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6話 本戦前


 ==6話 本戦前==


 本戦決定してから数日後に組合せ表が届いた、一回戦はナミトという人らしい


「ナミト……ああ、そいつな~」

「エネさん知ってるます?」

「ヒロ俺達も知ってるぜそいつは」

「ダモさんも知ってるんですか?」

「いや~ここの冒険者なら大抵の奴が知ってるよ」

「へーどんな人なんですか」

「自称勇者よ」

「ああ! ヒトナ俺が言いたかったのに」

「自称? ……勇者!?」

「自称だ気にするな」

「はい?」

「そいつは自分で自分のことを勇者だって言ってるの。まぁ周り(冒険者)からしてみれば勇者を騙っているだけの愚者扱いだけどね」


 勇者って言えば卵だよな……卵がどういうものなのか未だに分からないけどそいつも自称って言われているけど持っているのか?


「まぁそこは心配しなくても良いだろ」

「どういうことですか? エネさん」

「俺と何合もやり合えている以上そうそう負けねぇよ」

「……自意識過剰じゃないですか?」

「俺はAランク、そいつはBランク、その時点で壁あるんだし問題ない発言だ」

「はは、エネそいつのこと嫌いだからな~」

「かか、俺にパーティの誘いをふっかけてくるのは良いが弱い奴に付くことはねぇって言うだけで騒ぎ出すのはうぜーからな」


 ……話を聞く限り勇者の感じはまずないっぽいな


「それより次の方が問題だろ」

「え?」

「もう闘技場の前とギルドに対戦表が張り出されているからな、そいつ倒しても後の戦いAAランクと当たるぞ?」

「は?」

「無者って呼ばれている人と双雷って呼ばれている二人が連戦状態だ」

「…………」

「ぎゃはは、そんな死のブロックかよ。運なさ過ぎだろヒロ」


 笑いながら背中をダモさんが叩いてくる


「ちょ、ダモさん痛いですよ。いや、そこは番狂わせ起こしてみせますよ」

「かか、そうなったら面白いな。応援してるぜ」

「私も応援してる」

「「俺達もな」」

「ありがとう御座います……そういえばミトさんは?」

「ん? ああ、あいつな。あいつは後二時間は起きないな」

「え? もう十時ですよ?」

「あの人、寝ると十時間寝るまで基本寝続けるから」

「え……」

「依頼が出て野宿の時とか大変だぜ」

「まぁ見張りをさせないでさっさと寝させないと次の日に響くもんな」

「その代わりに俺の書く報告書を書いてくれるから問題なしだ」

「「「そこは自分で書け」」」

「ぬ」


 このパーティやっぱり普通の人いないんだな……


 ◇◇◇◇◇


「どうも。狸さん」

「うわー酷いさ。開口一番でそれさね?」


薄暗くなっている部屋でもわかる程の赤い髪を持つ男が部屋の中心で部屋の入口を見てだら〜としている小さな男の子に後ろから話しかけた


「あの国やばいですよ。もう真っ黒」

「あーそうか……あとどれくらいの時間がありそうだったさ?」

「半年くらいですかね~」

「……テンちゃんに各国への手配を申請しないとだね」

「教皇にも報告しておきますよ」

「助かるよ、君の国には報告しにくいからね」

「まぁ軍力と暗部の力が大きいですからね、自分たちで得る情報を第一にしてしまうんですよ」

「はは、まぁそれも一つの形さね」


 話が始まっても床に置かれたクッションにだら〜と寝そべるような体勢ままな小柄な男と赤い髪が目立つ男は最初は近かったが話が進むと一定の距離をとって直立の状態で会話をしていた。


「……聖弓の情報はここにはまだ何も?」

「ライラックに行ったのかい?」

「ああ」

「まだないよ。鍵番は元気だったさ?」

「ああ、聖弓のことは気にしていたがな、あとあいつ自身が動いたぞ。あの国の自分の領土外に出れなくなった、国王についに刃向かったらしい、あいつの義弟もいたぞ」

「……そうか、ついにね~」


 だら~としながら天井を見ながら何かを考えるように顎に手を当てている


「そういえばもうすぐ武闘大会か?」

「もう本戦出場者決まったよ」

「へー」

「そうだ、問題があるんだよ。機密事項なんだけどこれ」


 そう言って手を振ると壁に寄せられた机から一枚の紙が飛んできた


「このね、ヒロトって子を優遇したいわけじゃないけどさ、実力をまぁ計りたいさね。なのにどんなにくじをやってもさ毎回一回戦にAAランクが来てしまうさ」

「……俺に見せてもいいのか? まぁその子なら俺が保証するぞ? 俺が助けるくらいの価値があった子だ」

「……ほう」

「まぁ、だから適当に……ああ? クソが出るのか?」

「聖神国所属がそんな言葉使って良いのか?」

「良いですよそいつはクソなんで、勇者を騙るなど言語道断ですから」

「はは」

「そいつと当たるように組んで置いて後をくじにすれば良いんじゃないですか?」

「まぁそうするしかないか」

「ただでさえこれは変則なんですしいいじゃないですか」

「まぁ三回戦で差が出るからね」

「毎回思うんですけどなんでこんな形なんですか?」

「なんとなく」

「それだけで差を付けるとかどうなんです?」

「いやまぁ、本当は『戻るんですか』の使用制限もあるんだけどね」

「あれ? そうなんですか?」

「魔力的に量が微妙な所なんだよね」

「へー」

「ま、解決したし後はこっちで頑張るよ、君は一度報告に戻るんだろ?」

「はい」

「そろそろ狂音がそっちに行くと思うからよろしく言っといてね」

「え……あの人来るんですか?」

「嫌そうだね」

「いやまぁ……あの人の音は好きですけども……」

「君はビシッとしないといけないタイプだもんね」

「うう」

「まぁそんなに長居しないでしょ、よろしくね」

「はい、ではまた」


 そう言うと部屋から出て行った。


「まぁ変わり者が来るな~みたいな顔だったけど君も大概ださ……はぁ、あのバカな国はどうしようもないな。色々策を練らないとな……最悪の回避をしないとさ」


 誰もいない部屋にその声は響いて消えた。



 ◇◇◇◇◇


 武闘大会本戦当日


「かか、緊張しているか?」


 シュッ


「しますよ、こういう大会見たこともなければやるのも初めてですし」


 ザッザッ


「まぁヒロなら大丈夫だろ、俺達は外で見張りだが観客の声と実況の声頼りに見ていてやるからな


 ギリリィ


「はぁはぁ、会話なら普通にしませんか?」

「何を言う、軽いウォーミングアップだろ?」

「それを命ギリギリにやる人はいないと思いますけど?」

「かか、まだちゃんと纏使ってないだろ?」

「そうですけども!」


 ギンッと弾く音が響いた。


 その後ももう少し打ち合ってから戦いを止めた。


「ま、肩の力抜いてけ」

「分かってますよ、俺は上に行ければ回数が多い方のグループですしね」

「変わった形だろ?」

「どうせ『戻るんですか』に回数制限でもあるんじゃないですか」

「かか、俺はボスの気まぐれ説を推すぞ」

「どっちでも良いですけどね」

「かか」


 汗を一度流してからエネさん達と朝食を食べてまだ少し緊張しながら闘技場に向かった。



どうも。ロキュです。

最近気づきました、登場人物が多いということに。

自分でもたまにあの人は今こう動いて……って一瞬悩んでしまうくらいには増えていたことに、そろそろ登場人物の紹介みたいなのを作らないと不味いかもとか思っています。


この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。

ではでは。

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