16話 森の番人の警告
==16話 森の番人の警告==
「ヒロは遅くないか?」
「ロード兄さん何回言うんですか。今日はもう二回目ですよ」
ここ最近の口癖のようにロード兄さんは言っている
ライン兄さん……いやクソ親父に負けてからすぐにライラックに来て一週間経った頃からずっとこれを言っている
ここに来てから俺はロード兄さんにしごかれている王都ではそうそう俺より強い人はいなくなっていた、その上いつも近くに俺より強いフランが俺ならヒロトのいる場所をすぐにでも見つけると思っているのか近くにいて手出しされることはないし、護衛もいた
だがここは自分の命は自分で守らなければならない、弱いやつに生活場所などない
ここへ来てすぐに始まった
今は法術というものを習いまずは纏魔法の上位互換のようなものを使えるようになった。
前にロード兄さんの協力を得る時に見た纏っているものはというのはこれだったようだ
法術は使い方の前に詠唱を覚えてないとできないためロード兄さんから直接教えてもらう時間は最初に比べ一週間でかなり減った
ロード兄さんについて事務仕事の手伝いをするようになってからこの口癖を聞かされ続けている
「ロード! 問題が起きた!」
「なにが……っておい!」
ノックもしないで入りすぐに言ってきた
いつもならばロード兄さんは一応礼儀作法を……と言うところだが報告してきた男の顔がそれどころではないという顔ですぐに来た道を戻って行ったため訳が分からないが問題ということで焦るようにロード兄さんの部屋を二人で出た
屋敷を出ると一人の男を囲むように冒険者と衛兵が武器を構えている
「ッ! 聖弓!? いや……これは……」
珍しくロード兄さんに焦りの顔が出ている
ここに来てわかったがこの人は緊急出動でもヤバいなみたいな雰囲気を出しても顔に出ていることが少ないそんな兄さんの顔に焦りが出るとはどういう状況?
「いや、違うのね。何度も言ってるの。俺は番人なの、ちょっと大きな問題が起きたから君たちに忠告しに来たのにこの歓迎は酷いのね」
「その身体……その人をどうしたんだ!」
冒険者の誰かが言った、身体? その人は人間じゃないみたいな言い方だしここにいる人達は身体の持ち主を知っているみたいな……
「この身体ね……この身体を、使っている理由も話したいのね。だからその武器下ろしてよ」
「黙れ! 魔物がここに来れている時点で問題があるんだよ、妙な動きをすればすぐにでも」
「無理無理、君たちには無理だよ」
そう言うと男の周りの地面に渦巻きの模様ができた
「「「「ッ!」」」」
多くの人が驚きと焦りの顔を出し武器を強く握りしめていた
「……問答無用で囲んだことへの謝罪をします、ここではこの状態を変えることは出来ないので私の屋敷に来て頂けますか?」
ロード兄さんが周りで囲んでいる状況が不味いという顔をしている
ここで囲んでいる中の二人はそれは助かるという顔をしていた
「ん、良いのね」
「無礼を寛大な心で許して頂きありがとうございます」
そういうとすぐに間を歩いて抜けて来た
流石に安心した顔をしていなかった多くの人は通してもいいのか!?
という感じで周りを探るように構えたままであったが安心した顔をした二人とロード兄さんが通すことを望んでいると分かり何もしなかった
ロード兄さんが直接自分の部屋に通し、屋敷にいるメイドと執事達に自分の部屋に人を来ないようにし部屋に入った
「無礼承知で先にお聞かせください。その身体の持ち主は……」
「死んではないね、ギリギリで僕が助けた形だから」
「そう……ですか……」
ロード兄さんが少し安心したという顔をした
「この身体の持ち主は強いのね」
「ええ、人間の中では最強クラスです」
「そうなのね……」
「お話を聞かせて頂けますか?」
「わかったのね。まずはこの身体の持ち主は少し前に深域に来たのね、まぁ僕が出る理由がないしそのままなら死ぬかもだけどそれも自然ということで放置していたのね」
俺が入れたお茶をズズっと音を出して飲んだ後に話し出した。カップにもうお茶が入ってない……一口か……
「だけどこの人間が来ただけならば問題はなかったのね、そう、他の奴らが入ってきた」
「他の奴ら? ここの人間しかあの森には入れないように結界を張っていますが……」
「破って来たのね、まぁ緩々だしね、それは置いておいて、来た人間は今だとなんて言うのかね? 異神解放派?」
「ッ! い、今もその名のままです……」
異神解放派? その名前は確か……あれ? 何かで聞いたな、なんだったか……
「おそらくここの魔素を欲しての行動ね、だけどその人間とこの身体の持ち主が会ったのね、すぐには僕も人間達が異神解放派なんて分からないから気にしてなかったけどすぐに戦闘になっていて異神解放派の特徴的なものを使ったからわかったのね」
やばいな……話が分からない
「マイン、話が分からないか?」
「その人間は詳しくないのね、君が特段に賢いのね。結構説明すべきかと思っていたのにね」
「それほどでも……」
「……ああ、よく見たら君は……いや、今は良いか」
なんかよく分からないやり取りをしている?
