16歳ーようやく結婚します。
皆様。おはようございます。こんにちは。こんばんは。作者です。
皆様、体調の方は如何でしょうか?
このコロナ禍で皆様ご苦労かと思いますが頑張って行きましょう。
総火演による経済効果により美濃関ケ原周辺の大名達は想像以上に潤った。そして潤いが多い分、違う意味で新たな戦を引き起こす原因となる。
その一例が南近江の六角、北近江の浅井、西近江の朽木(足利将軍家)。この通り近江は三つ巴の形勢となっており火種が燻っていおり、いつ火薬庫が爆発するかの緊張状態であった。
そんな一触触発な時勢化でも、堺、鷹司領内は至って平穏でいつも通り百姓から武士達各々が仕事に勤しんでいる。秀高自身も摂津堺城の本丸に新設された執務室にていつも通り小梅と共に執務をしている。
摂津堺城 執務室
「さて、そろそろ外地からいい報告が来る頃かな」
『秀高様。外地からというと東南アジア方面ですか?』
「うむ。欧米各国の植民地支配をさせないように色々とやっていてな。先ずは琉球、与那国、高山国を中継地としてフィリピンやマレーシア、ボルネオ等の東南アジア諸国を手中に収め、奴らから金を巻き上げようと計画している」
『相変わらず、悪魔ですね。何れ貴方は魔王と呼ばれるのでは?』
「ふっ、それなら尚更我々には手出し出来んであろう。だが魔王を称するのは私でなく尾張の麒麟児に名乗って貰わねばな」
『でも、このままだと信長さんといずれ戦になるのでは?』
「いや、そろそろだが伊勢、大和、紀伊は独立させようと思っている」
『え!独立ですか』
「うむ。この数年の堺の統治を体験した経験を生かしてもらいたくてな。まぁ伊勢は信長に割譲する予定だが」
『そ、それでは私達の領土は』
「南摂津と和泉、河内。今は圃場整備をしているから石高は40万位かな?まぁ、今後はもっと増えるけどね」
『そ、そんな。200万石以上あった土地が』
「手放すのには他にも理由があってね。、、、そろそろ新婚旅行にでも行こうかなとも思っていてね」
『え!』
「ほら、あと1年もしたら俺たちは愛でたく正式に夫婦だ。だからその時は琉球、与那国、高山を経由してグアムとかフィリピンに旅行をってね」
『し、し、新婚旅行』ポッ
「その顔は。とても嬉しいって顔だね」
『はっ、見ないでください。恥ずかしい』
「はははは。小梅が喜んでいるようで俺は嬉しいな」
『もう。それ以上言わないでくだい』
雑賀、根来、畠山、筒井、伊勢国人衆達は秀高達による領土運営を学び、これ迄の民から搾取する政からいかに民達を潤わせ、領内に金を廻させるのかを考える様になってきていた。
その成果を試す第一弾として先ずは独立である。紀伊は畠山、雑賀、根来に、大和は筒井に、伊勢氏は朝廷との連絡役としたため統治者が居ない為、織田に割譲し織田の統治力が如何ほどかの偵察目的での伊勢を割譲をする。
この話を聴いた家臣達は皆賛同し来年より実施をする。織田方にも伊勢の割譲の話を行い織田方は了承。
この変革は後に『堺中将、反抗期で統治面倒臭くなった騒動』と、取り上げられる事となる。
「さて、そろそろ休憩しようか」
『はい』
『殿。報告致します』
「うむ、何だ?」
『琉球、与那国、高山の開放。完了との事』
「よしよし。各省庁の動きは」
『既に該当地域へ派遣を始めております』
「優秀な部下達でなにより。確りと交易関係を崩さぬ様に努めよと連絡しろ」
『はっ』
「さて、次はフィリピン、マレーシア、ボルネオ、スマトラだ」
秀高達、堺の世界戦略の第一段階、琉球、与那国、高山国で堺が中心となる新たな市場の開設。これにより欧州との取引の際に堺が間に入る事により不平等な取引を無くす計画である。その後、各地に学舎を創り住民達への教育等を行い知識を持たせる。そして最終的には欧州に劣らぬ地と変貌させるのである。
この第一段階が完了した後は次は軍事関連の第二段階。政治関連の第三段階へとステップアップしていく。
この戦略を東アジア、東南アジアに浸透させる事で欧米の植民地政策を防止させるのが秀高の狙いである。
『秀高様』
「あぁぁ。もう少しだ。欧米諸国にアジアは貴様らの奴隷ではないと言ってやる」
琉球、与那国、高山に橋頭堡を確保した堺は今後、アジアの土地と海上輸送網を掌握し欧米諸国の防波堤へとなるのはまだまだ先の話である。
そして月日は巡り1549年の年が明けた良き吉日
日ノ本全土では注目の一大イベントに盛り上がっていた。
堺の大名鷹司秀高と小梅の婚姻である。
この日の為に全国から腕によりをかけた商人や職人。料理人等が摂津堺城下に集まり出店を構えた事で更に盛り上がりを見せる。
そして全国から集まった者達が街道を埋め尽くす様子は2人の幸せを祝福するかの様であった。
そんななか主役の2人は本丸御殿で支度を整え外に出る準備をしている。
「遂にこの時が来たな」
『貴方様と結婚できる。ここまでの長い月日がようやく報われます』
「小梅。我が伴侶として、家臣として、確りと私を支えてくれ。宜しく頼む」
『勿論でございますわ。貴方と離れるときそれ即ち天に召される時だけです。できれば2人揃って逝きたいですね』
「ふっ。そうだな。そうなる事を祈ろう。さて、そろそろ繰り出そうか」
『はい』
2人は馬車に乗り。本丸から大手門へと馬を進ませる。
本丸から大手門までの道には家臣達や兵士達が勢揃いし、2人を出迎える。三役を始め各省庁の長達は馬車を囲むように集う。それを更に囲むように護衛の兵士が固める。
そして大手門から城下を出ると城下に集う人々のボルテージは最高潮となる。
場所の上から人々に手を振り笑顔の2人。
「みんな。喜んでいるな」
『はい』
「この笑顔を守ってあげないとな」
『はい』
「小梅」
『はい』
「改めて。君が好きです。私と結婚してくれますか」
『はい。こちらこそ。宜しくお願いします』
小梅が改めて秀高のプロポーズを受け入れ2人は抱き付きそしてキスをした。
このパレードはこのあと2時間程を掛けて城下を一周し秀高達は無事に城に戻ったのであった。
そしてその日の正午
『殿。朝廷より御使者がお越しに』
「今行く」
秀高と小梅は大広間にて使者の到着を待つ。
『御使者様の御成になります』
従者の声で秀高達は頭を下げる。暫くすると上座の戸が開く音が聞こえ摺り音が緊張感を掻き立てる。
『右近衛中将藤原朝臣秀高。並びに藤原朝臣小梅。御上より勅命を伝える。畏まって聞くが良い』
「はつ」『はい』
『藤原朝臣秀高を参議へ。藤原朝臣小梅を少納言とす。勅命を受けられよ』
「『謹んでお受け致します』」
秀高は参議に小梅が少納言になり堺鷹司家の名声は更に上がることとなる。
全国で盛り上がりを見せるその影で、今後激震が走る出来事が起こることなど今現在、誰も知らない。
誤字脱字が、ありましたらご報告のほど宜しくお願いします。