表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/162

11話 刃老斧


 ==11話 刃老斧==


 すごい衝撃だった、貴賓席は安全の為にという考えで上の奥の方にある――正直下が崩れれば危ないのでは? と思ったがここに魔法的なものがあれば別なのかなと思ったが――そこまで衝撃がかなり来たのならば下は結構やばかったのでは? と思ったが特に問題が無かったようだが歓声は上がっていない、観客にとってもさすがに怖かったか


 リングには砂煙が上がっているが収まってきて見えるようになるとリングの中央に両腕がなくなっている男と身体に穴がボコボコ穿たれている父さんの姿があった。二人とも近くに血が出ていない、雷で血が蒸発したのか?


 まぁ一番の問題は俺の横だな、すぐそこだ


 雷が一筋流れ飛んできた


 ギリギリのタイミングでギルドマスターが押してくれたおかげで避けれたが……怖すぎる……なんでこの俺のとこまでの一直線だけ結界破ってるの!? 久しぶりの不運? ちょっと今までと違って命取りに来るレベルじゃん……


「ギヒ……さすがにこれでさっきみたいに立ち上がってこられると無理だな……」

「ぐ……」


 男が話しかけると父さんの口から血が出てそのまま倒れた。


 倒れるとすぐに身体に空いた穴がなくなった、時間が戻ったみたいだ。


 二人は元の姿になったが闘技場はすごいことになっている、リングはガタガタになっており所々が燃えている、リングの外は観客席の近くまでリングよりは酷くないが地面が割れている上にリングより火があるところが多くその燃え具合もこっちの方が激しい、結界が視認出来ている、空中まで罅が入っていることでどこにあるのかが分かるようになっている。


 これ修復大変そうだな……


「しょ、勝者、ミ――」


 勝者コールが終わる前に割れんばかりの歓声が上がった、凄過ぎて声が出ない状態だったようだ


「ギヒ、しゃぁぁあああああ!」


 そう言って上に雷を打ち上げた。派手好きだな


 喜びを声に上げているが少し経つと案内役の人について退場していった


 ◇◇◇◇◇


「父さん、お疲れ」

「ダメだったわ……」


 少ししょんぼりとした感じになっていた。十分すごいのに……


「気になったんだけど一回殺されたように見えたけどあれは?」

「ん? ああ、俺のスキルの一つだ」

「へぇー、そんなことできるんだ」

「条件が厳しいがな」


 まだ日が明るいから食べに行こうと父さんに誘われて今は結構良いところぽいレストランに入っている


「あ、最後まで見たいけどいい?」

「おお、問題ないぞ、いや~アルトの奴大分心に来てたみたいだからな早くみしてやりたいわ」

「それなら手紙でも送れば良いじゃない?」

「……あ、ほら検問とかあるかもじゃん」

「……本音は?」

「ドッキリで驚いた顔がすごく見たい」

「酷いな……」

「お前な、たまにしか俺は会えないんだぞ、その時くらいいい顔を見たいんだよ」


 そう言ってグラスに入った葡萄酒を優雅に飲んでいる


「なんでたまにしか会えないの?」

「んー、俺は帝国に狙われていてな……」

「帝国に?」

「ああ、昔帝国で軍に入っていたことがあってな、それで円満に抜けた訳だが、まぁそのときの所属していた小隊長に気に入られていてな、戻ってきてくれって言われててそれを蹴り続けたらあるときその小隊長が戦死してしまってな、それで分かったわけだが俺を連れ戻すのに一小隊動かすことになっていたらしくそれを阻止してくれていたらしくてな」

「んん? 話が見えないよ?」

「目だろ?」

「そこじゃない」

「はいはい、その理由に問題があってな、俺が帝国軍規違反をしている恐れがあるとして強制召還が理由でその小隊長はそんなわけがないことを知っていたから助けてくれてた訳だが来る予定の連中が暗部ってのが更に質が悪い、強い上に気づかないうちに狂わされる、そんな奴らが家族に手を出してくるが嫌で逃げてるんだよ」

「それ、俺達が人質になる可能性は?」

「ない、国の陰謀が絡んでの国越えは見つかれば大問題、今なんか即戦争に持って行かれる、そんな危険な愚を犯すほどバカじゃないからな」

「へぇ……」


父さんを追うのは良いのか?


