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12話 弱くても


 ==12話 弱くても==


 何かが降ってきた


 地面にぶつかる音でなく金属とぶつかる音が響いた。


「父さん!?」

「――!? 不味い! 観客を出さないと!」


 どういう


「あらあら、おかしいわね? 今の一撃でこの子を消せたと思ったのに」

「不意打ちとは魔物らしいな」

「うふふ、あらやだいい男」


 リングの上に長身短髪の男がいた、服のサイズが合っていないように腹と肩が大きく出ている


「トドロ、俺がや――」

「こっちにもいるんだよ」


 エミバルさんが前に出ようとすると背後に短剣を持った小さめの男がいた


「ちっ、ちまちました……」

「そういうスタイルなので」


 そう言いながら打ち合っている、あれだけの威力が出せるエミバルさんと打ち合えるのは攻撃のテンポの違いがあるからか?


赤雷招来(サヴァディオ)

「あら? 貴方は参加なしよ」


 そう言って手から糸がでてぐるぐる巻きにされていた


「効くか、こんなもの!」

「あらあら、荒々しいのも好きよ~」

「ぐ、ぐぅぅぅうう?」


 バチバチと赤く光っていたが段々と弱くなっていき膝を突いている


 双雷を糸でぐるぐる巻きにした男がそれを見て手を顔に当てながら身体をくねくねと動かしている


「……何をした?」

「あら? 私のスリーサイズは秘密よ」

「聞いてない」

「酷いわ~もっとおしゃべりしましょうよ」


 最後まで聞く前に手に持っていた大盾を槍に変えて攻撃していったが……


「あは! 糸煉領域(テリトリーロウ)

「……暗黒領域(テリトリーロウ)


 あれは!?


「させるか! 斧場領域(テリトリーロウ)

「ぐ、道化領域(テリトリーロウ)


 四人を中心に円が広がっていく空から降ってきた男達は外に向かおうとしているように広がるがエミバルさんと父さんの円がそれを阻むように広がっている


「驚いたわ、貴方も使えるのね」


 その言葉を最後に声も姿も見えないままリング一杯に膜が覆われた


「ちっ使えない、ここ全体を包めと言っただろうが。んん。まぁいい……俺が全部喰うか」


 空を飛んでいる鳥の翼が生えている男がいた


 三体目? さっきの二人も人間みたいだったけど魔物と呼ばれていた、まぁ確かに見た感じ人間の存在感じゃなかったからそうなのだろう


「翼礫」

「銀月流 捌之型・滅烈孤月」

「んん?」


 危ない……


 この攻撃でやっと観客に危険さが伝わったようだ、膜を張る前からアナウンスで逃げるように言っていたのに動く人が少なかったが今は混乱状態だ


「おいおい、なんだ貴様んん」

「やらせない」

「おいおい、良いこと言うじゃねぇかんん」

「……銀月流 捌之型・滅烈孤月」

「バカの一つ覚えに付き合わねぇぜんん」


 そう言うと翼で羽ばたき攻撃を消された、ように見えたがよく見ると魔力が飛んでいた、小さな羽を飛ばしたのか?


「何が目的なんだ」

「おいおい、冒険者じゃないのか? と言うよりまずまず魔物が人を襲う理由なんて簡単に分かるだろんん?」

「なんだよ」

「無知かよ、教えてやるよ、人の魂及び魔力を奪うためだよ」

「……なんで人なんだ? 魔物同士でもそれはできるだろ?」

「酷いことを言うな~」

「人を襲うお前らは酷くないのか?」

「はは、それもそうか。まぁ、効率が良いんだよ、弱く簡単に奪えるのに得るものが多い、魔物よりな、そら狙うだろ?」

「……」

「ま、お前に構ってる暇ないわ、じゃあな」

「銀月流 捌之型・滅烈孤月」

「無意味なんだよ!」

「足場がないと斬りにいけない……ならこっちか、鉄刀」


 父さんの投術の応用で


「意味ない」


 翼を羽ばたかせると届く前に落とされた……威力が足りなさすぎる


「私が手伝うわ」

「え?」


 さっきまでいなかったのにエミバルさんの奥さん、アリアさんがいた


「ボスは観客の誘導、貴族の側近は貴族の側に、他の冒険者も外で戦ってる、ここまで来た奴らを止めないと終わらない。多分私だけじゃ無理、だから協力してやるわよ」

「はい」

「私が合わせるわ、全力で動いて」

「行きます」

「はは、一人が二人になろうと変わらん!」

「銀月流 壱之型・三日月」

「包囲固定」


 一歩で踏み出した先に四角い半透明な足場があった、完璧に合わしてくれた。


「ん!? 危ない……おいおいマジかよ……結界師か……面白い」


 フッと上に上がられて避けられた


「銀月流――」

「お前は鬱陶しい!」


 そう言って落ちている途中だった所を風で速度を上げさせられリングの横の地面に叩き付けられた


「ヒロ君!?」


 ぐ……がああああ。痛ッ!


