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14話 朱の狂音


 ==14話 朱の狂音==


 アドベルから馬車に乗って二日、目的の街に着いた


 馬車から街を見てみると栄えているとかでもなく廃れているでもなく、特徴があまりないような街だった


「ここに依頼人がいるの?」

「ああ、ここを通ると聞いているからな」

「ん? 通る? ここに住んでいるんじゃないの?」

「まぁな、まぁこれ以上は秘密だな」

「そっか」


 馬車を降り街に入る、と言っても家が建ち始めている境目を超えるとすぐにこの街のメインのつもりなのか噴水のある広場が見えた。


 境目を超えると耳に懐かしい音が聞こえてきた、三味線?


 噴水がしっかりと見える所まで来ると音を出している発生源が分かった


 ピンク髪、紫髪、赤髪、色んな髪の色をして後ろで三つ編みにして伸ばしている男が立って三味線を弾いていた。そして何より変わった鬼の顔を模した仮面をかぶっている。


 通る人の多くが二度見をするような光景が続いている


 というよりこの街冒険者が多い?


「あ、いたな」

「え? もしかしてあの三味線弾いている人?」

「おお、あれ三味線っていうのか?」

「え?」

「いや、あの人が弾く楽器は知られてないものが多いからな……あれも俺は初めて見た」

「へー……」


 今こっち見たか? 目が合った気がする……仮面をかぶっているから気のせいか?


 暫く聞いていると次第に人が増えてきた


 人が増えてくると身体でリズムを取りだして脚で音を取り始めた。あれはタップダンス? 和と洋な感じだな


 最初は聞きなじみがなく聞いていた人達も苦い顔だったが三味線のリズムが少し変わると音が合い始めてきたその音を聞いていると音と音の間に観客になっている街にいた人達から歓声が上がる様になってきた


「相変わらず派手派手だ」

「あの人誰なんですか? 有名な音楽家?」

「いやあのひ――」

「おいおい! 本当じゃねぇか! この街にいるとはな!」


 ピタッと音がやんでしまった


 そっちを見るとガラの悪そうな冒険者が三味線を弾いていた男に絡んでいた


「うわ……やばい、Bランク冒険者の二シムだ」

「え……おい、だれか衛兵呼んで来いって」


 ざわざわと街の人達の声が聞こえる


 要するにこの街の荒くれ者冒険者と言うことか……それで絡んでいる……これなんかの小説の一ページですか?


「どなたが存じませんが街での戦闘行為は良くないですよ?」

「ぎゃははは、何のボケだよ! 俺はこの街でも指折りの強者だ、そろそろ外に出ようと思ってるんだがここに俺よりランクの上の奴がいると聞いて来てみればビンビンうるさく引いてるだけの奴とはな」

「……」


 周りがざわざわしはじめていた


「ちっ! 面白くないが俺がここを出る一歩目に丁度良いか!」


 そう言って腰から剣を抜き振り下ろすために振りかぶっている


「……剣を抜くと言うことは命を賭ける、そういうことなんだよ……」


 妙に響く声が聞こえた


「ぐげ? が……がはぁ!?」


 絡んでいた男の耳から、口から血を吐き倒れた


 広場にいた人達は突然の出来事に気が抜けるように立ちすくんでいる


「が……ぐ、だじがごきだ」

「喋らない方が良いですよ?」

「ぎざま」

「あー本当に動かないで」

「ぐうう」

「あ」

「がはぁ!」


 倒れても動かそうとしていた腕から血が噴き出した


「おい! お前! 何をしている」

「あれ? 衛兵さん?」

「うわ! 先輩、これ」

「ッ! 貴様この街では街の中での戦闘行為は禁止だ」

「ん? 知っています。僕は何もしていません」

「「ふへ?」」

「僕がこの街に来てやっとここで演奏できるように許可が下りてやっと好きに演奏していたらこの人が絡んできたんですよ、剣を抜かれてやばいと思ったんですがここで僕も武器を持てば同罪! と思って一撃目はしょうが無く受けようと思っていたのに突然血を吐いて倒れたんです」

「「「「「…………」」」」」


 無理あるだろ……


「今ヒロ、無理あるだろ。とか思ったか?」

「え? お、思ってけど?」


 今まで黙っていたのに急に話しかけられた


「あの人にとってあれくらいのレベルの冒険者など見向きもしなくても倒せる、手も使わないでな」

「はい?」

「あの人はSランク冒険者だ」


 マジかよ!?


