9話 神託2
==9話 神託==
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最悪の気分の中、神託が始まろうとしていた。教会の大司祭が神のありがたい言葉という名目の聖書の一部を読み上げたあと、大司祭に代わり司教が神託についての説明をしてくれた。
神託を受けスキルを頂くことのできた者の前に自分のスキルの書かれた白紙が現れるとのことだ、ちなみにその紙には加護をもらえた者は白紙でなくその神に合わせた色となる。
「では皆、膝をつき頭を下げ神に感謝を捧げるのじゃ『ここに集まり子達にガルクレア神の導きを』」
そう大司教のおじいさんが仰々しく言うと白い光が俺を囲んだ。
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光が収まると周りが変わっていた教会でなく白い光で部屋の大きさが測れない部屋に立っていて目の前に黒いローブに身を包んだ顔の見えない人がいた
『やっと……会えたね、ヒロト君、いやイモル? いや、井本空貴君かな?』
「なっ、なんで名前を」
こっちでは誰にも言っていない前の名前とゲーム用の名前を言ってきた。
『まずは謝罪を……君をこっちの世界に引っ張ってしまってすまない』
「それはどういう……」
意味不明のことを言い始めた
『君がトラックに撥ねられる未来を作ったと言えばいいかな』
「それは……」
俺は動揺した、トラックに撥ねられたのは偶然が重なった結果だと思っていたのにこの男がすべてを仕組んだ、と言ったからだ。
「言葉足らずが酷いんじゃないか? マルセリア」
『ソルノス様……』
「えっソルじぃ?」
「ほほほ、覚えておってくれたか」
「うん」
『ソルノス様……悪戯が過ぎますよ』
「そんなカリカリするなよ……ほいっと」
ソルじぃが軽く声を漏らした瞬間何もない空間から見ているだけで吸い込まれそうな藍色のローブが出てきて、ふっとソルじぃに触れたと思うとソルじぃがローブに身包んでいて顔が見えなくなった、
『これでいいな』
『はい……』
『ヒロ、こいつはこの世界の神で悪運を司る不運神のマルセリアだ』
『違います不運神です』
ちょっとしたコント風にそう言ってきた。
『ちなみに君の前世の事故はこいつが起こしたわけじゃない、あれは完全に事故だ』
「えっどういうこと?」
『この世界の神は定期的に違う世界からこちらの世界に力を運ばねばならないのだ。ただ運命を司る神などは転生という形で人をこちらに持ってこないとをならなくあちらの世界、君の前世の世界でこいつの波長に当てはまる者が君だったということなんだ、で多分だが作ったというのは君が死んだときにこちらに精神を運ぶことを言っている……だな?』
『はい……』
今にも消え入りそうな声でマルセリアが答えた。
「でも何でソルじぃが? 偽物?」
『ふふ、すまないね、君を知るために近づいたんだ、改めて名乗ると魔法神の名を頂いているソルノスだ』
「えっソルノスって……えっ……神様……?」
もう混乱状態だ……
『時間がなくなってしまった。手短に話す。君には俺とソルノス様の加護と卵神様の卵を受け取って貰う、それとソルノス様の説得で表向きには炎神様の加護持ちとして動いて貰う』
淡々とマルセリアが言い出した。
「それってどういう……」
『あいつら全員加護をつけて俺の力になりたいって言っていたが俺の加護があれば必要ねぇって言ったら炎神のやつが『私の加護持ちとしてカモフラージュしては?』と言われてな……俺の加護持ちだと色々まずいと説得されてな』
はは、と笑いながら言ってきた。
『私の加護で君には大きく迷惑をかけるがまずはこの世界を楽しんでくれ』
最後に重要そうなことを言ってきた。
どういう意味だ! と言おうとしたら声が出なく俺の周りが眩く光り出した。視界が光で覆われると教会に戻っていた。
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教会に戻ると目の前に赤い紙が浮かんでいた。
「ヒロ……それってもしかして炎神様の加護?」
「み、みたいだな……」
紙を見ながらそう答えると絶望に感じるスキルと説明が書いてあった。
空間認識 ▽
視覚上の情報をより正確に捉える。
強化聴覚 ▽
耳が良くなる。
思考並列加速 ▽
同時に多くのことが考えれる。
加護 ▽
不運神の加護 ▽
不運に遭いやすい。
魔法神の加護 ▽
全魔法を使うことができる。
卵神の加護 ▽
孵ると力を得られる。
この世界にはスキルがありそれを補うようにアビリティがあるそのためスキルにはいくつかのランクがある一番上位はSSSランクと呼ばれ今までに数人しかいないと言われておりこの国の初代国王がSSSランクのスキル持ちと言われておる。一番下はFランクスキルと言われアビリティで補える力であるという定義がある。俺の二つはFランクでもうひとつはDランクがくっついたスキルだった。
スキルに期待していた俺としてはすごく残念だった。
てか魔法神の加護以外フワッとした説明すぎるだろ! と心の中で叫んだ
やっと話が動かせました。いやぁ予想外ですわ。
楽しく書いて投稿! ってやっていて誤字とかあったらどうしようとか考えながらやっているのであったときは是非教えてください。よろしくです。ではでは~