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10話 無者と双雷


 ==10話 ==


 次の日は観客席で父さんの戦いを見ようと思っていたが昨日エミバルさんに相談すると絶対止めとけと言われて俺のとこに招待してやる、俺の嫁さんもいるぞ とここでも嫁さんの部分を強調していた、というか俺の識卵の話の後ほとんどあの人の嫁さん自慢聞かされた気がする、まぁ冒険談もあったけども


 と言うことでかなり良い席見ることになった。


「あらあら、君は昨日の、すごかったわよ」

「何を言う、俺の方がすごいぞ!」


 おい、じいさん張り合うな


「貴方、誰が貴方と比べるのですか、トドロ君と戦ったのはもう何年も前でしょ、比べる物差しが違うわ」

「むー」


 おい、じいさんの膨れた顔に需要はないぞ


「もう、私は貴方のものなんですからすねないでください」


 ……まぁ言い方がすごいと言いたいがこの人の、この人達の場合その言葉が合っているからな


「そうだな」


 そう言うとその場でイチャつきだした。おい、ここお偉いさん多いんだろ? それ良いのか?


「おい、バカップル。ここでイチャつくな」


 ボス!


「「……はいはい、ヨチヨチ」」

「二人で同じいじりをしてくるな!」


 ハモり具合がすごいな


「ただいまより準決勝の戦いを始めさせていただきます、選手入場」


 その声と同時に二人の男が入ってきた、姿が見えると一気に歓声が上がった


「すごい声……」

「お前さんの時は無かったわけじゃないぞ、常にリングの外にも結界があるだけだ、声が通りにくい」


 俺の呟きを拾ってエミバルさんが答えてくれた


「結界ってすごいな……」

「おぉぉぉぉぉい!! このときを待っていたぞぉぉぉぉお!!」


 歓声を塗りつぶす程の大きな声が響いた、もちろんこの声の主は観客達の中心にいる


「……」

「貴様に負けてから俺はお前を探したぞぉぉぉおお!」

「……いつの話かな?」

「ぅおぉぉぉおいぃぃぃぃいいい! 俺は忘れもしない! 一週間前!」


 いや、早いな! 何年も前の話みたいな感じだったでしょ


「ああ、あの時の……」

「思い出したかぁぁああああ! 俺の日課の戦いを邪魔し、更に俺を叩き潰してくれた貴様に復讐をしてやる……するぞぉぉぉぉぉおおお」


 変な人だ……でもあの人は強いのだろうな、今まで全て瞬殺だったわけだし


「……」

「それでは準決勝……始め!」

道化之王(クラウンデモ)わ――!」

「赤雷」


 開幕すぐに纏を発動しないで即攻撃、確かに理にかなっているがそれは危ないのでは?


 父さんは避けてすぐに飛武器で狙ったが


「ギヒ、双雷連落!」


 飛武器を落とすだけでなくリング全体を赤と青の雷が走っている 


 最初の攻撃で距離をとっていた父さんに攻撃が何発も当たっている


「こんな……こんなものかぁぁぁぁああああああ???」


 そう叫んでいる後ろにスッと斬りかかる姿があった


「ギヒ! そうこないとなぁああああ、雷装」


 後ろに忍び寄った至近距離で死神とかが持っていそうな鎌を身体全体で振っていたが声のうるさい男に赤色の雷が全身にまとわりつくとフリなしで距離が広がっていた


「あ、俺の名前知らないだろ。俺は――」

「興味なし」

「ギヒ! アブね…………な!」


 赤色の雷だけでリング全体を走り落ちた


「チッ」


 かなりの量が落ちてきているが全て避けている、どうやっているんだ?


「ギヒ! この感じ……この感じだぁぁぁあああ! 雷之王(ソディハオ)!」

道化の時間(クラウンリロック)


 大きな声で叫ぶと男を中心に雷が無数の矢の様に走った。


 結界によって雷が途中な感じになるが中々に怖い上にかなり眩しい、目を開けていられないくらいに


 眩しさが収まると身体に雷によって穿たれた状態で膝を突いている父さんがいた


「ギヒ……つまら――」


 言いかけた言葉を言う前に大きく飛び退けると上からが斬擊が落ちてきた


「ギヒ!?」


 驚いて男を目で追ってしまい父さんを視界から外してしまいどうやってと思って見直そうとするとさっきまでいた場所にいなかった


「……赤雷招来(サヴァディオ)


 さっきとは違う色合いの赤い雷を右手に纏っていた


 気づかないうちに男の正面に父さんと空中に浮かんだ短剣がいた


「俺に飛び道具は意味ないぜぇぇえ……」

「知らんよ、これでいけると思えているからやっている」


 空中に浮かんだ短剣を掴みまっすぐ投げると男は刃があろうと関係なしに赤色の雷を宿した拳で殴った、殴り短剣に当たると赤い雷がバリッと周りに放電していた。


 殴り防がれること関係なしに距離をとり走りながら直線的にも曲線的にも短剣を投げていた


「チマチマ来るんじゃ……つまらんだろぅぅぅううがぁあああ」


 バチバチと音がしながら顔に拳を近づけ雷の宿っていない手で指さす様な手の形を作っている


鳴雷矢(メライヤ)


