伊勢侵攻へ
読者の皆様。
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畿内情勢の変化及び改変により堺の大名、鷹司秀高は、大和の筒井、河内、和泉の畠山、紀伊の雑賀、根来衆へ服従するように使者を送った。
1週間後、秀高に各々の使者が訪れた。
結果としては承諾するとの事である。
これにより秀高は一気に大和、河内、和泉、紀伊を支配する大大名へと躍り出た。各領内の民達も秀高が治める事に反論は無かった。去年の水害による支援が完璧に実を結んだ結果である。
1545年の5月
堺の総統屋敷大広間に鷹橋秀高、筒井順昭、畠山在氏、鈴木佐大夫、根来衆(寺)の座主が集結していた。
「皆様。本日はお越しいただき誠にありがとうございます。先日私が出した使者から話と手紙は受け取ったと思われます。改めまして何卒、この私だけでなく、皆様。そして日ノ本の民達のために御協力して戴けないでしょうか?」
秀高は頭を下げて協力を要請する。
『我ら、筒井は以前の水害救援の時より堺少将様に従うと申しております』
『畠山も同じく』
『我ら雑賀衆は元々主を持たぬのが習慣でしたが、昨今の畿内情勢。また、堺より仕事を請けている立場に在りますので服属してるのと同じでございます』
『我ら根来寺は、寺を存続できれば十分です。全ては少将様のお望み通りに』
各代表からの同意を得る事が出来た秀高は改めて頭を下げた。
「ありがとうございます。では、これから宜しくお願い致します」
『『御意』』
正式に支配下となった大和、河内、和泉、紀伊は翌日より各省の担当官が常駐し領内整備を開始した。市場も堺商人達も新たな店を構えるので活発となる。街道の方も土建省が整備を始め、領内の働き手を雇用し生活を安定させる。
堺で行ってきたことを次々と新領地で行う為、全国から難民や浪人達が集まり以前の人口より増える。これにより公共事業への人夫が増え工程が更に加速することになる。
しかしこの堺の事業により他国より移住してくる民達が増える。それにより他国から書状が届くのであった。
書状の内容はというと
堺の政策を教えてほしい
公共事業のやり方
市場の作り方
領内が豊かになる方法
が殆どだったが。
「これは、俗にいう。宣戦布告だよな」
秀高の手にある書状の内容は
これは警告である。我が領内から引き抜いた民達を直ぐ様返還せよ。さもなくば我が北畠は堺に対して実力行使に出る。
簡単に説明するとこんな感じだ。
「北畠か。確か長野と戦して消耗してなかったか?大丈夫なのかね~」
『戦ですか?』
執務室で書状を読んでいる秀高の元に小梅が訪ねてきた。
「あっ、小梅。伊勢の北畠から宣戦布告されたよ。ははは」
『あらっ。そうなんですの?って、それは笑い事ではないのでは』
「大丈夫だよ。彼方さんは今、大変だから」
『はぁ?』
「既に北畠は虫の息になりつつあるんだよ」
『それはどういうことですか?』
「それなは」
秀高の伊勢侵攻はこうである。
先ずは内政重視により国内の経済を安定、底上げする。
↓
次は公共事業(街道整備、区画整備、河川整備、築城等々)で人夫を雇う。これにより領内での雇用を確保させる。
↓
税を3年間免除する。これにより他国より人を集める。
↓
伊勢侵攻の為に長野、織田、伊勢志摩の海賊達と密約を結び物価を高騰させる。海賊達には海上封鎖も頼んでいる。これにより北畠の経済力を落としている。
↓
今ここ
『全く。経済戦争をやるとは。恐ろしい御方ですね』
「いや~。どうもどうも」
『褒めてませんわ。でも、我ら堺が同じ事を今後されたら?』
「それは問題ないよ」
『どうして?』
「以外と俺達が治めている土地は豊穣だし、大坂湾や紀伊水道等は堺海軍が押さえているから海上封鎖は出来ない。むしろ堺が閉じたらそれこそ相手が終わるんだよ」
『え?終わる?』
「堺に依存している大名達はどうなるかな~」
『あっ』
小梅は秀高の言ったことにピンときていた。全国の大名から取引がある堺が鎖国した場合。地方の小大名は一瞬に潰れ、その他の大名達も経済力が半分は確実に落ちるということだ。それほどまでに堺を巨大にしてしまった秀高に小梅は身震いした。
『す、すごい(こんな高度な経済戦争が出来るのって、秀高の前世はもしや政治家?なのかしら)』
だが、秀高が思うような構想にも、イレギュラーは発生する。
『殿。火急の報せが』
「うむ」
『北畠軍が長野、織田連合を破り、北伊勢まで掌握したと』
「ほう。そうきたか。それで?長野氏は」
『長野城にて玉砕との事』
「そうか。織田殿は背後を今川にでも突かれたのか?」
『いえ、松平と報告がありました』
「ははは。松平か。と言うことは背後には確実に今川がいるな」
『今後は如何に』
「ふむ、北伊勢まで掌握したのならばそれ相応の被害が出ているだろう。実りすぎた果実は腐ってしまう。そうなる前に喰らうか」
『では』
「うむ。誰か居るか」
『はっ。ここに』
「兵部省長官に通達。伊勢侵攻を始めろ。以上だ」
『はっ』
「丹波に伝えよ。北畠、織田、土岐、三河、今川の情報を集めろとな」
『承知』
「さて、伊勢攻めだ~」
秀高は具足を纏い伊勢侵攻の陣頭指揮を執る。動員兵数は二万人である。
北畠はこの侵攻を全く予想しておらず完全に瓦解。開戦から1ヶ月で秀高は伊勢を攻略し近畿地方南部を支配下にしたのであった。
その後、秀高は伊勢神宮に参拝し戦勝報告と天照大神に宣言する。
「俺は、日ノ本を統一します。それまで、何卒御支え願います」
これにより秀高は百万石を超える勢力へとなったのであった。
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