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3話 外


 ==3話 ==


 ヒロトが王都に不正入国した直後


 Sideカイ


「カイ、本当に王都を守っている結界に穴空いたの?」


 ヒロトを見送った後、心配な声でカナさんが聞いてくる。


「大丈夫ですよ、カナさん。こんな結界悪魔を名乗れる奴なら誰でも自由自在ですよ」

「自由自在ならカイも入れるんじゃないの? さっき結界を弄ると俺は動けない。って言ってなかった?」


 あれ? すごい痛いところを突いてくる……


 実際俺にとってこの王都を囲んでいる結界はそこまで厄介な物ではない、『壊す』だけならば。


 俺達悪魔を名乗れる者にとって結界は嫌と言うほど見るし、まずまず自分たちを常に縛ってくる物だ、当然関わる時間が多い分それなりの理解ができるが悪魔は破壊を主に考える、俺も破壊を主に考え行動していたときもあったけどまぁ色々あって破壊が全てじゃ無いと知った。


 色々と理由もありまぁまぁ結界の事を知っている中でも警報システムのついている物でシステムを稼働しないようにするのはかなり難しい。さっきは余裕ぶったがここまで突っ込まれると何も言えないんだが……


「ま、まぁ色々あるんだよ」


 カナがいる方から右を少し見ながら言った。


「なんでこっち見ながら言わないのよ。やっぱり結界の無力化できなかったんじゃないの?」

「それはできているさ。まぁ王都の外を守っている人間に見つからないように隠れていましょ」

「まぁそうね、契約の力で情報のやりとりができるって便利だよね」


 王都から遠ざかりながら話していく


「契約も中々便利なだけじゃ無いですよ、制限されることもありますし、まずまず自分より存在値が下回っていれば契約できませんしギリギリでの契約だとこちら側がかなり制限されたりとありますから」

「へーやっぱりちゃんと悪魔なんだ、嘘だと思ってた」

「酷いですね……」


 ヒロトもだけど中々に辛辣なこと言ってくるよ……


「暇だね……」

「まだ歩いて少しですよ? まぁ否定もしませんけども」


 ヒロトを待つ間基本的にやることがない、大きな動きをしてしまえば王都にバレ不法侵入の意味がない。隠れているだけで敵はこちらに一切気づいていないのならば暇でしかない。


「あっそうだ、悪魔のことについて教えてよ」

「軽く言いますね、結構重いですよ? その話」

「暇は学習で潰しましょ」

「口調真似しないでくださいよ」

「で? 教えてくれる?」

「良いですよ別に、隠していることでも無いですし。どんなことが知りたいですか?」


「じゃあ悪魔って普段何してるの?」

「この世界の裏側にある悪界(ヴェムディア)って所にいて基本的にこの世界に来ることはできません。基本的にやっていることは戦闘ですね、この世界の負の感情が具現化され悪魔のベースみたいな存在ができます、それを潰しまくったり、悪魔同士で相手の存在値を奪うために戦ったりですね」

「来ることできないってカイは来てるよね?」

「ああ、こっちに来ることはできます、基本できないだけで。こっちに来るには悪界(ヴェムディア)にある結界の穴を広げてそっと抜けることでこっちに来れます」

「こっそりなんだ」

「はい、こっそりです。監視している存在がいますから」

「見つかったらどうなるの?」

「存在値をがっつり奪われます」

「……その存在値って何?」

「……言葉に表すのは難しいですよね、こっちの世界でも誰もが持っている物でここに存在しているって事を表すエネルギーみたいな物です、悪魔にとってはこれがないとすぐに消滅してしまうんです」

「それを奪うために戦うの?」

「それはあくまでもついでですよ、悪魔は根っからの戦闘凶が多いだけです」

「あ……そう……」


 これを言うとなんか察しましたよみたいな顔されたけどそれがいやで逃げてきた訳じゃ無いですよ? って言おうと思ってけど言ったら察し顔がすごくなりそうだから言えないな。


