表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超強運  作者: コサキサク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/19

第14話 初デート

ウサミちゃんとのデートの日が来た。僕は、小学校の途中から高校卒業までずっと男子校で、男友達とのんびり過ごして来た。当然人生初デートである。行き先がスロットってデートとして良いのかどうかわからないけど、ていうかデートと言っていいのかわからないけど、とりあえずウサミちゃんと二人で出かけられるのは嬉しい。服はこれでいいだろうか。僕は、見た目はほんとに普通だ。中肉中背、顔もほんとに普通。服のセンスも普通だ。結局無難にTシャツとジーパンにしてしまった。ウサミちゃんはギャルとはいえすごく可愛いもんなあ。僕で釣り合っているだろうか。


行き先のスロットはまだ僕も行ったことがないところだった。ウサミちゃんも普段働いているスロット屋でデートは抵抗あるのだろう。少し遠出するようだ。お互いの家の中間地点の駅で待ち合わせした。僕はだいぶ早く来てしまった。待ち時間まであと30分もある。あと5分というときにウサミちゃんがやってきた。

「ごめーん、待った?」

「ううん、待ってないよ。ウサミちゃん、髪切ったの?」

「うん、ちょっと切って、内側だけピンク色にしたんだ!どう?」

「うん、似合ってるよ。」

ウサミちゃんはもともとの金髪でウエーブのかかったロングヘアーを肩辺りまで切り、内側の髪だけ薄いピンク色に染めてあった。ハヅキさんの店で買ったブレスレット等のアクセサリーもたくさんつけていたが、もともと大量のアクセサリーをつけているギャルだから、普段のファッションに見事に馴染ませていた。一言でいうとすごく可愛かった。


さっそく目当てのスロット屋に向かって電車の切符を買い、電車に乗った。


やっほー、みんな、レイだよ。さて、記念すべきアタルとウサミちゃんの初デート、僕、レイはばっちり尾行していた。そしてトラジロウも一緒だ。

「トラジロウ、子供会の旅行サボっていいのかよ。」

「いいよ。子供会の旅行なんて毎年つまんないし。」

尾行したいと言い出したのはトラジロウだ。どういうわけかと思ったら、やっぱりアタルがウサミちゃんの運を奪わないか心配らしい。そのくせ、アタルとウサミちゃんの恋愛には大賛成らしく、結構複雑みたいだ。

「お姉ちゃんが、アタルくんみたいなまともで学歴のある男と付き合えるなんてこれが最初で最後のチャンスだよ。今までのお姉ちゃんの彼氏、ほんとにみんなクソだったんだから。」

と、トラジロウは言っていた。二人で話して気づいたんだけど、トラジロウ毒舌半端ない。学校で友達いないの絶対それが原因だろ。

「いいのかよ、お姉ちゃん目の前でアタルとキスしちゃうかもよ?ラブホに入るかもよ?」

「それぐらい想定内だよ。へ、平気だもん。それよりもお姉ちゃんの運、大丈夫?」

「大丈夫だよ。今90。」

「もし、すごく下がったら言ってね。さりげなく僕がお姉ちゃんに近づくから。」

「わかったよ。」

「レイくんは、いいの?アタルくんとお姉ちゃんが付き合っても。」

「え?」

「アタルくんのこと好きなくせに。」

僕はさすがにぎょっとした。

「おいおいトラジロウ、バイの僕ですら、トラジロウの年のころは男同士で恋愛があり得るって知らなかったぞ。お前どうなってんだ。」

「同性婚ニュースよくあるもん、知ってるよ。それに、レイくん、公式Twitterにバイって書いてるし。」

「そ、そう・・・」

トラジロウ恐るべしだ。そういや、トラジロウはわざわざ僕の公式TwitterのDMに尾行の話をしてきた。ライン知らないからって。ウサミちゃんはギャルなのになんでトラジロウはこんな賢いんだ!?って言うとウサミちゃんに悪いか。

「トラジロウ、僕、アタルのこと好きに見える?」

「うん。」

「なんで?」

「なんでって、尾行してるし、やっぱり気になるのかなって。」

「それはお前に頼まれたからだって。」

「レイくんそんなに親切じゃないし。自分が気になるからでしょ。」

「この毒舌!」

僕はトラジロウの額を小突いた。

「アタルのことは、好きだけど、これは友情なの。バイだからって男友達みんな好きになってたら身が持たないって。」

「そう・・・」

トラジロウはそれ以上、何も言わなかった。

正直いうと、そんな感情ではなかった。だけど今ここで話しきれないぐらい複雑な感情だし、トラジロウに言うわけにいかないから、ごまかした。


レイとトラジロウに尾行されてるとはつゆ知らず、僕とウサミちゃんは目的地のスロット屋にやってきた。今日は暑い日で、店に着くまで暑かったが、店の中は涼しくて快適だ。スロットでデートもなかなかいいかもしれない。とりあえずウサミちゃんには好きな台を打ってもらって、僕は台を探すという体で店内を徘徊した。僕が打つとウサミちゃんの運を奪ってしまうので、出来るだけ打つのは避けた。飲み物を買ってウサミちゃんの様子を見ていると、ちょうど大当たりしていた。

