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閑話α 染まる


 ==6話 ==


 帰ると一番最初に自分に起きた変化の理由が分かった、左目の周りに星形の模様ができているらしい。実際に鏡で見てみると本当に模様ができていた。


「倒せたのね」

「なんかよく分からないけど喰わせてやるって言われました」

「あはは、あの子そんな理由で喰われるって……よくわかんない子だったわね」

「知り合いだったんですか?」

「あの子突然結界をすり抜けてここに来たのよ、話を聞くと「鑑定で結界の穴を見つけて入りましたー特に意味はないですけどー」って言ってきたのよ、その後スーと離れていくと結界を強化してあの場所に住み着いていたのよ、なんか目的があるのか知りたくて倒せないだろうと思って君に頼んじゃった」

「倒せると思っていなかったんですね……」

「うん」


 満面の笑みか……複雑な気持ち。


「ネイさん酷いです」

「鑑定手に入れた?」

「無視ですか……はい、手に入れました」

「自分を見てみて」


――???――

 種族▽

  ???


 スキル▽

  喰らい者▽

   なんでも食べられる。食べたもののスキルを得られることもある。


  擬態▽

   食べたものの姿を得られる。


  餓鬼▽

   常に飢えている


  保存▽

   記憶するスペースを持てる。擬態の情報はここに集まっている。▽

           虫▽ 魚▽ 熊▽ 蝙蝠▽ スライム▽ 兎▽ 鳥▽ 獣▽


 加護▽

  獣神の加護▽

   獣の知識を得やすい


 頭の中にパッと浮かんできた。


 この???は種族も分からないのか? 保存というスキルの表記がなぞじゃないか? 纏めて表されるのとそうじゃないのがある、使う頻度か?


 この結果を伝えてみた。


「やっぱりね……君はやっぱり新種みたいね」

「新種……」

「その内種族として確立されると種族の名前がでるわよ」


 色々と分からないことが多いな……


「あ、あの……わ、私って王になれますか? き、きっかけだけでも良いんです、教えてくれませんか」


 ネイさんに抱かれた状態だったラニがおずおずと言った。


「……魔物の王って二種類あるって知っている?」

「え?」

「そのお話をしてあげるわ、王になれるかどうかはその後ね」

「あ、ありがとうございます!」


 嬉しそうに耳が動いている


「まず、王といっても二種類あるの。聖王種、魔王種。この二つね」

「ま、魔王種? 魔王って言うのはあの魔王ですか?」


 どの魔王?


「違うわ、貴方が言っているのは種族的な魔王じゃなく存在がそう呼ばれる者で魔王種は種族ね」

「ん?」

「俺にはさっぱりなんですが……」

「ラニちゃんも君も理解できなくても問題ないわよ、あくまで区別だしね」

「「へー」」

「つ、続けるわよ? 聖王種になるには神に認めて貰うことが必要なの、例で言うと神獣と呼ばれる存在ね。あの子達は全員聖王種よ、逆に魔王種は世界に認められることが必要なの、正確には神の作った理に触れることなんだけど、例は言わなくて分かると思うけど私を支えてくれた子達の大半はこっちね」

「じゃあ、王になるには世界に認められないといけないのか」

「そうなるわ」

「じょ、条件は!」

「人を喰らうこと、それもかなりの量の人をまぁ正確なことをいえば自分以外の魂を集める事」

「「え……」」

「それだけじゃないわよ、何か一つスキルが将以上になっていないと駄目ね」

「ひ、人を喰らうのですか?」

「ええ、人を喰らえばその時点で大きな罪を背負うことになるわね」

「……」

「ラニ……」

「ラニちゃん、分かってる? 王になるにはそう言った儀式的な道が必要になるのよ」

「し、自然になることはないんですか?」

「私は知らないわね、私を支えてくれた子達は皆戦争に出たからそのときに喰らった子が多いわ」


 すごいな……それ、条件がツライ……でも魔物なら別にそれでもやれるんじゃないのか? 俺は元人間で抵抗があるけど魔物ならそれはないはずじゃあ


「わ、私には無理です……」

「そう……優しいのね」

「……人を……殺してまでなりたくない」


 下を向いて震えている、少し意外だった、魔物なら平気で人を喰らえるとかのイメージがあったが……


「なら、聖王種になれば良いんじゃないか?」

「え?」

「聖王種ならそんな条件ないでしょ?」

「それもそうだけど条件が分からないのよ?」

「じゃあ、探そう! 俺も手伝うよラル」

「……簡単に言わないでよ」

「簡単とは思ってないよ、でもラニ、ここまで来るのに時間かけてたでしょ? 俺が来なければここに来れなかったわけだし。俺が来なかったかもしれない時間を削ったんだから新しく視野を持てば良いじゃん!」

「あはは、ポジティブだね」

「……そっか、そうだね。君の言うとおりだ」

「…………私もそれに付いていきたいのにね……」

「ネイさん?」

「もう、神にならないと存在が消えちゃうのよね、でも私は神になりたくないな~って思っちゃているのよね……」

「……それって」

「私を喰らう気ない? 君は」


 俺の方を向いてネイさんが言ってきた。


「だ、駄目ですよ! か、神様になっても良いじゃないですか!」


 ネイさんの言葉にラニが反応した。


「……良いことを一つ教えてあげるわ、神を信じるのは良くないわよ」

「「え?」」


 急に目が怖くなった、スッと据わっている


「神は……神の多くは何かがおかしくなっているわ、何かに汚染されたように」

「どういうことですか?」

「君には獣神の加護があったよね?」

「え? はい」

「多分それが最後ね……彼の気配がおかしくなっているのよ。獣神もおそらく堕ちたわ……いや、堕とされたが正しいか……」


 なんだ? 話が見えてこない


「私は多く知っているけど言えないことも多いの。でも託したいことは多い……君が私を喰ってくれれば私という魂は穢されないことになるの、お願い、私を喰って」


 お願い……ガラクンナーバのおっさんは俺に願い事を聞いてあげてって言っていたな……もしかしてこうなるのを分かったいたのか? いや……まずまずそこじゃないか……


「俺に名前をつけてくれませんか?」

「え?」

「つけてくれれば貴方を食べます」

「待って! 何言っているの! 駄目よそんなの」

「ラニ、分からない訳じゃないよね?」

「な、何が」

「ネイさんのこと見えてないの?」

「……存在感が……ないことを言っているの?」

「気づいていたのね……」


 ネイさんはラニが気遣うような顔で言った言葉を悲しそうな顔で聞いていた。


「もう死んじゃうとしても神様になれば良いじゃないですか!」

「私はこの世界が好き、この世界に生きる動物が好き。多分私が神になればそれに関係する神様になると思う、もし私が狂わされれば影響は大きなものになる。なら、誰かの力になりたいわ」

「……」

「そうね……君の名前は……ラバン。どう?」

「どういう意味で?」

「森羅万象の真ん中を抜いて……安直過ぎるかしら?」

「……俺に背負える言葉じゃないですね……背負えるように頑張ります」

「ありがとう……色んな重いもの背負わせてごめんね。ありがとう」


 レンカン・ポイを喰らったときのようにスライムの姿になって喰らった。


 今までとは違う! 身体が熱い! 今まで自分が飢えていたんだってことが分かるほど潤う感じがする



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