30話 森の闘争 鬼戦
==30話 森の闘争 鬼戦==
角が光り出した
「がぁぁあああ!!!」
横に跳び避けると地面が一直線に抉れていた
鬼砲と呼ばれるものか、かなりの威力……
街に行くのを防ぎたかったが無理だなあれは
後ろで悲鳴が響いている
「虚龍之炎砲」
「ぐぅぅぅうううがぁあ!」
角が光り二度目の鬼砲
ぶつかり合う
先ほどの鬼砲と比べると威力がガタ落ちしている
押し返せるな
見るのを止め、攻撃がぶつかり合っている横を通り殴りかかる
鬼砲の威力を一気に上げぶつけ爆発しこっちの殴りかかりに反応し拳と刀がぶつかり合った
響く響く……一撃に自重をしっかりと乗せての攻撃を毎回繰り出してくる
加えて……
「ちっ!」
目にもとまらない拳の繰り出しても長く続かない
大口を開け光が鬼の口から漏れ出てくる
爆破蜻蛉が砲弾のように飛び出てくる
接近戦ではこちらにのみの攻撃になるはずがないがこの鬼に関して言えば問題が無い
表皮は岩より硬く並の攻撃では傷もつかない特に爆発系の広範囲攻撃には強い耐性を持ち合わせている様だ
まぁこれは鬼の特性なのかこの鬼の特性なのか俺には判断するすべがないが
「このままでは埒があかないな……」
◇◇◇◇◇
「治ったのね」
「ありがとうございます……しかし……この状況とは……」
この森の人工物の一番高い場所にて話し込む人間といるだけで目を引いてしまうような存在感を持つ虎がいるがいる
「……今この状況では最悪の状況になっているのね、もちろん僕が思いついた流れでのね」
「と言うと?」
「……八対頭王の内、三王は森外周に二王は静観を選択したのね」
「……残りの三王は?」
「もう三王は……敵対ね」
「……今からがスタンピードと言えるなこれは……」
「僕は特に手は出さない流れは流れるから流れなのだからね」
「……俺は本気で……参るとします」
そう言って人間が立ち上がった
手には人の背を超える程の大きさの弓が握られていた
「最後に手伝ってもらえる?」
「……攻撃では無いならね」
◇◇◇◇◇
援軍は期待できない、まずまず後ろでは悲鳴が上がっていてまともな動きが保つことなどできていないだろう
近づけば爆破蜻蛉、離れれば鬼砲
接近して爆破蜻蛉を喰らうのも悪くないが失敗をすれば周りの被害が大きすぎる
遠距離では鬼砲が来る避けることなど容易だが大きな問題として後ろにそのまま行く
人間共の事などどうでも良いが……どうでも……ラニがいるし後ろに被害を出したくない
せめてもう一人――
突然背後から空気を泣いているような音が近づいてきた
驚いていると鬼の右肩を貫いた
「ぐぅうう!?」
鬼が驚きの声を上げていた
チラリと後ろを見ると先ほど後ろに行った鬼砲の後が途中で止まっていた
狙撃……後方からの攻撃ならば狙撃だろうがどこから……直線上にある目立つ建物は星獣様から聞いた領主と呼ばれる者が住む屋敷があるのみだが……
と思っていると
そこから鋭いイメージを受けるとまた空気が泣く音がし俺の後ろにいる鬼を貫いた
「ね、狙っている!? その距離で!?」
ライラックの街の大きさは半径で約二キロほど、今は街から一キロほど離れた所にいる。おおよその計算になるが三キロは離れている事になる
ラニは弓の事になぜか詳しかった
魔法を用いての弓での基本攻撃距離は一キロ、最大距離は二キロと言っていた。ただ二キロと言う距離になると攻撃威力など減衰を辿りきっており木の葉を貫けないで弾くくらいの威力にしかならないと言っていた
三キロで貫く威力、しかもあの鬼を貫くなど……しかも異次元な正確性
「まだ終わらない!! これからまだ魔物は襲い来る! 皆の者! 心を整えろ! 気持ちを奮え! ここを落とさせるなッ!」
一人の人間の男の声が響いた
この響き方は星獣の力を使ったものか
「信じて行くかッ!」
覚悟を決め地面を蹴って鬼に接近し防御を捨て手に鉄紺色の炎を宿し殴りかかる
鬼は受けた傷は受けていなかったかのように治っている
鬼も応戦し殴りかかってくる
拳と刀がぶつかり合うぶつかる度に衝撃が周りに広がり均衡を保つ
鬼が飽きるように口を開ける俺は後ろの弓師が狙うことを信じ横に避ける
避けて数秒の遅れのあと口を正確に狙い撃っているが口から出るのは爆破蜻蛉撃ちの中で大爆発
鬼もさすがにこの爆破にはくらう物があり揺れていたがすぐに目に意思が戻っていた
さすがのタフさか
「ぐぅぅぅぅううううううううううう!!」
怒りを表すようなうなり声を上げ角が光っている
鬼砲を放つでもなく身体中から今までと違い荒れ狂うほどの魔力をだしている
皮膚は土色だったのが黒に近づいていき、目が赤から青へ変わっていく
「本気じゃ無かったてか? 上等だぁあ!」
鬼は刀を振り上げ俺は拳を強く握り殴りかかった
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ではでは。