21話 森の番人の心配事
==21話 森の番人の心配事==
「戻ったか」
「………」
「真理の間に行けたな」
「ああ」
「精霊の力を得た訳だ、じゃあもういいな」
「……ん?何が……」
「さぁやろうか」
ミデルを見るとさっきまで寝ていた髪が立っている
「な、何を……」
「修行だよ」
「という名の?」
「俺の自己満ッ!」
堂々と言いやがった……
『俺眠いから寝るね~』
おい! さっきまでシリアスな感じで手伝ってくれてたじゃん!
『知るか~~』
「精霊の力を引き出すのにこれが手っ取り早い!」
慌てて避ける
一瞬で距離を詰め雷を纏った拳で殴りかかってきた
「ちょま――」
「避けながら聞けぇぇえ! 精霊の力はその精霊ごとに違う、俺の精霊は青い雷を出すのがメインだ!」
話を聞く余裕ないですけど!
「他の精霊だと身体能力をあげる、魔力量をあげる、とか色んなタイプがあるッ!」
ぐっ! 危ねぇ……頬を掠った……
「どんな精霊でも基本力を引き出す形として形を形成する。それが! 『霊装顕界』!それを一部分化したのが! 『霊具顕界』」
腕に青い筋がジグザグに落ちる雷のような模様が現れていた
「さぁ出せ!引き出せお前の全力ッ!さぁぁぁぁぁあああ!」
さっきまでこの人意外とまともかと思った自分を疑いたい!
「精霊の力……って名前しらないじゃん!」
「ギヒ!」
拳を引いている
ヤバい!
「シッ!」
「ッ!」
死んだと思ったがいつまでも衝撃は来ない?
「まっ、最初から引き出すとか無理だから」
その声に驚き周りを見ると丸焦げになったものが転がっていた
「これは……」
「まぁだいぶ疲れてるなそれも当然だけど」
丸焦げの中に腹を穿たれた跡がある
距離はあるということは纏った雷を拳に乗せて飛ばし穿ったんだな、その後に丸焦げ
至近距離なら雷を纏い動くことで捉えるのは普通に無理、遠距離なら大会の時みたいな攻撃もあるし、連射できる
遠近中距離全部に対応できることになる
大会で父さんもだけど、どんだけの制限があったんだよ……
「帰るか」
「あ、はい」
「時間がない、霊具顕界までできるようにする、まだ地獄を見るから覚悟しろ」
「うっ……はい」
◇◇◇◇◇
『…………………………だ』
「繋がったか」
『あ、あ、あ、聞こえますか?』
「あぁ、聞こえる、見つけれたのか?」
『はい、追い詰めるまでしましたがやはりというか急激な強化して逃げられました、行先はいくつかもう目星つけてます』
「もう外に出そうか?」
『まだだと思います。最後の最後まで奴は目的達成に動くと思います、あれはそういう覚悟ないと使えないと思いますし』
「人間達に協力をつけた人の力が必要になる」
『人手は多くないといけないってことですよね』
「ああ、それにここに居続けて生きていけるレベルならばそこそこの戦力だ」
『そうですか……あ、そろそろ行きますね』
「頼んだ」
ロードの屋敷の一室、床に座り一人で何もないところに喋っているように傍からは見える
がこれはちゃんと会話をしている
空気中には塵という総称で浮いているものがある
その中に目に見えないほどの砂が浮いている
この男の能力は土の管理
地面にあろうが空気中にあろうがこの男にとって土の分類に入るものは全て自分のテリトリーとなる
見えないほど細かい粒子を繋ぎ糸状にする
その糸を振動させ声を相互に伝える
そういうことができると知っているから使う
「さてどんな足掻きをしてくるか……」
最悪は起きないで欲しいものだが……
「まぁ、ここの人間にそこまで運のない人間はいないか」
自分でも見えない先を心配するしかないが変な条件があるわけないと自分で納得し連絡の次に自分が森に残した土人形に意識を移した
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ではでは。