 指さしの方向に鋭い雷の矢が飛んでいったが父さんは矢が来るとその瞬間だけ速度を上げ矢が地面に被弾すると速度を上げる前よりほんの少し遅くし雷が身体を通過したように見えるようにしている。


 なんと無駄な……と思ったがその避け方をすると観客の歓声が大きくなっていた


 観客ウケを狙って戦うとか……いや、考えすぎ? いや、考えてないとあんなことしないか


「来ないのかぁあ?」

「攻める機会が無いな……」

「そんなわけがないだろ、来いよ、お前の本気でよぉぉぉおお!」

「……楽しむことが大事だぜ」


 ゆっくりと手を上げ短剣を上に投げた、と思った瞬間男の腕を短剣がかすめていた


「すごい技術ね」

「昔戦った時より強くなっているな」

「あらあら、貴方人は成長するものなんでしょ?」

「くくく、そうだったな」


 なんか会話の一つ一つにイチャつきが入っている気がするのは俺の気のせいなのか?


「ギヒ……やらねぇえならやる気になるまでやるしかねぇえな」


 一本しか持っていないように見えるのに腕を振ると三本くらいが飛んで行っている、魔術で増やしているとかなのか? さっきのエミバルさん達の会話に技術って言っていたから何かタネがあるのか?


雷電招来(リデュンディオ)!」


 薄青色の雷が左手に纏っている、赤と青……そうか、二種類の雷を使うから双雷か


「狸! 結界師は今何人だ」

「今連絡を取った、十人で対応しているそうだ」

「増やせ! 足らんぞ」


 どうしたんだ? 何を慌ててる?


「間に合わないかも知れない」

「私が行きましょうか?」

「俺も行く」

「っ! すみません、頼みます」

「そこは「頼んだ」だろボスだろうが」

「貴方、そんなこと言っている暇はないですよ」

「おう」


 そう言うと走って下に走って行ってしまった


 貴賓席が騒がしくなっている間に戦いは大きく派手になっていた


 男が拳を振る度に地面を抉るように雷が放電し一撃一撃があり得ないほどの攻撃力だ。そんな攻撃がリングの外に、結界に当たる度に轟音する、そのタイミングで地面を抉る音も響くためかなりの音量だ。もちろん音だけでなく結界がやばくなっている


 リングを覆うように薄い膜みたいなのが目に見えるようになっている、それだけでなく罅が入り始めている


 これを慌てていたのか


「さぁあさぁあ……さぁあああああ! 出せよ!!!」


 響く声は拾われた音なのか罅から漏れている音なのか


 もう歓声がしないだろうと思ったが変わらず歓声が響いている、自分たちには来ないという確信があるわけないのにすごいな


「間に合ってくれよ」


 隣に来ていたギルドマスターの声が聞こえた


「何がですか」

「ん? ああ、もう入っているだよ、トドロが攻撃態勢に」

「え?」

「このままぶつかり合えば結界はバラバラださ」


 や、やばいじゃん!


「道化之王よ、我の魔糧とし御力の一端を我に貸した与え給う……霊具顕界」

「ギヒ! きたぁあああああああああああああああああああ!」


 距離があるからか父さんの動きが見えた両手に短剣よりは長い剣を持っている


 接近して下に潜り地面すれすれで回転して跳ね上がるように剣を振っている回転が速すぎて回転中の動きが見えないが右手の突き上げた剣を男が両手の雷がつながって雷の棒で防いでいるがこの角度なら分かる。突っ込んでいったときの左手の剣がない


 押し合いの均衡を破るように弾くと父さんのいたところからロケットのように剣が向かって行った。


 身体を反らして避けたが頬をかすめていた、だが飛んで行った剣がない分さっきのような攻撃ができないのでは?


 そんなことを考えていると飛んで行った剣が起動を変えて、いや普通に動き出した!?


「これだ! これを待っていたんだよ!! 命が触られるような恐怖、ギリギリにこそ技がキレル」


 そう言うと向かってくる父さんに反応することなくブツブツと何かを言っている


「ギヒ……雷之王よ、我の魔糧とし御力の一端を我に貸した与え給え!」


 雷の軽鎧を身に纏っていた赤い雷が大きく放電している


 父さんの剣と拳がぶつかるたびに闘技場が揺れる


 多分観客にはリングの中でどんな風に動いているか分からないだろうな、それくらいの速さになっている


「硬いな!」

「まだまだ行くぞぉぉぉぉおおおお!」


 さっきみたいに男を中心に雷が広がった


 さっきと違うのは父さんが走り迫ってくる雷を斬り伏せていた


 ギリギリ見えた顔にはかなり焦っているような顔になっていた


 迫ってくる雷を全て斬ると剣をすぐに投げ自律的に動いていた剣が手に戻っていた


「力を貸せ! リデュン!」

「まだ、あるのかよ!?」


 眩しいまでの青い雷の輝きになっている


「ギ……ギヒ!」

「暴発寸前じゃねぇか」

「最ッ高!」

「道――」

「落雷蒼火!」


 赤も青も混ざり狂った光が闘技場を包んだ



どうも。ロキュです。

中々時間ができなくてできていた話の誤字見つけに時間がとれないほどでした……

この話は中々自分で書いていて楽しくなっている部分があるので、かなり変なところが出てくるところなのかも知れませんね……あー楽しかった。


この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。

ではでは。

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