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14.5話 剣聖の悩み


 ==14.5話 剣聖の悩み==


 Side剣聖


「珍しいなアンタがスケール2……ハートヒットを使うなんて」

「……どうしてここに? エド」

「無視か……はぁ~面倒だけどアンタが来るって聞いたから出迎え」

「それだけでは無いよな?」

「当然、アンタが勝手に動くと碌でもないからな」

「酷いな」

「それだけのことしてんだろ」


 ヒロトとガクヤが戦った場所から少し離れたところで二人のSランク冒険者が会っていた


「今回の訪問は何の目的だ?」

「尋問か?」

「聞いとけばさっさと出てくだろ?」

「そんなに警戒すんなって」

「……」

「魔に抗する者達に会いに来た」

「……はぁ、結局面倒ごとかよ」

「会えるか?」

「手配はする。要件は?」

「そろそろ動くぞ、魔族は、一度大きく」

「……至急に手配しよう」

「助かる」

「じゃ、行くか」

「ああ」


 確認の言葉を交わした後は何も言うこと無く森を黙って駆けていった



 遠目に見ていたが中々強くなっていたさすがは識卵か



 スケール2……コイツの心臓の音の増加による攻撃、この攻撃はコイツはあまり人に使わない。コイツ曰く人に使うと美音を聞けないからとのこと。


 俺の隣を平然と走る男、コイツはかなりのくせ者だ、コイツの信念は昔から変わっていない。


『この世界に音楽を』


 普通に考えれば良い考えなのだろう、だがコイツは狂音と呼ばれる。それはなぜか


 簡単なことだ、コイツの美音が狂っているからだ。人の出す音で美しいと思っているのが断末魔や苦しむ音というやばい……いやトチ狂っている


 まぁそのほかにも努力の時にでる声も美しいと感じるらしいが……


 それ以外ではまぁ普通だ。楽器の音は普通以上に感性豊かで誰が聞いても美しいと感じ多くの人がコイツの音色を聞くと立ち止まる。


 それ故に昔は多くの国から式典などでの演奏依頼があったが報酬を出すのが難しい、なんせコイツにとっての美音を聞かせるということだから……


 このまま聖神国に行かせるのは正直勘弁願いたいが教皇様は来る者は拒まないとしているし、理由も問題なく、いや、我が国にとっても来てほしいものだった。


 このまま問題なく上手くことが進めば良いのだが


 魔に抗する者達、これは昔からいる存在だ。ここでの魔は魔族のこと。魔族は昔から聖神国の敵と認定されている。


 魔族を率いるのは魔王とされている、魔王に対することができるのは並大抵のことではできない、最後には勇者の存在が必要だ。ではこの魔に抗する者達とは何に対しているのか、それは魔王直下の存在に対している。


 魔王直下の存在とは簡単に定義するならば、大罪と呼ばれるスキルを持つ者達だ。


 高慢、嫉妬、憤怒、怠惰、貪欲、暴食、愛欲。このスキルを持つ者達だ。


 こいつらの数人はこの目で見た。


 俺も卵を持つ者、俺も戦うことになってもおかしくはない。


 ちなみに魔に抗する者達とは


 謙虚、人徳、忍耐、勤勉、慈善、節制、純潔。このスキルを持つ者達だ。


 もちろんながらスキルに合うだけの人格者が多いのだが……正直聖神国の中では魔に抗する者達は優遇される、その分弱い。一代前は俺が片手間に倒されるなんてことが多かったが今は俺が片手間で倒せる。


 理想を持ち自分で実行する強さがあっても戦いに向かない人達が今の代に集まっているらしい。


 昔の俺が弱かったとして今の俺が挑んでも片手間では無くなっても倒せないと思う。全力でやれば別かも知れないが


 そんな時にコイツの訪問。どんなことが起きるのか不安だな……


 走りながら色々と先のことを考えていると国境に着いてしまった。


 ここから先は何を考えても流れるようにしかならないか。



久しぶりの更新になってしまいすみません


この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。



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