 1話 王都脱出
==閑話B 1話 王都脱出==
カラカラカラカラ――
軽い音で車輪が転がる音が響く
ゴガン!
時々車輪が地面から離れる
いや……時々じゃ無いですね
「おえぇぇええええ」
「ぬぅぅぅううううう」
何人かの人が苦しんでます
それもそうです
今は馬車に乗っているんですが……ひたすらに速いのです
カラカラカラカラ、この音のみ言えば普通でも一秒で何重にも聞こえるんです
ゴトン! とかほぼ数秒ごとに最早こっちの音が規則正しく聞こえちゃいます
「お兄ちゃん大丈夫かな」
◇◇◇◇◇
数時間前
「俺が連れて行くことになった、目的地は聖都だ」
突然私達が隠れている場所に入ってきた男の人間がそう言ってきました
最初は私と同じ境遇の……同じ奴隷だった皆で
「俺達はヒ――ある奴と逃げてんだ、俺達を逃がしてくれると受け取りたい言葉だがテメェの話は聞けない、抵抗する」
「そうだ、俺達の恩人を置いてくことはしない」
「それに聖都なんて……遠すぎるだろ!」
声を大きくしないで抗議するように訴えた
「知らねぇよ。ヒロト君だろ? あいつはこの国救って寝た、以上。で、俺の判定であいつは合格した……気付けよ? このままじゃあいつの荷物だぜ?」
そう言うと逆光で顔が見辛い中で少しニヤッと笑っているのが見えた
「今ここで君たちを斬り尽くしてあの子の荷物減らしても良いんだよ」
その言葉が本当であるとぞっとする感じがした
周りで声を少し出している人もいるけど全員毛が少し逆立っている
「その気配を出せる奴の言葉を信じるのはキツいものだが?」
レノガおじいちゃんが睨むようにしながら相手を買って出た
「さすが獣人か、全員逆立ち尚且つ貴方は前に出る、後ろに殺気を髱し続けさせないために。はぁ、だから獣人は好きなんだよな」
「ん?」
「失礼、殺気は納める。話を聞くつもりでは困るんだ即決で必要最低限で言うぞ。君たちを労働力として聖神国で雇いたい、まぁ当然というと変だけど好待遇というわけじゃ無い。普通に過ごせば割に合わないと言えるかも知れないが身元が無い生活でできる仕事では綺麗かもな……」
私はつい声に出してしまった
「今より良い生活ですか」
「ん?」
「殴られませんか」
「ん?」
「働けばご飯はありますか、魔力を無理矢理取られませんか。獣だからって毛を取られませんか。肉の塊だ、下の底辺だからって――」
「もう良い! そこまでで……当然だろそんなの。君たちはこっちで身元を安定させる」
私が少し取り乱して思っていたこと今の不安がそのままになってしまったことを言うと入ってきた人は本当に辛そうな顔でこっちを見てくれた
「ニニナ……皆いいな、俺達はついていくこれからを頼む」
「助かる……あと、これからを切り開くのは俺じゃ無く君たちだよ」
そう言って笑うと扉から出て行った
「じゃあ! こんな建物いらねぇ派手に行こうぜ!」
隠れていた建物を紙を斬るように一刀で斬った
そう言ってこっちを向いた顔は逆光でも分かるほど明るい笑顔で
太陽の様に思えました
「「「「んな!?」」」」
「さぁ行くぞ、ここからは時間の差だ」
「なんでこんな……」
「ん? 混乱をここで起こして違う地点で抜ける簡単な視線誘導だよ。馬車を外に四台止めてある三台に乗ってくれ一台はこの国の中に適当に走らせる行くぞ」
そう言った後皆で協力してすぐに乗り込んで私達を捕らえていた国から抜けることができた。
まぁ問題はこの後に暫く立った後この人が言った言葉でああなったのだけど……
「あ、俺スキルで回復系のを持っている」
ん? 急にこの人は何を言って……
「ここから聖都とか遠すぎるしこの速度は無理なので」
そう言うと馬車を曳いてくれている馬車馬に炎を放った
「「「なにしてんだ!?」」」
「速度を上げる、この子達には後でしっかりとご飯あげないとな。あ、何かに捕まってろよ」
ガダン!
大きく馬車が揺れた
「「きゃぁぁぁあああああ!」」
「「「ぎゃあああああああ」」」
そこからは最悪な乗り物でした……
揺れに揺られ続けて二日
聖都に到着しました
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ではでは。