「か、カナさんは前は王都にいたんですか?」

「え? あー多分そうだよ、元々はルクタっていう小さな街に住んでいたけど神託の時に捕まって多分ここに連れてこられたはず」

「神託? ああ、スキルの有無が分かるってやつですか」

「よく知ってるね」

「まぁ長く生きていれば知っている事は多いですよ」

「長く生きているの?」

「悪魔は自我を持つまで時間ありますしまずまず人と違って寿命というものはないですから」

「それホントだったんだ」

「知られていることなのですか?」

「フォルナムの街で学んだことだから世界の常識なのかは分からないけどね」


 イドネスさんですか、あれほど存在値の高い存在は中々いる者じゃないですね、黒より少し少ないくらいか……


「あ、捕まっていたってそのときの記憶って無いんですか?」

「……んーあんまり思い出したくないんだけど、覚えていることはあるよ」

「例えば?」

「魔術でできた首輪を付けられてて、毎日毎日スキル増強薬っていう薬品を飲まされて、身体に変化が、私の場合翼なんだけどそれが生えてくると羽を捥がれたりしたな……すごく痛くて何度も泣き叫んだけど誰も助けになんて来てくれなかった」

「……なんかゴメンナサイ」

「いいよ、まぁ過去のこと……」

「? どうしました?」


 カナが急に言葉を切ってしまってから何か考えている顔をしている。


「いや、なんか変な気がする?」

「疑問形? なにか変な部分ありましたか?」


 特には無いように思えるけど……


「あ! 魔術」

「? 魔術がどうしました?」

「ヒロトが魔術のこと知らないのに私が捕まっていたときに魔術を使っているところを見た!」

「? どういうことですか? 魔術は別に普通の人でも訓練すれば使える物ですよ? 王都では使えないとかですか?」

「いやヒロトは存在そのものを知らなかった。王都では習わないって」

「……まさか魔術は魔族しか使えない認識を作っているのか?」

「もしそうならヒロト油断すれば危ない?」

「いや……まずまず王都内で戦う事なんてそうそう無いだろうし……友達の顔を見に行くって言う話なら問題ないでしょ、この王都を壊すならば別ですし、ヒロトも捕まったりしないでしょうしね」

「そ、そうだよね、少し入って顔を見に行くだけで問題が起きるとか相当不運な状況じゃない限りないよね」

「そうですよ、数日で見つかって捕まるとか問題とか相当不運じゃないとね」


 あれ? なにか忘れている気が……


 そう思いながら王都の近くの森の外周部に隠れてヒロトからの合図を待った。


 ◇◇◇◇◇


 三日後


「遅くない?」

「ただ会うだけでここまで掛かるんですかね?」

「カイ、合図来てるんじゃないの?」

「いや……来てないけどな……とりあえず夜になったらまた王都の城壁近くまで行きましょ」

「そうね」


 カナは今すぐにでも飛んで行きたいと言わんばかりに翼に魔力がみなぎっている。


「駄目ですよ、突っ込んじゃ。隠しておくことも必要な事もあるんですから」

「わ、分かってるわよ」


 いや……分かってないじゃん……さっきと変わってないよ……


 ◇◇◇◇◇


 その日の夜


「行きましょ、カイ」

「近くに行くだけですよ?」

「それでも――」

「――!」


 この魔力は!


「カイ!」

「分かってます。結界をとりあえず壊して中に行きましょう。これは何かあったことの合図でしょうし」


 そう話した後に飛んで城壁の近くに一瞬で移動して結界を無力化しようとしたときに王都の門から人が出てくるのが分かった。


「カイはそのまま結界を弄って!」

「カナさん大丈夫ですか?」

「時間稼ぎ程度なら問題ない」


 倒せるか? では無く目立たないか? という問いは汲んでくれたみたいだ、カナさんの纏う魔力はそこまで多くない、ギリギリ気づかれないだろう


 まだ来るまで時間があるだろうと思っていたが門から出てきた存在は想定より早かった。


「待ってくれ! 今は大きな動きをしないでくれ!」


 目の前に来た身なりの整った男の第一声がこれだった。



 

どうも。ロキュです。

大事なお話です。私ロキュ、ただいまリアルの方が忙しくなっており毎日投稿が難しくなっております、更に急な動きによりストレスでお腹は痛いわ、花粉症で鼻水がダバダバ出るわで文章打つのが辛いです。唯一の息抜きなのに……しばらくは二日に一話投稿出来るように頑張ります、もしかすると三日に一話とかになってしまうかもしれません毎日気にしてみてくれている方々ごめんなさい!

花粉症の対策とリアルの忙しさが落ち着けばまた毎日一話に戻します、よろしくお願いします!

ではでは。

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