六話「共闘」
またまた大型の化け物登場!!倒すことができるのか?!
六話「共闘」
「コォォォォォォォォ!!!」
夜、河川敷に甲高い慟哭。この感じは知っている、確かめるまでもない。それは、遥か上空に現れた。
鳳、フェニックス、不死鳥、火の鳥、様々な呼び方があるだろうそれは、悠々と、堂々と、絢爛に空を飛んでいた。
「ちょっと!これってあの時に出たのと同じような奴?!」
「優先順位が変わったわ、まずはあれを仕留める。照はさがっていなさい。」
「了解っす!姉御頑張って!!」
「カグツチ!!」
「あいよっ!!」
ダリアちゃんの右手に炎が現れ、形が変わっていく。それは映画とかでよく出てくるスナイパーの人が使ってる銃の大きいやつ名前なんだっけ?
「対戦車ライフル14.5mm口径、イメージ通り、いい出来よ。」
「そいつはどうも!いやー、俺は刀ばっかり作ってたからよぉ。珍しいものを作るのは楽しくてしかたねぇや!」
「あとは、角度ね。あそこの斜面を使いましょう。」
ダリアちゃんは河川敷から上がりそこで準備を始める。
「カグツチ、照のバイクをお願い。」
「おうよ!!照ちゃんの単車だな!!」
ダリアちゃんの正面に大きな炎の塊が現れる。その炎は大きなバイクへと変化した。そのバイクのシートの部分に銃口を乗せた
「200mぐらいかしらね、風速は軟風で風向きは南から。」
ダリアちゃんは鳥の化け物に銃口を向ける。そして静かに息を止め、トリガーを引いた。
大きな爆発音がして銃から銃弾が放たれる。そして放たれた銃弾は化け物に着弾した。
「コェェェェェェェェェェ!!!!!」
化け物が致命傷になった様子は無い。こちらに気が付いた化け物はこちらに向かって飛んできた
「次、行くわ。」
ダリアちゃんはもう一度狙いを定めトリガーを引いた。弾丸は化け物の顔に命中、そのまま地面に落下した。化け物は地面でのたうち回っている。続けて二発、三発と銃弾を打ち込んでいく。
「コェェェェコェェェェ!!」
だが化け物の勢いは止まらない。かなりのスピードで突進を仕掛けてきた。その時、バイクのエンジン音が響いた。
ブロォォォォォオオオンン
銃の発射台になっていたバイクに、いつの間にか照さんがまたがっていた。
「いくぜぇぇ!!姉御!!しっかりとあたしにつかまってくれよな!!」
照さんが乗るバイクの後ろにダリアちゃんが飛び乗った。
「照!!行きなさい!!」
「おっしゃぁああああ!!」
そしてバイクは発進し、一気に加速する。化け物のスピードから逃げ切っている、すごいスピードだ。
「ちょっと待って!私も追いかけないと!!ミカ!!・・・ん?ミカ?あれ?」
「・・・」
「どうしたのかな~?建御雷さん?」
「いやじゃ。」
「ん?なにが?」
「あやつらと一緒に戦うのは嫌じゃ、特にあの火之迦具土、奴と共闘なんて虫酸が走る。絶対嫌じゃ。」
え~、なんで~なんでこの子駄々こねてるの~?
「わかった!じゃあ様子見に行くだけだから!見てるだけならいいでしょ?」
「むぅ~、そこまで言うなら仕方ないのぉ。」
ミカとカグツチさんに何があったかは後で聞くとして、今はダリアちゃんたちが心配だ、追いかけないと。
「身体強化 足」
バチチッ
私は足に意識を集中させイメージした、これでかなり速度が出せるはずだ。
「いっくぞぉぉぉぉぉ!!」
パンッ!!
私は勢いよく地面を蹴りそして、はじけるように加速した。
「思ったよりぃぃ!!!早いいいい!!!!ああああああああああ!!!!」
ブゥロロロロロロロォォォォ
「姉御!!あいつ結構早いぜ!!このままだと追いつかれちまう!!」
「そうね、それならもっと火力を上げましょう。カグツチ、お願い。」
「あいよっ!!」
「ロケットランチャー、私の最大火力。さぁ、死になさい。」
「コエェェェェェェェエエ!!!」
「ああああああ!!!」
「なに!?」
「わははは!!さっきのねぇちゃんじゃねぇか!!ほ~建御雷の力で強化したってところか!!やるじゃねぇか!!」
「そう、追いついてきたのね。でも関係ないわ。照!!反動に備えなさい!!」
「いいぜ姉御!!任せな!!あたしの運転テクは伊達じゃないぜ!!」
「発射準備完了、吹き飛べ。」
カチッ バシュッッッ
勢いよく飛び出したロケットランチャーの弾が相手の頭部に直撃すると爆発した。
「コエェェェェェェェエエエエ!!!!」
「まだ止まらないようね、どうしたものかしら。」
止まらない止まらない止まらないぃぃぃぃい!!!ちょっと!!どうやって止まるのよ!!あーもうっ!!こうなったら思いっきりふんばってやる!!
私は両足に力を込めて進行方向に地面を蹴った
ズシャアアアアア
「はぁ、はぁ。止まれたぁ~けどかなり追い越しちゃったなぁ。よし、ここで構えて切るっ!!」
数分待つとダリアちゃん達と化け物が現れた
「おっ、あれはさっきのねぇちゃんじゃねぇか。何してんだ?」
「おーい!!ダリアちゃーん!!一緒にー!!攻撃ー!!」
「おいおい、あのねぇちゃんなんか叫んでるぞ?」
「そういうことね、はぁ、わかったわ。照、少し左に避けなさい。」
「わかったぜ!!姉御!!」
「タケミカヅチ、対戦車ライフルを。」
「あいよっ!!」
「ダリアちゃーーーん!!!あーーーしーーー!!」
「足ね、わかったわ。」
ズドン カシャッ ズドン カシャッ
射撃とリロードを繰り返すこと2回、化け物の右足と左足にそれぞれ一発ずつ当たる。
化け物はバランスを崩した。
「後は任せたわよ。」
「任された!!」
すれ違い際の一言、それだけで二人の信頼は高まった。
「よっしゃ!!いっちょやりますか!!」
次で決着っ!!輪音は倒すことができるのか?!?!