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3話 赤爪と宴会


 ==3話 赤爪と宴会==


「お! 意外に早かったな」

「ん?」


 ギルドマスターの部屋は四階、このギルドは五階建て地下に二階ある構造になっていて五階は警鐘の鐘とか見張り台となっているので部屋自体は四階が一番が上になる。四階はギルドマスターの部屋とSランク冒険者が来たときに泊まれるように部屋があるらしい。


 今は降りてきて一階、ここはロビーになっている。冒険者は基本ここより上に行くことはそうそうないらしい。


 今話しかけてきてくれた人は俺をここまで連れてきてくれた人だ。パーティからは隊長と呼ばれている


「エネさん……どうしました? なんでそんな爽やかな感じになっているんですか?」

「かか、何を言っているんだか? さぁ行こうか」

「え? どこに?」

「勝負するぞ」

「え……」

「大丈夫だ終わったら宿に招待してやろう」


 この戦闘凶が


「ミトさんは?」

「お? あいつは今回の報告書まとめてら」

「隊長の仕事じゃ……」

「俺がやると受付嬢達から怒られるのよ」

「改善って言葉知ってます?」

「わざとって言葉知ってるか?」


 確信犯かい!


「地下にいい広場があるんだよ、地下二階に俺が予約しておいた」

「暴れれるんですか」

「結界が貼られているからな、下手に外でやるより安全でな」

「はぁ。まぁギルドマスターから武闘大会に出ろって言われたんで調整にもいいか……」

「へーボスが?」

「はい」

「かか、結構興味もたれているな」

「そうなんですか?」

「ボスは話が長いことで有名だが気に入った奴は長く拘束しないけど饒舌になるからな、スラスラ話してなかったか?」

「あー話してかも」

「かか、まぁ俺が相手してやるから頑張ろうぜ」

「怪我したくないなー」

「勲章だ勲章」

「それ戦争とかでキズを負ったときに使うんじゃないの?」

「こまけぇこと気にすんな」


 話している間に着いた


 結構広い、壁はコンクリみたいなので固められていているが黒っぽい線が走っている。


「この線……」

「それが結界だ」

「へー」

「さーやるか」

「はぁ」


 わくわく顔でこっちを見ている。


「連縛を解き白日に晒せ 燼装爪」

「月夜に舞いとらん衣よ顕現願う 月羽衣」


 爪だけの装備、それでも十分というかこの人はここまでじゃないと戦えない。


 俺みたいに全身の纏をすると全身に意識が散ってしまい戦いに集中ができないのとギリギリの感じが味わえないというのが理由らしい。後者の方が大きいらしいけど


「いくぜ! 鋭爪」

「蒼炎」


 鋭い攻撃に目隠しをするように青い炎を出す、もちろんこの炎に当たれば熱いというより火傷する


「かか、連蛇爪」


 ブレながらも何本もの手で突き出しているように感じる


「鉄刀 銀月流 肆之型・繊月凶鳴」

「一極爪」

「参之型・災烈月下」


 俺の刀の先とエネさんの爪の先がギリギリと音を出しながらぶつかっている。


「かか、面白れ」

「ふ、銀月流 拾壱之型・泣き更待月」


 時間差で斬擊を飛ばす技、時間の調整は俺のつぎ込む魔力次第


「漆之型・燕飛刀擊」

「連鋭爪・飛」

「ちっ」


 近づいてきたところを拾壱の餌食にと考えていたのに、飛んできた爪での突きの衝撃波を相殺していく


「鉄刀 銀月流 壱之型・三日月」

「轟極鋭爪」


 飛び交う攻撃の中接近して来たエネの爪と刀がぶつかったが刀の強度が足りず壊れてしまった


「くっ」

「……だーお前刀それしかないのか?」

「ああ」

「こりゃー生き残れないかもだぞ?」

「本戦にも出れないか?」

「本戦はいけるかもしれんが本戦じゃその柔らかい刀じゃ無理だろ」

「本格的に不味いな」

「今度いい鍛冶や紹介してやるわ」

「……いいのか?」

「ああ、そんでもってお礼は俺との勝負な」

「戦闘凶が」

「かか、これが俺だからな……いいもんみしてやるよ」

「ん?」

「目覚め解き給え 燼炎装羅」


 そう言うと爪だけの装備が腕全体になり感じる熱量が多くなった。


「なんだ……それ」

「俺のスキル〈燼〉っていうのなんだが突き詰めて強化されるとこうなった」

「すごいな……」

「これを、これ以上をやれるAAランクも出るぞ」

「はは、刀を硬くしても無理じゃない?」

「あーそうかもな。じゃあこのまま行くぞ」

「は!?」

「え」


 後の言葉が聞こえない速度で来た……バカじゃねの!?


