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秀吉の兄に転生したけど、そんなの居ないよな   作者: 久之浜真輝(ひさのはままさてる)
2/27

商業都市堺と戦

この小説を読んで頂いております皆様方。こんばんは、又はおはようございます。はたまたこんにちは。作者の牧場のオヤジです。


長い期間が空いてしまいましたが投稿出来ました。



今後とも。宜しくお願いします。


1、



日高の父。木下弥右衛門が倒れ、四日後息を引き取った。日高は弥右衛門の葬儀等を済ませた後に、弥右衛門から伝えられた遺言通り堺に向けて出発する事となる。



出発する前日。日高の部屋には兄妹達。妹で長女の智、次男の日吉(後の秀吉)、そして三男の小竹(後の秀長)が集まり日高と話していた。小竹に関してはまだ、幼児の為、話の内容は解らないだろう。



『兄ちゃん。本当に行っちゃうの?』



「智、俺は行くよ。お父の遺言通りに、堺に行ってくる。その間は智、日吉。二人でお母を助けてあげてくれ」


『日高兄ちゃん。戻ってくる?』



「勿論だよ。日吉。それまでは日吉がこの家の長として皆を助けてあげてくれ」



「うん。わかった」



『あうっ。あう~』



「おっ、小竹。早く大きくなれよ~。大きくなって、兄ちゃん達を支えてくれな」



『あいっ』



そして日高が堺に、いや。日ノ本を、世界を見る旅の出発日となった。



その日、木下家には村中の人々が集まっていた。日高は草鞋を履き荷物を背負うと後ろを振り返る。日高の後ろには木下家全員が見送りをしている。



『日高。怪我するんじゃないよ』



「はい」



『体に気を付けてね』



「はい」



『手紙と、たまには家に戻ってきなさい』



「はい」



『それと、これを貴方に渡します』



なかは押入の奥から細長い木箱を取り出しを箱を開ける。そこには立派な大小の刀。そして1本の脇差が入っていた。



「お母。これは?」



『この大小の太刀は弥右衛門さんの友人で今は美濃に住んでる加藤清忠様が造られた刀です。また、この脇差は弥右衛門さんが織田の殿様に仕えて居た際、京の貴い御方から御礼で戴いた物です。また、その高貴な御方は今も京の都にいるようなので何時でも来てほしいと手紙もあります。これも一緒に持っていきなさい』



「これを。俺に」



『弥右衛門さんに前々から言われてたのです。『儂が死んだ後、日高は日ノ本を縦横無尽に動くであろう。そんな息子になにも残さないのは父親として恥だ』とね』



「父上」



日高はなかから刀を受け取り腰に差す。そして脇差と手紙は服の中に入れる。


「では、母上。皆。そして村の方々。私、木下日高これより行って参ります。」



『『行ってらっしゃい』』



この日、木下日高は中々村の外に始めて踏み出した。




『待ってろよ。堺。俺は絶対に世を見渡すぞ』




そして堺に到着し、3年の歳月が経過。西暦だと1543年。日高は10歳になった。そして今、日高はと言うと。




「掛かれ~」



『『おぉぉぉぉ』』



畿内での戦に巻き込まれていた。




2.



日高は今、戦に参加していた。


幕府の管領、細川晴元と河内、紀伊、越中の守護である畠山稙長の連合軍と木沢長政の軍との戦。俗にいう太平寺の戦いであるが、それから数ヶ月経ち、堺の周辺で争いが起こり、それを終わらせるために細川さんの所から派遣された三好長慶さんから参戦依頼が来たため、その要請に応じて日高は今、細川陣営に居る。


この時、日高は堺衆の大将として部下2000人を率いていた。大将ということで鎧兜も堺衆が南蛮商人と掛け合い新調した俗にいう南蛮鎧を身に纏う。日高は初めて南蛮鎧を着用した男となった。そして日高の右腰(日高は左利きである)には国友村で造った大小の刀が差され、左腰には貴い御方の脇差を携える。さらに彼の手には南蛮から渡った新兵器の鉄砲(この時代は種子島と呼ばれている)が備えられていた。また、堺衆2000人の内、100人程,鉄砲を装備している。