「ま、だから定期的にはならないように不定期で帰っていたわけだ」

「そうなんだ」

「それにしてもすごいのはお前だろ」

「ん?」

「目を失ったと聞いているのに見えているじゃん」

「さっきの絡みを否定する言葉じゃん」

「さっきのは流れだ」


 流れってなんだよ


「あー話すと長いんだよね」

「じゃあ、その話を聞きながら飯だな」

「飯が不味くなったとか言うなよ」

「言わん」


 この後フルコースを食べる間王都襲撃からの話を話した、丁度食べ終わると同時に話が終わったが結局話し終わると一言


 「飯が不味くなる話だな」


 と真顔でした。


 ◇◇◇◇◇


 次の日に決勝が執り行われたが……まぁが準決勝あそこまで盛り上がったのだ、対戦相手が可哀想なまでの瞬殺と観客の残念そうな声の響きだった


 だが、このことは多くの人が分かっていたこと、それでも今日来ている人は多い、なぜかというと


「それではエキシビションとしてSランクと今大会優勝者との戦いの準備を始めます」


 これだ、Sランク冒険者というのは基本見る機会が無い、なぜなら彼らを雇うのにかなりの価格になるということと多くのSランク冒険者が国に所属している為市民にとって会えない存在だからだ。そんな存在が戦う姿を見れるとなれば盛り上がりもする


「ギヒ……」

「がはは……いい目だな……」


 まだ戦いの合図は始まってないがお互いに殺気が出ている


「それではエキシビションマッチ、始め」


「雷之王よ、我の魔糧とし御力の一端を我に貸した与え給え」

「来い!」


 バチバチと赤い雷を纏っている、父さんと戦った時に最後の方に出していた状態なのにもう使った?


「君たち……普通に貴賓席に来たさね……」

「しょうがないだろ狸、俺達が見ようと思ったらここくらいしかない」

「まぁエミバルが俺の代わりにって言ってたさから良いけどさ」


 後ろで大人二人が話しているがリング上の方が気になる


 双雷はもう纏いを使っているけどエミバルさんはまだ使ってない、さすがにあれは危ないのでは?


赤雷招来(サヴァディオ)雷電招来(リデュンディオ)


 右手に赤の左手に青の雷を纏っている


「かか、纏え」

「双雷混杖」


 両手を合わせて振り下ろすと離れたところにいるエミバルさんに向かって赤と青の雷が絡み合うように落ちていった


「フン」


 妙に響く声で両刃斧を振ると雷が弾かれた。直撃はしないが威力は流れているようで服の腕の部分が破れた。


 破れた所から見える腕は老人の身体ではなかった、腕に大きめの傷がいくつか走っている、それだけでなくかなりの筋肉が見える前世の俺の友達に筋肉好きの友達がいてそいつがよく「ボディビルダーの筋肉も好きだけどスポーツやっている人の二頭筋とか好きなんだよ」と下手に返事をしてしまうと延々と話を聞かされると言うことがあって筋肉に使う筋肉として鍛えるのと使う筋肉として鍛えるのでは少し違ってくることを知っているが……あれは使うためだけに鍛えられた筋肉なんだろうと思った


「ギヒ……マジか……」

「来ないのか?」

「ギ……ギヒ、リデュン!」

「良い判断だ」


 青色の雷が大きく放電している、それに遅れて赤色の雷も大きく放電し始めた。父さんとの戦いの最後の奴か?


「落雷蒼火!」

「甘いんだよ!」


 暴発するように雷が広がっていくと視界が奪われた


「あ、昨日ヒロ救ってくれたらしいな、狸」

「まぁもったいないからな、ここで失うにはもったいなかった」


 いや、後ろ二人! 全然見てないな試合


 視界が戻るとエミバルさんと双雷の間に直線が引かれたように地面の色が変わっていた、今回はリングの外に影響が出ていない


「ギ……ギヒ……」

「良い攻撃だ、まぁまだまだだがな」

「ぐ……」

「その程度の攻撃で腕を失うなど愚だな」

「……」

「まぁ手土産だ、受け取れ」


 そう言うと斧を後ろに引いている


雷壁(サンダーウォール)


 思いっきり振り抜くと結界が紙のようだった。


 感想はそんな感じだった、雷の壁は当然ながら双雷も当然の様に斬られていた、結界でも防げていない攻撃、それを観客には当たらないように上向きに放ったから観客の被害がないが……すごい威力だ……


「そ、そこまで」


 その言葉で観客達が圧倒的な状況に驚いて何も言えていなかったのが言葉を思い出したように歓声が上がった。


 すごいと思って貴賓席で前の方で見ていたがすぐ横を何かが通った。



この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。

ではでは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