13話 王子の話2
==13話 王子の話2==
マインはまず自分の事を話してくれた。
「俺はこの国の十八代国王と第一王妃との間の子で継承権は五番目だ。継承権一位は俺の兄のライン、二位は第三王妃との子でギール、三位は第二王妃との子でピーナ、四位も第二王妃との子でロード、次が俺。まだ下はいるにはいるがほとんど王になる可能性はほぼ無いな」
「そういう子はどうなるんだ?」
「そういう王子にはこの国の次の王を支える存在になるために小さい頃から国の裏方の学習が徹底されます」
「マイン、気になっていたんだがその人は?」
「すみません、挨拶が遅れました。マインお坊ちゃまの教育係のチヨで御座います」
「あ、えっと俺は平民のヒロトです」
「ヒロト様よろしくお願いします。
そう言ってくれたが目は俺の心を覗いているんじゃないかと思うくらい鋭かった。
「言うのを忘れてたな……続けて良いか?」
「ああ」
「えっと次は俺のことで良いか、俺は今日の神託でスキルを三つ貰った。礼節・魔を知るもの・護身術だ」
「それ言って良いのか」
「情報を渡すと言っただろ。それよりももう一つ魔眼の所有者という称号があった」
「魔眼ってのがあるのか?」
「ある」
驚いた、こっちの世界に来て魔眼のことを探してみたこともあったが正確のことどころか実在すらわからなかった。
「そこまで言うのか……」
「言う。さらにこの魔眼は審眼というらしい、能力は人命の器を見ることつまり相手の器が分かる」
「どういうことだ?」
「人の成長率やその人の心の悪意や善意などがわかるな」
「それめちゃくちゃすげーじゃん」
「ふふ、ありがとう」
俺が褒めると少し照れていた。
「まずは俺の情報を出した。そっちに有益だと思ったのなら何か教えてくれ」
「じゃあ、俺のスキルで良いか?」
「ああ」
「俺も三つ貰った。空間認識・強化聴力・思考並列加速だ。期待外れだろ?」
「ふむ、いや、そんなことは無いぞ。こっちももう少し話す」
「良いのか? これ以上情報がこっちから出ないかもだぞ」
「いい、次の情報がメインだ……俺の持論なんだこれはこれに意味があると思えるか聞きたい」
「……分かった」
「この世界は常に進化していると思う。歴史を振り返ると人と魔族の戦いは突然始まっている」
魔族、魔によって身体が変質した者達のことで人間のことを目の敵にしている。
「この戦い方も昔は魔族の圧勝だったのがいつからか対等に近づいていって少し経つと魔神が出てくるようになった、さらに魔王が生まれ魔族が圧倒し始めると人間側に勇者って存在が生まれた。また少し経つ頃には魔族側に邪神が出てくるようになって人間側には勇者に近い力で勇者とは違う分野で活躍できる人間が現れて勇者パーティーができた。今は均衡を保っているけど明らかに昔と戦い方考え方が変わっていると思わないか?」
「まぁ確かに出来過ぎな話だと思っていたよ」
戦いの変遷はエディックおじさんのところで読んで知っている。
「ふふ、ここまで理解してくれるとうれしいな。この戦いの変遷の理由を考えたんだ、そのときに気づいたんだけど神から貰うスキルが戦いながら変化しているんじゃないかと思ったんだ」
「どういうことだ?」
「俺たちが貰うスキルは使えば使うほど使いやすくなるって事が分かっているんだけど知っているか?」
「ああ、熟練度があるって考え方だろ?」
「ああ、そうだ。だけど熟練度があればスキルが使いやすくなるって意味が矛盾すると思ったんだ」
「なんで?」
「スキルの格だよ」
「あ、そうか格がこの話じゃ抜けるのか……」
「そう格って確実にあるのに使い続ければ使いやすくなるって変だと思ったんだ」
「確かに……じゃあ格の入れ替えが起きていることになるのでは?」
「ああ、格の入れ替えって事も考えたけどねたまたま知れたんだけどスキルの中には受け継ぐことができるスキルがあるらしいんだ」
「なっ! それなら入れ替えより」
「そう、スキルの進化の方が考えやすい」
俺はこっちの世界に来た側だからスキルとかを俯瞰して見ていると、見れていると思っていたのにこいつは推測からここまで考えるのか、しかも筋が通っている。
「どう? この考え方」
「凄いな、スキルについては考えていたけどスキルが進化するとは考えなかった……俺は俺たちの身体がスキルに併せて変わるのだと思った」
「それは俺も考えた、だけど受け継ぐことができるスキルの存在で消えたんだ」
「……この考え方の対価の情報を言わないとな」
「無いなら良いよ、この考え方に賛同してくれるだけでも俺に利益がある」
そう言ってくれたがこいつに新しく考え方が分かるかもと思い加護について言ってみることにした。
どうも、ロキュです。
この話書いてると思うんですけど会話が続くことは日常じゃあよくあると思うんですけどそれを小説にすると変な感じになっちゃうんだなって改めて思いました。まぁやっちゃうんですけどね。
これからも話の書き方ももっと工夫しないとな、って改めて思っています。 ではでは。