「がぁぁあああ!」


 思考より先に吠えながら繊月凶鳴を出したが左腕を掠った


「良い声だ!」

「巫山戯んな!」

「かか」


 もうギリギリの感じで我武者羅に刀を振るしかなかった


 ◇◇◇◇◇


 一時間くらいでやめてくれたが身体中を傷だらけにされた、地味に痛い


「かか、これについて来れる奴そうそういないから俺の鍛錬になったわ」

「マジできつい」

「かか」


 笑い事じゃないんですけど……


「さぁあ宴会だ」

「へ?」

「「「「ヒロ行くぞ」」」」


 いつの間にか俺をここまで連れてきてくれたエネさんのパーティメンバー全員がいた。


 結果……いつ寝たのか分からないまま次の日を迎えることになった。


 ◇◇◇◇◇


「あ……頭痛い……」


 酒は飲んでないがテンションに酔った……まぁここまで来るのにちゃんとしたベットで寝れてなかったから爆睡のしすぎか……ん?


 服を着ていない状態なのはなぜ?


「あれ? おはよう」

「……」


 え……え……え……


「あれ? どうしたの?」


 目の前にいるのはエネのパーティメンバーの一人で後衛役だった人であのパーティ唯一の女性のヒトナさんだ。と言っても見た目通りまだ十五歳と子どもだからヒトナちゃんか


「な、なんでここに」

「あれ? 覚えてない? 昨日一緒に寝たいって言ったら良いよって言ってくれたからここにいるけど?」


 それ以外ある? という感じのテンションだ


「……俺何もしてないよね?」


 俺の言葉を聞くとにやっと笑った。


「……さぁあ?」


 いや……どっちだ、どっちだ! 言ってくれよ!


「ぐぬ……」

「あはは、ごめんごめん何もされてないよ」

「マジで? 良かった」


 冷や汗がまだ止まらんけども、一応良かった……


「誘うと思ったのにすぐに寝るんだもん」

「え? なんか言った?」

「なんもない!」


 あれ? ボソッと何か言っていたと思ったのに


「多分隊長達食堂にいると思うから行こう」

「……なんで俺服着てないんだ?」

「………………さあ?」


 彼女と普通に話せるようになってから今までで一番間が空いて一番早口だった……


「なんの――」

「速く着替えなよ」


 そう言うとバッと違う部屋に行ってしまった。


 え……気になるんですけど……


 結局答えを教えて貰うことなく食堂に行くことになった。


「かか、良い宿だろ?」

「昨日の記憶が曖昧なんですけど」

「なぁヒロ、ヒトナと寝たんだろ?」

「何もしてませんよガラさん」


 この人は俺がメイスだと思った武器を持っていた人だ、戦闘中は気づかなかったが髪に紛れて耳がある、そう彼はアルウェムス王国では猫の遠吠え亭でしか会えない獣人だ。


「なんだよつまんねぇな」

「ほうだほうだ」

「食うか喋るかにしましょうよダモさん」


 この人はガラさんと連携をとって火弾を撃ってきた人だ。普通の人族だ。


「かか、おいヒロ。今日は先に鍛冶屋に行くぞ」

「良いんですか?」

「おれたちゃ武闘大会(まつり)が終わるまでここを離れないからな」

「なんかあるんですか?」

「今回は俺達は見回りしないといけないからな。まぁ結構自由だがな」

「ここ所属だとそんなこともするんですね」

「それもだがまぁまぁ稼げるからな」

「へー」


 朝食をワイワイと話しながら食べたあとエネさんが鍛冶屋まで連れて行ってくれた。



この物語の続きが気になる、この物語が面白いと思って頂ければ是非ブックマークと評価、感想をくださいよろしくお願いします。

ではでは。

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