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秀吉の兄に転生したけど、そんなの居ないよな   作者: 久之浜真輝(ひさのはままさてる)
15/27

新たな年と改変

皆様。おはようございます。またはこんにちわ。はたまたこんばんわ。作者でございます。


今回も宜しくお願い致します。


1545年。正月


今年の正月は去年の災害などの影響から初日の出を洋上で拝むのみとなった。


そして去年の災害に対する特別追加予算は小大名では考えられない金額を捻出した。


出費内容

京都鷹司家に京の災害支援に三万貫(30億)

食料五万石、一貫辺り2.5石とすると二万貫(20億)

衣類、布団等の生活用品に一万貫(10億)

仮設長屋の材料、建造費で一万貫

被災者への支援金一万貫

堺衆への特別手当て二万貫

合計十万貫(100億)


である。


『総統。この度の十万貫の追加予算による堺の財政への影響は余りありません。現状、外国への輸出により殆どが賄えます』


「それは良かった。取り敢えずこれで一段落だな」


『ですが』


大蔵省長官の小西隆佐(小西行長の父)が秀高に詰め寄る。


「な、なんだ」


『総統が私費で色々と買い漁り、それが物資の中に入っていたと報告がありました』


「そ、それはだな。蔵の銭を整理したいと思ってな」


『それで蔵にあった四万貫を使ったと』


「そうだな」


『総統。確かに総統のお陰で今回は物資を買う事が出来ました。それにより堺の市場でも損する店はありませんでした。ですが総統の蔵の金庫番をしている身としましても、いきなり四万貫が持ち出されたと聞いたときは凄く焦りましたよ。今度からは私に一言言ってください』


「あっ、すみません」


『今後はお気をつけを』


小西隆佐の小言を聞いた秀高であったが、その後は新年の挨拶で忙しくなる。


帝からの密使を始め、近衛家、鷹司家、将軍家、取引をしている大名家から挨拶をされる。秀高は凄く疲れていたが全ての訪問者に確りと挨拶を返す。そして最後の訪問者の挨拶が終わる頃になると外は夕刻になっていた。


「つ、つかれた~」バタン


『あらあら。だらしないですよ秀高様』


居室に戻った秀高は小梅の前で大の字に横になる。それを微笑みながら小梅は秀高の頭を膝に乗せる。


『今年も沢山御客様が来ましたね』


「年々増えている気がするのだが」


『それは貴方様が取引先を増やしているからでございましょう』


「そ、それはそうなんだがでも大名の皆が挨拶しに来ることなんて」


『はぁ。秀高様の堺との取引がなければ皆さん困るんですよ』


「そんなに堺に依存してもらってもな~」


『海外政策はその通りでは?』


「う、うん」


『まっ、今日の仕事は終わったんですから、忘れましょ』


「だな」


この後、秀高と小梅は市へとデートに向かった。堺の市場は昨年の正月より賑やかになっており秀高も安心してデートをすることが出来たのであった。



翌日


秀高は昨日から再開していた堺城へと向かう。


「(秀吉が大坂城を造ったらこの城と接合するかな?日吉の事だし何かやりそうだよな)」


色々と考え事をしながら現場に入る秀高。


『おっ、堺様だ。皆~堺様がいらしたぞ』


『『『お疲れ様です』』』


「お疲れ様~。正月は確り休めたようだね」


『はい。お陰さまで』


『堺様。先日はお酒ありがとうございました』


『堺様』


『堺様』


秀高は作業員達と話ながら普請の作業をし汗を流す。しかし正午の時間の時に秀高の元へ伝令が現れる。


『殿。至急屋敷へ』


「何があった」


『管領細川晴元様と将軍足利義晴様との間で戦になるとの事』


「それは確かか?」


『情報省からの報せです』


「わかった。戻ろう」


秀高は直ぐに着替えて屋敷へと戻る。既に広間には各省の長が揃っていた。



「状況は?」


『現在、双方は兵を集めているとの事です。しかも将軍家は密かに兵を近江や越前で訓練をさせていたとも入っております』


「細川軍はどうだ」


『細川軍は、四国からも兵を呼んでいる模様で大戦になるかと。ですが、三好勢は動かないとの事』


「ふむ(今年は戦などないはずだけど。もしかして歴史が変わってきてるのか?そうなると畿内の勢力は目まぐるしく変わるぞ)。双方から我々になにか報せはあったか?」


『いえ、まだ何も。しかし来るのは時間の問題かと』


『将軍勢は朝倉、浅井、六角、朽木、斎藤の連合だろうか?』


『いや、今回は将軍家のみとの情報だとか』


『将軍家は勝てるのか?』


『しかしまた京で戦が』


『いや、戦場は山崎辺りとの事だ』


新年経って早々に戦という事で各省の長達も動向が気になっていた。


『失礼致します。細川様より文が参りました』


「これへ」


小姓から書状を受け取った秀高は中身を確かめる。


「うむ。皆も読んでくれ面白い事が書いてあるぞ」


秀高は晴元から来た文を皆に読ませる。その内容は簡単に言うと


我ら細川の味方に付け

戦に勝ったときは褒美をやる

断れば次は堺だ


と書いていた。


『殿。これは』


「まぁ、いわゆる脅迫文だな。細川勢に味方する者は少ないということだろう」


『では、我々は』


「勿論。不参加だ。戦しているより商売という戦をしていた方がいい」


『『『ぷっ』』』


その場に居た長達は秀高の言った言葉に笑った。それもそうである。元々は彼らも堺の商人であるからだ。


『失礼致します。足利様より文が参りました』


「これへ」


今度は足利義晴からの文である。


「ふふふふ。はっはははは。これはいいな。皆も読んでくれ」


足利義晴の文には次のようにあった。


昨年の災害での活動に対しての感謝。

細川との戦には参加不要。我らに勝算あり。

戦の勝敗に限らず、戦後処理に協力してほしい。

等々


と書いてあった。


『殿。将軍家はやる気ですな』


「そうだな。取り敢えず静観だ。勝敗が決まるのを待とう」


そして2月初旬。山崎の地にて足利軍一万と細川軍一万が激突した。当初は細川軍が勝つだろうと見ていた周辺諸国だったがところがどっこい。


結果としては足利軍の勝利となったのである。一進一退の攻防を続けていた両者だったが足利軍が1つ、また1つと陣を突破し細川軍本陣まで快進撃をしたという。そして本陣に居たはずの細川晴元は既に芥川山城へと後退し、その後に有岡城へと撤退したという。これにより山城と京は足利家が完全に掌握することとなった。



「まさか、本当に勝つとはな。将軍家厄介な相手になりそうだな」


自室で足利勝利を聞いた秀高はこれからの動きを修正することとなったのであった。

誤字、脱字がありましたら御報告ください。

出来るだけ速く修正致します。

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