「雑魚が邪魔してくれんじゃねえよんん」

「銀月流――」

「そうやって1つのことしかできないような奴が俺様の邪魔すんじゃねぇよ!」


 そう言って急降下をしてこようとしているが今の俺じゃ避ける動きが早くできない!


「【ライトショット】」

「んん?」


 光に似た白い炎の矢が飛んできた


「ライト? はは、何言ってんだただの炎じゃねぇか」

「俺は勇者、弱き者を守る行動をするのみ!」

「はは、バカがいるな。お前の魂の光も器も勇者じゃないだろ。勝手にその名を名乗ってんじゃねぇよんん」


 そう言うと俺から標的を変えてナミトに向かって行った


「お……逃げ……」

「ナミト、そうやって勇者って名乗るの止めた方が良い」

「何を言う、アミ。俺は勇者だ」

「俺達がハズいんだよ、バカ」


 ナミトが立っている後ろから髪を後ろで編んでいる女性と背中に大きな盾を背負っている筋肉ムキムキの男が出てきた


「ナミト」

「ああ」


 女性の方が弓を構えると後ろからナミトが背中を触ると矢に白炎が纏われていた


「は! 俺に当てれると思っているのか」

「問題ない」


 そう言うと矢を放った


 放たれた後一秒後くらいに矢の数が倍に、また一秒後に倍にと秒ごとに矢の数が増えていった


 氷弓っていう人と同じような法術か?


「く!?」


 物量の多さに距離をとるように上昇していこうとしたが鳥の魔物の上に結界が張られ生きよいそのままにぶつかり矢の攻撃を多く受けていた


「貴様ら……翼礫」

「フン!」


 ナミト達とアリアさんを同時に狙うように羽が飛んで行ったがアリアさんは結界で当然の様に防ぎナミト達は筋肉ムキムキの男の盾で防いでいた


「チッ」

「【ライトニング・バーン】」


 ナミトが目立つようにとしか考えれない声量で技名を叫ぶと白い球が鳥の魔物の目の前に一瞬ででき爆発した


「こざかしい!」


 あ、全然効いてないな


「まだ練習不足だな」

「今使うことないでしょ!」

「問題ない、頼りになる仲間がここにいるからな」

「「……」」


 なんかここからでも分かるくらい照れてますね……戦いの最中でしょ……


「ああ、おい! いつまで寝ている! ヒロト! 貴様はこの俺に勝ったのにもかかわらずこんな魔物に負けるつもりか! そんなこと俺が許さんぞ!」

「うるさい」


 背中が痛い、後頭部が変に熱いんだよ


「逃げ腰でいるような奴ならさっさとここから去れ! 邪魔だ」

「うるさいわ!」


 グチグチうるせー


「言い過ぎじゃない?」

「負けたのが悔しいけど今はかってるからマウントを取りたいのだろう」

「そういうこと」

「おい、聞こえているぞ」


 うるさい、グチグチ言われなくてもあいつをたたき落としてやる……


「あの高さから落ちたのだ立てても激しく動くこと無理だんん」

「お前もうるせぇ」

「――!」

「銀月流 壱之型・三日月」


 ちっ逃げられた。


「早い……なぜだ? 人間はこの高さから落ちれば普通ならば即死、即死でなくとも身体の痛みで動けるものではない、ましてこの高さにまで来ることはできないはず」

「銀月流 肆之型・繊月凶鳴」

「だが、何も変わらねぇかんん」


 翼で攻撃が弾かれる……なら剣の先に仕込めば良い


「ぐッ!?」


 弾く場所はもう識った、ならば弾く箇所の先に火弾を仕込んでみたが……有効だな


「単純な手だな! もう効かないがなんん」

「関係ないだろ?」

「んん?」


 俺を横に飛ばすように結界が動くように張られた、それによって直線が空いた


 俺の背後から白炎を纏った矢が飛んできた。


 鳥の魔物に直撃し翼が焦げた


「ぐ!? 貴様ら……」


 アリアさんがもう俺の足場を作ってくれているので俺は落ちないが魔物は落ちていく


 なんだったかな? この高さから落ちれば普通ならば即死、即死でなくとも身体の痛みで動けるものではないだったか? それは人間だけでなく常に飛ぶことができる奴にも聞くんじゃ無いか? だって落ちる経験がないもんな


 落ちていく魔物を上から見ていると膜が突然破れた。そこから上向きに斬擊が飛んできて鳥の魔物が斬られた


「そっちも終わってたか、奪って済まんな」


 そう言って立っているエミバルさんとしゃがんだ状態の父さんがいた。その二人の前に身体が弾けているような状態の人型の残骸のような状態のものがあった……


 もしかしてもう終わったの!?


「エミバルさん! 怖すぎですけど!」

「済まんって、アリアが大丈夫か心配だったんだよ」

「だとしても勢い強すぎです……」


この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。

ではでは。

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