細川、三好、畠山の軍勢は日高達の鉄砲を見て、嘲笑っていたが、後々この事を後悔することとなる。




ーーーーーーーーーーーーーー



どうも日高です。今、私は戦に出ています。しかもよりにもよって堺衆の代表としてだ。何故堺衆の代表になっているかというと、それは3年前から遡ります。


熱田の商人と共に堺に着いた俺は先ず、納屋、今井宗久さんの店を訪れた。そこで、刀鍛冶を教えて欲しいとお願いをする。


宗久さんは畿内での戦で職人達が各地に散らばってしまった為、腕の良い鍛冶師となると近江の国友衆が良いでしょうと紹介してくれた。


しかし近江まで行くお金が無いためそのお金を稼ぐために今井さんの仕事の手伝いをしながらある事を行った。


俺は先ず、戦災孤児を集め文字、計算、武術等を学ぶ寺子屋式の学舎を今井さんに頼み込み借金して建立。そこで、寺社や、武士の暇そうな人達に頼んで、教えて貰っていたら、瞬く間に1年が経ってしまった。


1年が経ち、孤児達はそれぞれの分野に別れ各々のやりたい事を始める。その中で、腕に自身のある者達が集まり自警団を結成する。その数は300人程。そのトップとして俺が就いている。


自警団は先ず、堺の治安を良くするために行動を始める。勿論、この時も今井さん達、堺の会合衆に了解を貰い始めている。



この自警団により堺の治安は日に日に安定していく。



商人の護衛から町の整備、港の整備等の手伝いを行い地道にお金を集める。ある程度貯まったら、今井さんに返済する。そして半年程で借金を完済した所で、今井さんから店の奥の部屋に案内されました。


『木下殿。先ずは借金の返済、お疲れ様でございました』



「いえ、今井様をはじめとした堺の皆様のお陰です。それで、話とは?」



『これを見ていただきたく思いましてね』



宗久は傍らに置いてある箱を前に出しその箱を開ける。その箱の中身を見た日高は目を大きく見開いた。


「こ、これは」


日高が驚いていると宗久はその箱からそのブツを持ち出した。



『これは南蛮商人から貰った物で、火縄銃、又は鉄砲というものです』



「これが火縄銃ですか」


日高は宗久から火縄銃を受けとる。


その後、俺は火縄銃を構えたり引き金を引いてみたり、銃口を覗いたりする。



『やはり』


宗久がボソッと言葉を発する。その言葉を聞いた日高は火縄銃を床に置く。



「やはりとは?」



『いえ、初めて火縄銃を見た方々は日高殿のような行動はまず取らない。大抵の方々は笑い飛ばし、持ったとしても直ぐに箱に戻してしまいます。日高殿のように構えたり銃口を確認したりするのはこの日ノ本では数人ほど。もしかすると日高殿は火縄銃を知っているのではありませんかな?』



この時、俺は冷や汗を流した。ついつい、前世の記憶?みたいなやつのせいで体が動いてしまった。



「まっ、、、、まぁ。以前、南蛮商人からちらっと見せて貰ったことがありましたが、触らせてはくれなかったので実物がどんなものかと思いまして、つい」



『成る程、成る程。確かに日高殿達、木下衆のここ最近の活躍は堺では知らぬものは居ませんからね。学舎を造り、人を助け、町を守り、発展させている。この堺は木下衆の皆様のお陰で成り立って来たと言っても過言ではありませんからな』