「異神解放派ってわかるか?」
「名前を聞いたことある気がするんだけど思い出せない」
「そうか、じゃあ説明しておくか、異神解放派って言うのはこの世界の神はわかるだろ?」
「ん? 当然」
「そうだよな、この神はこの世界を監視し問題が起きないようにしてくださっている。だがその神のいる世界の後ろにもうひとつの世界、神の世界があるっていうことを信じその神こそが正しき神という考えを持つ集団だ」
「あっ! 思い出した、王都で大司祭殿の話の中に出てきたんだ」
「まぁ有名なのね」
「悪い意味でしかないですよ」
「その人達のなにが問題なの?」
「……百三十二年前、百五年前、七十七年前にその神の一端の降臨があっとたという記録がある。最も大きな事件として残っているので言うと降臨地から半径五十キロの範囲が死んだというのが残っている」
「ッ!? 死んだ? 人間がっていうこと?」
「違うのね、土地も空気も死んだのね」
「は!?」
意味が分からない、そんなことは可能なのか?
「可能なのか? とか思ったのね? 可能か不可能かといえば僕なら本気でやればできるのね」
え、いや、この人もやばいじゃん!
「でも、それは出来ないですよね?」
「そうなのね、その力は神から与えられたものであるし制限もあるからね。まぁこの事件の大きな問題はそこじゃないのね」
「異神が降臨して数秒後にそうなったらしい」
「は?」
「つまりその攻撃が何かしらの方法だとしても降臨してすぐに全力でとは考えにくいしまずまずその攻撃をしている最中に身体が崩れたという報告もある」
「……つまり全力であろうとなかろうと途中の攻撃でそのレベル?」
「そういうことだ」
……そんな存在を呼ぶって、何がしたいんだ?
「今は神との呼び名の区別で外典って呼んでいるがな」
異神……外典、そんな存在を呼ぶための人がここに……
「この森にその人達がいるなら不味いんじゃ……」
「今は僕の半身と少し助っ人いてね。動き回っているから見つけることができれば儲けもの、見つけられなくてもそいつらを動かしまくれていれば問題なのね」
「俺達もそこに協力がしたいところですが……」
「そこは別に良いのね、ただ深域から出て中域に逃げたときの為に人手が欲しい。まだ出てこないと思うけどそれまでに整えて欲しいのね」
「……中域も広い、外の人達を説得しないとな」
「……ヒロをどうしますか?」
「ヒロ……ヒロトっていう人間ね?」
「……なぜ知っているのですか?」
「ちょっとね……こっちでも有名ね」
有名……こっちで? どっちのこと?
「アドベルから帰ってきてからすぐに呼ぶか、範囲に入り次第呼ぶことはできるが……」
呼ぶ、ロード兄さんのスキルか、あのスキルは謎なんだよな……教えてくれなかったし。
「じゃあ、それは僕が行くね」
「え……」
「人里に降りれたの久しぶりなのね、外を見たいから少し離れた所に飛ばしてね」
「……問題が起きそうな気がするし、まず呼ばなくても……」
「何も起こさないね、それにここにいられる間に聞きたいことがあるのね」
ロード兄さんの心配も分かる、ここまで話を聞いてきたがこの人の動きはなんか変だしな、目立たないわけがない
「ふむ、でもま、あと一週間もない内に出てきそうだからよろしくね」
「……はい」
ロード兄さんが折れる形で話がまとまった。
どうも。ロキュです。
何でしょうね暑くなりすぎじゃないですか? って気候に聞きたい位の暑さで頭がガンガンです
この時期特有の涼しい部屋からクソほど暑い外に出る……あの温度差がキッツい!
という事で投稿した話と自分の頭の中で考えた文がズレているという現象を見つけました
これツライ……
皆さん熱中症にお気を付けて!
この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。
ではでは