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閑話・神域

マークと言われた男は首を振りながら、だかやはり疲れた声で、


「女神様、魔神様のお手伝いが出来ることは光栄ですし、私が女神様にお願いをした代わりにやっていることです。でも、死んだ身でもやっぱりこの量は多すぎるので‥‥‥」


女神と魔神はが謝りながら席に着き、それぞれ書類を約四割ずつ自分の机に置き仕事を再開する。


「あっ、そうだ。マークさっきの用事でマークが前に言ってた伝言伝えたら、ありがとうって言ってたよ」


その言葉にマークとは一瞬、手の動きを止めた。だがすぐにさきほど以上のスピードで書類を捌いていった。


「女神様、伝言ありがとうございます。お礼と言っては何ですがこれが終われば少し時間が出来ますので、プリンでも食べて少し息抜きしましょう。」

「えっ、プリンがあるの!」

「はい、私が作ったものですけど」

「やったー!私達が作るとどうしても完璧すぎて逆に味気ないからねぇー」

「マーク、俺の分も頼む!」

「はい、分かっていますよ。たくさん作っていますのです」

「やったー!」

「じゃー、速攻で終わらせるぞ!」


そう言うと女神と魔神もスピードを上げ、大量にあった書類をどんどん片づけていった。


「ところで女神様、ユーゴに()()()()()()()()()()は伝えましたか」


マークのその言葉に女神の手は手を止めた。


「いいえ、伝えていません。確かにあの者の行いは確かに褒められたものではないですし、私たちの仕事もほんの以前のように少し増えるかもしれません。ですが言い方は悪いとは思いますが所詮、人間種の行いですし。それに、あの二人ならすぐに気づくでしょうし」


そういい女神は止めていた手を再び動かし始めた。

しばらくして、書類を片付け終えた神である二柱とマークが息抜きにお茶とマークが作ったプリンを堪能していたが、女神がマークを後悔しているように見つめ、それに気づいたマークはどうかしましたかと話しかけた。


「マーク、その‥‥‥、前にも聞いたけど、本当に良かったの?」

「はい。後悔はありません」


女神のその言葉だけで何が聞きたいのかすぐに理解したマークは迷う素振りも見せずに即答した。


「ですが、私が伝言の提案をしたおかげで貴方の転生は二百年も後回しにされた上、私達の仕事の手伝いまでさせられてるんですよ」


女神が言った通りマークは死んで転生する直前、ユーゴが死なずに別の世界に記憶を保持したまま転生したことを知った。女神は更に続けて、もしユーゴがこの世界に戻ってきたら名前は伝えられないが短い伝言なら条件付きで伝えられると提案された。マークは今の現状から分かる通り、その提案を受け入れその代償に転生を二百年間、後回しにして更に神である二柱の手伝いをしている。


「女神様、私は本当に後悔はありません。それに逆に言えば女神様があの提案をして下さったおかげで、私はユーゴにメッセージを伝えることが出来たんです」


マークにそう言われるが女神はやはりあの時に何故あの提案をしてしまったのかと今でも悔やんでしまう。あの提案をしてしまったときは女神と魔神の代わりの勇者であった雄吾と魔王であった空の闘いが終わった直後で自分たちが管理する世界の住人が多く死にその転生やら、その二人の戦いに使用された威力が大きい魔法で残った魔力溜まりの魔力を安全に世界に散らさなければならなかったりとかなりの仕事が溜まってしまっていた。


普段であればそこまで仕事は溜まらないのだが転生先は人族であってもまた人族になれるというわけでは無く獣人族や妖精族、魔族はては普通の動物や魔物そして魔獣にでさえなってしまうことさえある。そしてこの世界で生きるすべての生き物は死んでまたこの世界に生まれるとき、女神であれば魔族、魔神であれば人族そしてお互いに獣人族と妖精族に生まれ変わらせる場合はお互いの許可が必要であった。だがさっき言った戦いの間、口も聞かずにいたのでその生まれ変わらせる仕事が溜まってしまっていた。そんな時に女神は思わずマークに転生二百年待ち、それプラス自分たちの仕事を手伝って貰うことを条件に伝言を提案してしまった。


「ですが‥‥‥」

「女神、良いじゃねぇーか」


まだ何かを言おうとする女神の言葉を遮るように魔神が話しかけた。


「こいつも後悔は無いって言ってんだし、転生したら記憶は消えちまうんだから転生して会ってもお互いに分からないだろうし、俺らは俺らで手伝って貰って助かってんだからよ。なっ、マーク」

「はい、魔神様。それに書類仕事はもともとユーゴのためにやろうと思って基礎は勉強していましたので問題ないですし、神である二柱と違い私が働いている時間は実質、六時間半ぐらいですから」


魔神に聞かれ、マークは素直に思ったことを二柱に伝えた。


「‥‥‥分かりました」

「じゃー、今はこのプリンを楽しもうぜ」


女神は複雑そうな顔をしなが七つ目のプリンを口に運び、魔神も六つ目のプリンを味わっていた。その二柱の姿を見ながらマークはかつての自分が支えたいと思った友であり、本当の意味で義理の兄弟になりたいと思ったユーゴに思いを馳せた。


(ユーゴ、俺達の師匠に預けた物でお前は自由になれるはずだ。そしてあの道に何とか隠した()()()のこともすまないが頼んだぞ。あいつはお前のことをずっと一途に思っていた。だがお前がずっと好きな奴がいるのはわかっている。だから城から連れ出して普通の幸せを教えてやってくれ。そしてもしお前が構わないのなら‥‥‥)


マークはそう思いながら女神と魔神の空になっているコップにお茶を注ぐのだった。

安直に神の人数を柱で数えているがこれで良かったかな?

それと『戦い』と『闘い』で書いていますが間違えているわけでは無くこの話では『戦い』は集団戦で『闘い』は一対一の闘いという意味です


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