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12話 王子の話1


 ==12話 王子の話1==


 神託が終わり色々な声が聞こえてきた。


「はは、いいスキルだ、やったぜ」

「か、加護をもらえた父さんの診療所を手伝える!」


 とうれしい声や


「紙がないそんな……」

「何なんだこのスキル、どう使えばいいんだよ」

「ああ……医神様の加護無い……そんな……」


 と絶望のような声も聞こえる。


「ヒロどうするの王子との話し合い」


 周りの声を聞いているとリンが聞いてきた。


「そうだな殴られる系はスキルと魔法でなんとか避けるくらいしかないと思う」

「自信なさそうだね」

「まぁリンみたいに強いスキルがあるわけじゃないし……ほら、暴れん坊とか?」

「むぅ、それいじらないでよ」

 

 と頬を膨らましながら言ってきた。可愛い。


「まぁなんとかなるよ」

「スキルもあるし私も行こうか?」

「いや、リンの身になにかある方が嫌だからいいよ」

「えっ……えっと、あ、ありがとう」


 真剣に言うと急に顔を赤くしながらリンが答えた後逃げるように友達のとこに行ってくると言ってどこかに行ってしまった。


 ◇◇◇◇◇


 数分後、教会の広間のざわめきが一区切りつくと


「神よりスキルをいただけなかった者もいるだろう。しかし頂くことができなくとも神は常に我らを見守ってくださっている。この世界は神の支えにより平等になっている決してスキルだけが神のお力ではない皆神のお力に感謝をしながらこれからも生きていくように」


 と大司祭が言って神託が終わった。


 ◇◇◇◇◇


 俺はとりあえず終わった瞬間すぐに母の元に行き隠れようと動こうとすると


「あーーれ? ヒロ君? 何処に行くのだい?」


 一番聞きたくない声が隣から聞こえた。


「なんでここにいるんだよ」

「君がすぐに出るんじゃないかなって、思っちゃった、てへ」


 ニヤニヤしながら立っている王子がいた。


「そんなキャラじゃないでしょ、王子様」

「まぁまぁ、じゃあ行こうか」

「……はい」


 周りにいた子供達の視線を感じながら王子について広間を出ると俺の母に王子の世話係らしきおばあさんが説明をして母は喜ぶように俺を差し出してしまい今は王子の馬車に乗っている。


 空気が重い何もしゃべれない。 ゆらゆらと揺られながら逃げるプランを考えた結果ばれないように身体中に魔力を巡らす量を増やしていつでも王子の攻撃が来てもいいように準備をすることしかできなかった。


「さぁ、着いたよ」

「あ、ああ」

「まぁ普通にしてくれ」

「無理です」


 と軽く話しながら屋敷の中に入った。


 ◇◇◇◇◇


 屋敷の中は凄かった、まず、エントランスには歓迎の為に執事とメイドが並んで揃った動きで歓迎をしてくれた。その中で執事長のピズという人だけ個別に紹介してくれた。ピズは俺が平民でも関係なく丁寧に接してくれたが目がこちらを探っている感じで少し怖かった。

 次に廊下はまず幅が広かった、いやむしろこんなにいる? ってくらい広かった。そして絨毯は土足で入っているのに土やシミが一切ない、さらに長い廊下なのに切れ目というものが見つからなかった。

 

 屋敷のあれこれに驚きながら王子の後ろを歩き続けると一つの部屋にたどり着き中に入るように言われ中に入ると。


「やっと終わったー」


 まず第一声に王子が言った。


「ヒロ……トも楽にして」

「気を抜くのが早いですよ」

「いやもういいでしょチヨ、もうめんどい」

「はぁ、まぁ良いです。よくじっとしましたね」

「まぁこれのためにね」


 急にしゃべり出したかと思えば急に楽な言葉使いで俺は驚いた。


「私は出ていましょうか?」

「いや、近くにいてくれ。どうせヒロ……トのことを探るのだろ?」

「はい……そうですね」


 そう言って世話係らしきおばあさんが王子の隣に座った。


「ヒロト、ここなら誰にも聞かれない、楽に話してくれ」

「……ヒロで良いよ」

「ん? ああ……助かる」


 少しうれしそうにしながら王子が言った。


「で、何が目的なんだ?」

「直球だな、まぁいいか。俺の話を聞いて貰おうと思ってね」

「そのためだけに?」

「ん? まぁそうだ。ただ、こちらのことだけじゃ無い。こっちの出す情報が君にとって有益なら君の事を話して欲しい」


 頼むように言ってきた。


「それは王子の……」

「マインって呼んでくれ、ここなら誰にも聞かれない」


 それは無理だろと言おうとしたが王子の言葉に隣のおばあさんが全く反応しなかった。


「分かった……マイン、それはマインの言ったことに俺が価値なしと判断すれば何も言わなくて良いのか?」

「当然だ、情報の価値は人による。こっちが強引に持って行くことはできない」

「分かった、聞かしてくれ」

「ふふ、ありがとう」


 そう言った後にマインは色々なことを話してくれた。



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