6話 半年の動き―後半―
==6話 ==
Sideマイン
ロード兄さんの屋敷から帰った後三ヶ月後に王に直接聞くことができた。あらゆる手段を考えたが一番被害が少なくなる可能性が多い、一番いけないのは俺以外に被害が出ることだからな。
「よく、気づいたな」
実際に地下のことを聞くと一瞬で気配が変わった。
「ええ、私は魔眼を持っています、気づきますよ」
「違うな。その魔眼、進化したな?」
! なぜそう簡単に気づくんだ?
「さて? 王は私の進化論を信じてくださるのですか?」
「とぼけなくても良い。ロードに会いに行ったのだろ? あいつは昔一度俺にお前のことを押してきたことがあったからな、そうそう考えを変えぬ奴だ進化のことくらいは言うだろ。ついでに地下のことも言うとは思わなかったが……」
「地下については自分で気づきました」
「ほう……ならばロードから進化については聞いたのか?」
「ええ、そして進化のことを王家が隠していると聞きましたが?」
「当然だ。危険極まりもない進化を自由になどできるはずがないだろう」
「それでは国力の低下につながるのではないでしょうか?」
「ふん、そこまで知っているのならば見せた方が速いか」
「それつまり」
「ああ、地下を見せてやる。だが……それができるのは一ヶ月後になるがな」
「待ってください、なぜそこまで掛かるのですか」
「当然だ。王家の者がフラッと訪れることなどできないのだからな」
く……正論だが……王に対して魔眼を使うことはできないが目の前の父は俺に見えない心の中で笑っているような気がした。
「……分かりました。待たせて頂きます」
「分かっていると思うが一ヶ月後というのは最短での話。あちらの対応もある、もしかすれば大きく遅れるかもしれない」
そう言うと王は俺に部屋を出るように合図を出した。この合図の後は俺にしゃべる権利がない。ここは王の支配下の中だ。
無言で退室の礼をして出た。
◇◇◇◇◇
「どうでした?」
「駄目だな、あれは俺に行かせる気がないように見えた」
「そうですか……本当に地下なんてあるんですか?」
「話して無いと言っていない感じからあるにはあるんだろうが……一体地下で何をしているんだか」
「戦力になる物作っているならばあの時に出てきますよね?」
「そこだな、それが気になってしょうがない。あの時にこの国の戦力の弱さと警備の甘さについて理解しているはずだろ?」
アイン相手に俺の考えを言いながら頭で内容を整理している。
「あ、そうでした。これをどうぞ」
そう言って出してきたのは
「ああ、あの騎士の資料か」
「はい、中々集まりませんでしたが一応集めれた分を」
そこにあった情報はあの騎士が王都から少し離れたところの街を治めている領主の三男ということ以外は普通であった。
「まともな経歴だな」
「何が知りたかったのですか?」
「自分の手が欲しかったんだ。あの人は確実にこちらの心情を気にしていた。ピーナの所の騎士にまともな人がいればいつか頼るときが来ると思ってね」
「そんなとき来るんですかね?」
「さぁ? 知らないでいるより知っている方が良いこともあるからな」
◇◇◇◇◇
あれからもうすぐで二ヶ月……
俺はまだ地下に行かせてもらえていない。
「くそ……俺を王にさせる資格を一片も持たせたくないのか……」
次の王に一番近い者を決めるための皇太子戦争が始まったタイミングで俺に地下に行く日にちが五日後と急に決まった。そのための時間を作らなければならないが皇太子になるために票を得るために動かなければならないのに。
「落ち着いてください。一つ一つやっていくべきです。それにその日の後にもまだ日にちがありますし」
「ああ、もう外も暗い――!?」
「殿下! 今の」
「ヒロトか? いやなぜ……俺に生存を知らせるためか? だがそれにしては雑ではないか?」
「どうしますか? というより今の魔力王都で鍛えている人ならすぐに気づくレベルじゃ無いですか?」
その言葉で気づき窓から外を見ると周りを見ている人が何人かいるのが分かった。
「そうだな……」
俺に生きていることを知らせるためにしても影響が大きいリスクがでかすぎじゃ……
「そうか!」
「どうしました!?」
「これは俺に宛てられたものじゃなく外だ! ヒロトが生きていると報告が来ていない以上不正入国しているんだろうそのときに仲間がいたんじゃないか? 今ヒロトは捕まっていて助けを求めるためにやったんじゃないか?」
「どうやって入るんですか? この国は前よりセキュリティー上がっていますよ?」
「確かに――!」
外に何かが来ている!
「入った方法は後だ! 俺は行く!」
そう言って飛び出した。
ロード兄さんのところから帰ってきてから俺は改めて魔法を鍛え直した。前より速く動ける。
急いで門を開けてもらったあと接近してきた者と対峙した。