「アタルくん、見て!超いい感じ!」

「よかったね。」

ボーナスはそんなに続かなかったようで、ウサミちゃんはあっさり席を立った。

「ささ、アタルくんも打って。あたしはもう十分。」

「え?」

「アタルくん、あたしの運奪わないように遠慮してるでしょ!」

「あ、わかった?」

「わかるよ!さ、このあと遊ぶ分稼いでね。」


「いやー、稼いでとは言ったけど、1000円を20万にするって、ほんとすごいね!いろんな演出見れて面白かったよ!」

ウサミちゃんはご機嫌だ。

「そうだ、このあとどうする?」

「近くに映画館とボウリング場あるよ。」

おお、いよいよデートの内容になってきた。ただスロットで終わるかもと若干不安だったけど、ちゃんとデートになりそうだ。映画館というと、レイの映画が頭をよぎったので、映画館は避けることにした。

「ボウリング場にしよっか。」

というわけで近くのカフェでランチした後、ボウリング場に言った。僕もボウリングまあまあ得意だったけど、ウサミちゃんも上手い。僕とほぼ同じスコアを叩き出してくる。そして、お互いスペアやストライクを出すたびにウサミちゃんがハイタッチをしてくる。僕はブレスレットに触れないようにそっとハイタッチした。カナメはああ言ってたけど、手を触るぐらいならなんとかなってるじゃん!


ボウリングの近くにダーツもあったので、ダーツもやることにした。ウサミちゃんはダーツバーでバイトしていたことがあるらしく、ダーツは僕より数段上手かった。

「アタルくん、投げるときもう少し腕をこう・・・」

僕がダーツを投げる姿勢を直そうと、ウサミちゃんが僕の腕を触った。そのときに明らかに、ブレスレットに触れた。

「今、ウサミちゃんの、ブレスレットさわったよね?なんで割れないの?」

「ああ。これは100均で売ってるビーズのブレスレットだよ。右手はこうやって、触ることもあるだろうと思って、パワーストーンは避けたの。」

「あ・・・」

ウサミちゃんも考えてくれてたのか。ということは、ウサミちゃんも手ぐらい繋ぐことを想定してくれていたんだろうか。そう考えると、ドキドキしてきた。


ダーツを終え、ダーツを受付に返していると、

「あー、プリクラがある!」

ウサミちゃんがダーツの近くにあったプリクラに食いついた。

「そういえば、アタルくんって、トラジロウとはプリクラ撮ってるよね!?トラジロウに見せてもらったもん!」

「うん、撮ったよ。」

「トラジロウと撮っといて、あたしと撮らないってのはないでしょ!取ろうよ!」

ウサミちゃんは僕の手をぐいぐい引いてプリクラ機に連れて行く。気がついたら手、繋いでいた。


プリクラ機に入っても、ウサミちゃんは僕の手を握ったままだった。なにこれ!?好きな女の子とこんな狭いところで手繋いでるとか!僕はさっきからずっと心臓がバクバク言っている。そんな僕に、ウサミちゃんは耳打ちした。


「ねえ、気づいてる?今日ずっとレイ君につけられてるよ。」


はーい。レイだよー。僕はトラジロウと一緒にアタルくんとウサミちゃんを尾行し続けた。それにしてもウサミちゃん、ぐいぐい行くなあ。このデート、ずっとウサミちゃんのペースだ。童貞とギャルだもんな。しかもウサミちゃんの方が5歳上だし、まあ当然だろう。ウサミちゃんの運はアタルの手に触る度少しずつ下がっていた。今ウサミちゃんの運はほぼ0だ。


二人がプリクラ機に入ると、二人の運は見えなくなった。物陰に入られると運が見えない。


プリクラ機の中から出てきた途端、ウサミちゃんの運が一気に下がってた。マイナス落ちしている。-500ぐらいになっていた。プリクラ機で何をしたか、すぐわかった。

 

・・・あいつら、キスしたな。


しかも、プリクラ機の中から出てきた瞬間、ウサミちゃんと目があってしまった。ウサミちゃんは全く動揺していなかった。

「トラジロウ、尾行してること、ウサミちゃんに言った?」

「ううん。」

トラジロウはこう言ったけど、姉弟だからな・・・


ただ、言えることは、トラジロウが僕がアタルのこと好きなの気づいてて、ウサミちゃんが気づいてないはずない。さっきのウサミちゃんは、


「あんたには、渡さないよ」って顔してた。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