「そ、それは、言い過ぎです。今井様。しかも木下衆等と、そのような」



『おや?気づきまへんでしたかな。ここ最近の木下衆の方々はこの堺の各々の分野(治安、商い、整備等々)でこの堺の殆どを牛耳っていることも』



「そ、それは、本当ですか?」



『えぇぇ。ほんまです。その証拠が、木下殿の所有している銭蔵の数です。既に3棟ほど、埋まっているとお聞きしましたが』



「そ、それはそうですが。あれは学舎の皆が汗水流して働いた銭です。何れは皆が地方に出るとき等の為に、残しておく必要があります。私1人のお金ではないのです」



『だそうですよ。皆さん』



「え?」



スパッン



宗久さんがいきなり何を言い出したと思った俺はいきなり開いた隣の部屋には、俺の部下というか同胞である各部門長達が控えていた。



「お、お前等」



『総統。総統のお気持ち、ようやく解りました』



『総統は私達のために、その様にお考えとはとは思いませんでした』



『総統。あの蔵のお金は全て総統のものです。いわば利益なのです』



『我々は既に、満足な生活を送らせて頂いております。ですから総統も』



「しかしな」



『木下殿』



「今井様?」



『貴方は元々武士ではあるが、既にその地位ではないのです。既に貴方は大名と同じくらいの地位に居るのですよ。そうなれば、あのお金は皆さんから納められた税と言っても良いでしょう。その税を有効に使うのが領主の役目でございますよ』


宗久さんから、もの凄い形相で俺に【お前はもう違う】と説教を受けた。俺はもう、諦めるしかない。

因みに、俺は木下衆の皆から、総統やら堺様と呼ばれている。本当は木下か日高で呼んでほしいのだが皆がそう呼んでいるので仕方なく呼ばれている。



「わ、わかりました。皆もすまなかった」



その後。木下衆が立ち去ると再び宗久さんと話を続ける。



「今井様。貴方もお人が悪いですね。こんないたずらに参加するなんて」



『ほほほ。それはそれは、商人に取っては格別な褒め言葉ですな。それで、お金の使い道はどうするつもりで?』



「先ずは、この鉄砲を量産したいと思います」



『ほう。鉄砲を。しかし何故?』



「これを、今後の戦を左右する武器にするためです。その為に、この鉄砲を1丁でも多く所有しなければなりません」



『成る程。しかし、手前や、他の店でもあっても1、2丁程しか店には』



「にぃっ」



『なにやら商いの臭いがしますな』



俺と宗久さんの密談は暫く続く。話の内容としては。


堺、根来、国友で鉄砲を量産する。(ついでに刀も)

鉄砲の購入は宗久さんから購入する。

宗久さんから各国の情報を貰う。


等々。互いが持ちつ持たれつの関係でいきましょうといった感じで密約を締結する。



その後の俺は根来に行ったり国友に行ったりと縦横無尽に動いた。その間に自分で刀も造ったりしていたら更に1年が過ぎてしまう。


そんなこんなで2年という月日が過ぎてしまったが、確りと尾張の家には手紙を書いていたので怒られはしないだろう。


また2年前より堺も賑わいが増していき、人、物が集まりだし、規模も徐々に大きくなってきている。その巨大化した商業都市を石垣と淀川から水を引きこみ堀として囲む。これにより商業都市堺は1つの城塞と進化した。因みに俺の屋敷も勝手に造られてしまい三重櫓と御殿という意味のわからない造りとなり、それも石垣と堀で囲われている始末。ある意味この堺は1つの城と成っていた。



それで、3年目の年になると全国の商人達が俺の元に挨拶に来はじめる。宗久さん曰く、『この堺の主なのですから我慢してください。お殿様』と言われてしまった。そしてその挨拶の最後の訪問者が細川晴元さんの部下、三好長慶さんからの使者でした。



『お初にお目に掛かります。某、三好長慶が家臣の松永久秀と申します。堺様にお目通りかないましたこと誠に感謝致します』



てな感じで、まさかの腹心、松永さんを寄越すとは思わなかったわけよ。



「此方こそ。三好様の右筆として頭角のある松永様にお会い出来て嬉しき限りです。本日はどの様なお話でありますか」



『では、単刀直入に申しますと出兵のお願いでございます』



「出兵となると昨年の太平寺の戦い後、蜂起した細川氏綱様をはじめとする方々との戦でございますね」



『流石は堺様。情報が早いですな。氏綱達はこの堺を攻撃し物資を奪う計画も有るようなのです。それを防ぐためにも、御助力願いたい』



「確かに、最近、我が物面の武士の一行が物資を買いに訪れ、脅し、暴行などの一悶着があり警備を強化しておりますが。そうですか。この堺も戦に巻き込まれるということですね。解りました。大層な軍ではないですが、できる限り出しましょう。それで、如何ですか?」



