海外貿易と築城を始めましたが!
皆皆様方、おはようございます。またはこんにちは。はたまた、こんばんわ。作者で御座います。
今回は短いですが宜しくお願い致します。
本願寺との会談、朝廷との和解から月日は流れ1544年、天文13年を迎えた。
秀高と小梅は今、紀州沖の洋上にて初日の出を拝んでいる。
「(御天道様。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します)小梅、初日の出はどうだい?」
『はい。とても心地よいです。御天道様の温もりが体を包んでくれています』
「それは良かった。今年もよろしく頼むよ」
『こちらこそ。よろしくお願い致します。秀高様』
正月は堺で過ごし、翌日は伊勢神宮へ参拝、三日目は尾張の実家に挨拶し、仕事始めと定めた1月10日までに堺に帰還する。
仕事始めの10日の日
堺総統座敷には新年の挨拶で三役と各省の長達が大広間に集まっていた。
「皆、明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
『『『おめでとうございます。よろしくお願い致します』』』
「さて、新年早々だが今年の目標を伝えたいと思う。、、、、今年は琉球王国と高山国、後は南蛮が領有しているルソンを押さえたいと思う」
『総統。それは戦という事ですか?』
「いや、違う。貿易による占領だ。我々が居なければ生活が成り立たないような仕組みにしてやればいい」
『なるほど、それなら無駄な争いを避けられますな』
『ですが、相手が攻撃してきた場合は勿論、反撃を許可願います。総統』
「勿論だ。むしろその方が都合がいい。大義名分を得るからな」
『では、始めに。琉球、台湾、フィリピンに3隻ほど、差し向けましょう。丁度、南蛮、琉球、高山国から商人が来ておりますので、案内がてら交渉をしましょう』
「では、その方向で頼む。皆、今年も忙しくなる。よろしく頼むぞ」
『『『承知致しました』』』
この後、交易省と外交省の担当達を乗せた船が各々の目的地へ出発する。帰ってくるまで恐らく半年から一年は掛かるであろうと算段をつけた秀高は次の行動に移る。
翌日
秀高の屋敷に三役と土建省、大蔵省の面子を集めて話し合いをしていた。
「大坂は手に入れることは出来なかったが、堺に居城を造ろうと思う。土建省と大蔵省の意見を聞きたい」
『大蔵省からは昨今の交易により資金が有り余っていることだけ申し上げます。殿が来る前より収益は鰻登りです。ここは大々的に使用して宜しいかと』
「今年の財源は問題ないのか?」
『問題ありません。むしろ使ってもらわないと入れる蔵が足りなくなります』
「そ、そうか。わかった。では土建省はどうだ?」
『昨年殿より要望のあった城の設計ですが、10年は掛かると思ってください』
「10年か」
『はい。先ずはその規模が大きいこと。土塁ではなく石垣であること。堀が深く広いこと。等々、上げればきりがないですが10年は見ててください』
「わかった。確認だが今の堺も一つの曲輪として見ているのだな」
『勿論で御座います。堺曲輪として活用致します』
「了解した。最後に、天守閣は出来そうか?」
『まだまだ確信までは至っておりませぬ。五重の櫓ともなると我々も始めてですので』
「宮大工を呼ぶことは可能か?」
『大和や京の大工を呼んでおります』
「棟梁達の意見も確りと取り入れる様に」
『はい』
「完成を楽しみにしている。宜しく頼むぞ」
『『はい』』
この年から堺城塞の東の湿地帯で大規模な築城計画が開始された。全国から働きたい者達が次々と堺に集まり人員は二万五千人まで膨れ上がった。この人数を養う為に堺では商いに拍車が掛かった。この年から築城や、整備により堺の経済は更に上昇。欧州等から堺にやってくる宣教師や商人達は堺の盛況ぶりに開口一番に皆が言った。
『『『黄金の国、ジパングは偽りではなかった』』』
と。
秀高自身もここまで発展することは想定外だった為、日々縦横無尽に駆け回り続けることとなる。
しかしそんななか、また争いの戦禍が堺に襲い掛かろうとしていた。
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年が開けて3が月が経過したある日
堺屋敷に重々しい空気が流れていた。
その原因が将軍、足利義晴からの使者、管領の細川晴元からの使者、三好長慶から松永久秀らが訪れているからである。
「あの~。この度はいかようで?」
『堺殿。上様は堺衆に援軍を要望している』
『管領様より、将軍家の援軍に行かないようにとの事である』
使者の二人が揃っていい放った。
『『今なんと言った~』』
ハモる使者二人
『なぜ、将軍家は堺衆を使おうとするのだ、己の兵を率いればよかろうが』
『将軍家の元ではどの大名も将軍の家臣と同じ、家臣に徴兵を募って何が悪い』
『将軍家は兵を持たず、家臣頼みだから弱いのだ』
『その将軍家を補佐する管領が将軍家を蔑ろにするのはどういうことか』
使者二人は互いに言い争いを始める。その間に秀高は久秀と話をしていた。
「松永様は三好様より何を?」
『主からは今後とも良しなにとの事です。後はこの書状を』
「確かに受け取りました。後で拝読します。三好様に今後とも宜しくお願い致しますとお伝えください」
『解りました。しかし、堺殿。朝廷にて一悶着あったようでお噂はかねがね』
「はははは。お恥ずかしい限りで」
『都では堺少将の朝廷折檻等々、色々な話題になっておりますぞ。そのせいか、公家達は肩身が狭くなっているとか』
「まぁ、事実ですので否定は出来ませんね。私も御上の前であんな失言を何故してしまったのか」
『まぁまぁ。公家達は時世が読めていない者達が殆どでありますから。仕方ありませんよ』
「はぁ」
『で、堺殿。是非とも将軍家に御味方を』
『堺殿。ここは我々細川と』
先程まで言い争いをしていた使者二人が言い争いが落ち着いたとたん秀高に返答を求めた。
「お二方の話はよく解りました(話は全然聞いてないがな)。今、堺は堺城築城により何処ともお助けをする余裕はありません」
『『くっ、なんと』』
「ですが僅ながら物資の援助は致します。それで宜しいですか?」
『『あっ、ありがとうございます』』
使者二人は最後までハモりながら交渉を終える事となった。そして使者二人が帰った後。秀高は久秀と話をしていた。
「松永様。三好様にはまだ動くときではないと御伝えください。細川様の力はなおも強大です。挙兵するならば後四年ほど準備が必要だという事も」
『承知しました。主に伝えましょう。細川を下し。堺殿の治める土地以外を掌握するために』
「その頃でしたら。恐らく我々も大きくなっておりますよ」
『そうですな。では、これにて』
久秀は秀高との話を終えると直ぐに堺を発った。
「影は居るか」
秀高が声を放つと襖の外に人影が出て来た。
『これに』
「丹波殿に伝えよ。畿内の状勢が乱れそうだ。情報収集を密に頼むと」
『はい』
「宜しく頼む」
「はっ」
影は返事をすると直ぐに消えていった。
「細川が三好に下剋上されるまで後四年ほどか。それまでになんとか整えたいな」
後に行われる細川と三好の戦に向けて秀高も準備を急がせるのであった。
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