「え、じゃああの人があれを?」

「ああ、そして今ヒロトを狙っている」

「ん?」

「あの衛兵が男を連れて行くと分かる」


 何を急に?


 そんなことを思いながらやりとりを見ていると衛兵の二人組は絶対にやってるでしょ? という顔ではあるが見ている証人がこれだけいても誰もが動いていなかったと証言しているので渋々男を引き連れ去って行った。


「うん、まぁこうなるよね。さてと」


 そう言って指を鳴らす音が聞こえると景色が……変わった!?


 街の中から森らしき場所になっている


「トドロ君、彼は別に勇者って訳じゃないでしょ? どうして連れてきたの?」

「俺の子だ、家に帰るついでに途中経過を報告しておくかと思ってな」

「ふへー。ま、いっか」

「やる気か?」

「え? 別に良いよね? だって君に止める権利ないし、まぁ合っても止めれないよね~」

「……」

「さ、武器を構えてよ」

「あ……この流れは戦う感じですか?」

「うん、そだよ」

「あ……逃げる手ないですかね?」

「ナイヨ」


 この言葉に危険を感じ横に一歩ずれると立っていた地面が削れた


「ッ!? あ、もう始まってる?」

「冒険者の野良試合にコングは無い!」


 三味線はかき鳴らすように弾いている、その音に指向性があるのか腕が動いていても音が聞こえない、まぁ聞こえたらやばいのか


「銀月流 壱之型・三日月」

「あは! 僕に近づくことができるのは中々珍しい! 命知らず? 自殺志願? ただのバカ?」


 全部アウトじゃん!


「そだよ、俺に近づくのはアウトなんだよ」


 危険を身体全体で感じた、壱之型を届く距離でないところで振り抜きすぐに距離を取った。


「ッ! 何これ……」


 仮面をかぶった男を中心に地面が波立つ模様になっていた、さらにいくつかの木の枝も葉も粉々になって降ってきた。半球状に広がる攻撃?


「む、今の攻撃を途中で止めたのはいいね」


 そう言って拍手をしようと手を出している……これは


 咄嗟に地面に落ちていた木の枝を適当にまっすぐ投げた


 拍手の音が響き聞こえる前に枝が粉に変わる


 やっぱ攻撃かよ!


 目で見てすぐに後ろに跳んで距離をとったが意味なかった


 まずまず竜眼で見ているのだからもっと攻撃の範囲は分かる、距離をとってもこの攻撃の範囲の外には出れなかった、結果。


「が!」


 耳から温かいものが出ているような感じ、頭が痛い!


「はぁ~まだまだだね」

「これ以上は俺も参加しますよ」

「ん……まぁそれはそれでそそるけど止めとくわ。本物の力になる卵持ちを消すわけにはいけないから」


 そう言うと三味線を一鳴らしすると頭痛が消えた


「はぁはぁ」

「ん~まぁとりあえずもっと強くなって貰わないとね」


 そういう目は俺を見ているわけでもなく何かを見ている感じでもない。


 何にも興味を持っていない感じだ


 そんな冷たい目をしていた


「とりあえず報告的には何も見つかりませんでしたよ」

「そか」

「以上なんで帰りますね」

「ん、えっと、君名前何?」

「ひ、ヒロトです」

「ん、そか、俺はガクヤ。君はまだ力を解放できてない。楽しみにしてる。じゃ」


 そう言うとフッと消えた。


「……まぁ気にするなよ?」

「気にしますよ……もっと強くならないと、ですね」

「……まぁ目的をしっかりしないとできないぞ?」

「安定した生活」

「無理だろ」

「即答!?」



どうも。ロキュです。

続々とSランクのキャラが出てきていますね……

やっと大会が終わったのは良いんですけど、気づいたんです! 最初に描いたストーリーから外れでしていたのが完全に外れたことに! そしてそのことに焦らねばと思っているけど内心まぁ良いかで済ましていることに!

と勝手に心の中で討論しています。


はい、適当なことを言っていないでと

もうすぐでこの三章の舞台になる場所に着きそうです。と言っても寄り道がまだ入りますが、チマチマ感を感じているのでさっさと動かしたいですね……まぁ焦って変にはしたくないんですが。


時間的余裕は無いままなので時間を上手く使えるようになりたいものですね。


この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。


ではでは。

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