『何の。手前共がそれを何だかんだと言うつもりはござらん。その御言葉だけで我が主も喜びます。では、出兵時期は改めまして』



「はい。宜しくお願いします」



と言う感じで、約束してしまい。冒頭の戦に参加しています。



結果としては味方の勝利で戦が終わる。この時、堺衆の鉄砲は初めて火を吹き。数百人を撃ち倒した。



三好長慶side


全くもって驚くしかない。此度の戦、兵数はほぼ互角。苦しい戦になると思ったのだが、木下日高殿の率いる堺衆が2000という数での参陣。また彼らの装備も以前堺の商人から紹介された鉄砲という南蛮の武器を100丁も装備していた。そして日高殿自身が纏っている鎧も南蛮の物らしい。また自前の鉄砲も持っている。そして齢10才とは思えぬ風格を兼ね備えている。これは堺衆を敵にするのは自殺行為とも言えるだろう。今後の取引も考えなければならないな。



『木下殿。この度の援軍。感謝致す。堺衆の参陣まさに天の助けと言えよう』



取り敢えず、援軍に来てくれたことに感謝を述べておこう。今後のためにもなる。


すると木下殿が立ち上がり、此方を向いて膝を付き頭を下げた。



「御言葉、感謝致します。しかしながら天の助けとは大袈裟でございます。我ら堺衆は堺の安寧と繁栄の為に参戦したに過ぎませぬ。いち速く蛮賊共を討ち果たさんが為、此度は宜しくお願い致します」



木下殿はそう言い放ち、更に頭を下げた。これ程までの返答を齢10の男が言えるのだろうか?周りの将達も同様に思っているであろう。かの男の人を引き寄せる言葉。我が生涯の朋を得たようだ。


『木下殿。頭を上げられよ。そこまで畏まる必要はない。此度の戦、大いに期待しておりますぞ』



「はっ」



日高殿が席に戻った所でようやく軍議が始まり。木下殿達堺衆は右翼の中衛を頼んだ。そして、戦が始まり。一進一退の鍔迫り合いが続いたが、右翼の前衛が崩れ右翼から敵方が中央に迫り来ている。これは不味いなと儂は思い撤退を告げようとしたときである。



パパーン


パパパパーン



右翼中衛から



凄まじい爆音が戦場に鳴り響いた。そして、右翼を崩した敵方がバタバタと倒れ始め、



「掛かれ~」



『『おおぉぉぉぉ』』




木下殿達、堺衆が前線に乱入し敵方を薙ぎ倒していく。



『全軍。木下殿に続け~』



『『おおぉぉぉぉ』』



木下殿達のお陰で、形勢は逆転。見事戦に勝利することが出来た。戦が終わり。陣に各将が戻って来る。しかし、木下殿が一向に来なかった。どうかしたのかと側にいる兵に確かめさせた所、戦死した敵味方の兵を運び、1ヶ所に纏め、木下衆全員で黙祷を捧げていると言う。


その後、遺体一つ一つの遺品と遺髪を箱に詰めて固く結び、家元まで届けるという事までしている。我ら武士では到底出来ない事を彼らは行っていた。その後、木下衆の1人が陣に赴き



『堺にて問題が発生したため、誠に勝手ながら堺に転進すると我が主からの伝令になります』



『承知した。堺殿に此度は助かりもうした。後日、改めて御礼に伺うと御伝えくだされ』



『はっ』



さて、これから、彼の御仁とどう繋がろうか。悩むな。久秀と考えよう。



長慶達。細川軍も撤退し、戦は完全に終了した。



堺に戻った日高は堺を襲撃してきた先の戦の落武者や山賊達を撃退し、堺周辺の治安は戦の前までに回復することができた。




これにて、木下日高と堺衆の初陣は勝利という形で決着した。









誤字、脱字がありましたら、直ぐに修正致します。


宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白そうなので、是非とも更新をよろしくお願い致します。
[一言] 海外進出する、面白いかも
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