27話 森の闘争 識稼働
==27話 森の闘争 識稼働==
「アイナさん!」
吹き飛ばされたアイナさんの下に行くと殴られた箇所が紫に変色してる
「やばい色、どうすれば……速く街の医者に……って出れない!」
「にげな……さい」
唇を青くしながら震えるような声で言ってきた
死ぬ……このままじゃ多分この人は死んでしまう……
『……識卵! 知識があるなら手を貸せ!』
心の中で叫ぶ
自分の中に知識が無くても勇者の力の一端の卵の力なら治す手がかりをできなくともこの現状の打開を
『主の呼びかけに応答しこの現状の説明を行います。
固体名:アイナ 状態:毒 テトロアドニキシン と推測。処置を一時間以内に行わない場合死亡確率九十七パーセント』
「それが知りたいんじゃない! 打開策を――」
『現状での打開は不可能、解毒に必要な物がここには存在しません』
「それじゃこれは……」
『推奨事案は敵の殲滅、あるいは逃亡できるまでに相手の意識を外すこととなります』
「……」
敵の殲滅……敵を……でも俺にはあいつらに届く力が……いや、あるか
『寝てるなら起きろ! 俺の力になれ!』
『ぶふ! やっと言ったな遅ぇ……俺の力は貯蔵……俺の名は――』
「力を貸せ! アクメニ!」
王都の近くで戦った時に似た体が熱く周りが鮮明に見え感じられる状態……
『五分だよ、五分間は識の能力も使えるぜ』
「わかった」
何度も見た動きは分かる仕組みは興味ない今は使えれば良い
「瞬日」
ミゲルの移動術でゴリラの顎を蹴り上げる
「ん!? この感じ……」
「小さいの、あっちをやれ。こっちは俺が貰う」
「……分かった」
「がぁあ? がぁぁあああ!!!」
「がぁあ、がぁあうるせぇよ。塵になるまで焼かれろ! 赤雷招来」
ミゲルはスキルで赤く染めるが識の演算能力で起こし方を知れば使える、並列で演算できる俺にはまだまだゆとりを持っていられる
「鳴雷矢」
高速化、腕に雷を過剰にかつ制御可能域のギリギリを溜めて即放出可能にする
撃ったらすぐに次に意識ではなく撃つ前に次の演算を始める
「がぁ! ぐぅぅぅぅうううううう」
穿たれる体から出る血を俺に浴びせようと無くなった腕を振るが俺は関係なくぶれない軸を狙って撃ち続ける
俺にかかりそうになる血は雷の放電で弾き弾ききれない物の為に服に入っていた銀貨を雷で電気を帯びさせ電気の道を周囲に円形状に作りそこを走らせ壁を作る
撃つのにタイミングを計らないといけない針に糸を通す事を高速に行う様なことだが
演算と道は自分で決めている針に糸を通すよりかは何倍も簡単だ
「ぐぅぅぅぅううううう」
撃ち抜かれ続けひるんでいる
銀貨を自分の手に収め雷を先ほどより強く込める
Vサインを左手で作り前にだす
見た目的に変な行動に見えるが右手との間を電気つなげてレールを作る
銀貨に雷を当て続け変形させる……いや変形ムズ!
「ぐるぅぅぅうううう?」
「警戒心はあっても避けられない避けさせない」
「がぁぁあああ!!!」
変形する銀貨の中に雷を込め溜める
迫ってきてるんだろうけどヤケに遅く見える
心は落ち着ち体の芯が分かる程度の冷たさ
「電磁加速弾発射でゅお!?」
高速で銀貨だった物が飛んでいくとすごい速度で飛んで行くと自分に反動が来て吹き飛ばされた
目的の敵に当たると銀貨の中の雷が弾け爆発した
◇◇◇
「クフ……クフフフ」
「…………」
何度蹴りを撃とうと殴りかかろうと威力がかき消され逆にカウンターを決められる
イラつく
「余裕がないですね~というかそれは本当にイドラですか? 魔王種にしては弱すぎますね」
「うるさいな」
「ラニ! 手いるか?」
「あらあら、仲間が来ましたよ良いじゃないですか! あたしは構いませんよ二人がかりできてテメェが心の底から悔しがる顔が見れれば良いですから。ささ雑魚兎の低級魔物さんさっさとお仲間の手をとりなよ」
「ラバン、下がってろ」
「あ~やっぱりそういうよね~」
「クフ、まだ雑魚の相手をしないとですか」
「言ってろ」
もっと速く……もっと速く!
木から木へ思いっきり蹴っていく
私はまだ進化できてからあまり時が経っていないイドラだってまだ数を数えることができる位の回数だけ、まぁその分イドラにならなくても大丈夫なくらいに相手が弱かったって事でもあるが
「そんなに速く動いても結局意味ないんだよ! テメエの雑魚脳の考えることくらいすぐにわかんだよ!」
もう何度目か分からない攻撃そしてカウンター
最初は違ったが今では確実にあのキモい男は私の顔を狙っていて更に意識を奪わない位に調整していると思う……
「ラニ……」
「……うるさい今掴むんだよここで掴む」
「……」
「何も掴めないわよ! クソみたいな単純な動きに惑わされないわよ?」
もう一度、もう一度!
木を蹴ると木に触れていた部分が消し飛ぶ何度も続けていく
違うもっと調節を! 木を割らないで最小範囲で強く!
「何をしても見える限りあたしは出来事を嘆く!」
「もっと! もっと速く!」
攻撃をしないで木から木を水平に動き回る
「……ラニ」
もっと一点に力を
「あたしは動かないなんて言ってないわよ♪」
「ッ!」
速度が死んでない状態で自分の速度を使われての拳が目の前に出された
「ぶっ……」
「クフフ、バカねただの。次は貴方かしらね? というかあの子をもう倒したの?」
「……まだ俺の番じゃないらしい、あとまだ倒してないぞ、選手交代しただけだ」
「へーまだ番じゃないらしいってあの兎はもう――」
「まらだ……キモ人間」
衝撃波が出始めている中のカウンターは想定外だし脳がガンガンする……でもまだイドラは解けてない……
まだイケル
「クフ、目がまともに開けれてないわよ?」
「…………」
「もう良いわ、神に捧げる贄になって貰いましょう!」
フワッとする
意識がなくなるギリギリなのが自分で感じる
ここでしかみつけれないものがあるはずだ
「ッ!?」
木から木へさっきまでの動きをそのままなぞるように動き動き蹴る!
「がへ!?」
無意識だったがはじめて奴の顔を捉えた
「み、見えない? は、速い」
「あた、た」
無理だ……
ここで意識が途切れた
「……こんの……糞兎が! 眠りの意味を変えてやる!」
「させないよ」
「見ていただけの奴が黙れ!」
触れて結果の変更を行おうとしているのだろう
まぁさせない
糸を生成、スライムの粘性を付与して糸に粘つきを出しラニを回収
「く! 邪魔すんじゃねぇ!」
前から怒りに満ち顔の一部が腫れている男が拳を握りしめこっちに殴りかかろうとしたとき後ろから大きな爆発音がした
「ん!?」
「……ちっ……目標の回収が先か、というかここじゃあたし達は不利すぎるのよね……」
さっきまで殺意しか無いかのように見えた顔が急に冷静に戻っていた
「なに?」
「もうここでの目的は終わったじゃあな」
「ッ! まて!」
走り男の動きを止めようとしたが急に木が倒れ咄嗟に身を退いてしまった
「木が生えることの否定か……」
スキルの使い勝手が良すぎるな……
要するに自分が不公平だと思えば何でもできてしまうのか……
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ではでは。