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謁見

「本当にここは違う世界なのかな」


教皇が去り、姿が見えなくなると召喚された一人の井上千夏がそう呟いた。


「確かに悩むとこだよな。だけどこれがドッキリならまだしも、本当に異世界に来てしまってると考えてこれから会う奴の話は聞くべきだと思うぜ」

「確かにそうですね。本当かどうかは情報を集めてからでも良いと思います」


そう正義と優が言う中


「そんなのはどうでも良いけどよ。何で俺らが頭下げねぇといけねぇーんだよ」

「そうすよねぇー」

「確かに私達は無理矢理連れてこられたんだし、頭下げるのは向こうでしょ」

「そうですよね。先輩」


中程にいた4人から反対の声が上げた。

声を上げたのは山本拓也、井上利一(としかず)、中村杏奈、坂本詩穂である。

この内、拓也と利一は学年は違うが二人して部活にも入らず学校外でも良く問題を起こす不良であり、杏奈と詩穂も同じように学年は違う。だが前二人と違いチアリーディング部に入ってはいるが同じ杏奈が同じ中学校である詩穂ばかり可愛がり他の部員を厳しくするので部員殆どから二人は嫌われている。


「ハァ~‥‥‥」

「あ゛ぁ何だよ、空!」

「別に‥‥‥ただ、死にたいのかと思ってな」


空は苛つきながら聞いてくる拓也に興味がなさそうに答える。だがその答え方は拓也を更に苛つかせ、空を胸元の服をつかみ持ち上げる。


「あ゛ぁ。テメェ、舐めてんのか」

()()()()()()()。元の世界じゃこれで大体のやつに言うことを聞かせてたのかもしれない。でもこの世界でそれくらいしか出来ないなら()()()

「ヒッ」


空が最後の言葉に込めたほんの少し殺気に拓也は初めて空に恐怖を感じた。


「別に死にたいなら勝手に死ね。周りを巻き込むな」

「‥‥‥」


空の言葉に拓也は頷くことしか出来なかった。


「空君言い過ぎです」

「ハイハイ」

「拓也君達も確かに君たちの言うことも正しいと思います。だけど今は情報が全く無いのです。空君の言葉では無いですが情報が無ければ何をされるか分かりません。ですからからここは我慢しましょう」

「‥‥‥(コクッ)」

「では異世界の方々お入り下さい」


優が言い争いをきれいにまとめ上げるとほぼ同時に目の前の扉から声が聞こえその扉が開き始めた。


「皆さん行きましょう」

「皆、行くぞ」


そう言い優と正義を先頭に部屋に入っていき、空と雄吾は最後に入った。

優と正義が進んでいくと剣を携えマントが付いた鎧を着た見た目30代くらいの男がいた。


「異世界の方々、こちらにてお待ちください」


その男にそう言われ高校生たちは先程、教皇に言われた姿勢を取り始めた。もちろん、膝をつけることに異議を唱えていた四人も黙って同じようにした。


「国王はすぐに入場なされますので声を掛けられるまで頭を下げてお待ちください」

「分かりました。ありがとうございます。えぇっとー‥‥‥」

「私はラモンドと申します」

「ありがとうございます。ラモンドさん」

「サンキュー、ラモンド」

「いえ、仕事ですから」


そう言いラモンドは高校生達全員を見回し。

雄吾と空の居る場所だけ他の高校生達よりほんの少しだけ長く見た後、王座の近くにある扉の横に歩いて行った。

その後、一分も経たないうちに扉が開き二つの姿が部屋には行ってきた。


「面を上げよ。異世界人よ」


高校生達が顔を上げるとそこには二人の男女が王座とその隣に座っていて、その二人とも高校生達と同じ年くらいの顔をしていた。


「余がこのフォールキン王国国王ライヤ・フォールキンである。隣にいるのは我妻であるミア・フォールキンである」


国王は自己紹介を終えると高校生達の召喚理由を話し始めた。


その話によると、この世界には多くの種族が住んでいる。その中で魔族と言われる種族が人間族を襲っていることを女神が悲しみ勇者を人間族に産まれるようにして他の種族と共に魔族を滅ぼすように命じた。だがその勇者は()()()()との戦いで敗れてしまった。先代国王は他国に魔族を必ず勇者が滅ぼすと吹聴していたが、信じていた勇者が偽の魔王如きに敗れてしまったことに責任を感じ自害した。自分は先代国王の遺志を継ぎ()()()()()を倒す手段を探した。すると女神様が異世界人を呼び寄せる魔方陣を下さった。だから自分たち(異世界人)には魔王を倒して欲しいとのことだった。


「異世界の者達よ人間族のためいや、この世界のため魔王を倒してくれ」


ライヤ・フォールキンが話し終えると優が発言の許可をとり、質問をした。


Q:自分は戦いの無い世界から来たから足手まといになると思う

A:この世界に召喚される際、女神様が全員に戦うすべを与えられている


Q:すぐに魔王を倒しに行くのか

A:しばらくはこの城で訓練の後、魔物を倒したりダンジョンに潜って貰う


Q:何故、魔物を倒したりするのか

A:魔物などを倒すことでレベルが上がり強くなることが出来る


Q:ダンジョンとは何か

A:詳しくは分かってはいないが魔物が多く住んでおり、レベルが上がりやすくお宝も手に入る場所


Q:帰る方法はあるのか

A:召喚魔法が書かれていた紙には魔王城にあると書かれており、密偵からも事実であるという情報も得ている


その後、優は他にも質問をしていき


「では、最後なのですが最初に答えて頂いた私達が女神様から与えられた戦う方法というのを教えて欲しいのですが」

「あぁー、それはこちらも確認したいことであるからな。方法は自分の中の強さを意識してステータスと唱えれば良い。こちらも確認しておきたいことであるからそこにいる宰相であるへーザーの所に行きステータスを見せて欲しい」

「分かりました。それとこれはお願いなのですが魔族と戦うかどうかは皆と相談してから決めたいのですがよろしいでしょうか」

「‥‥‥まー良い。こちらもお主達を呼びつけたのだからな。それ位は待ってやる」

「ありがとうございます」


優の最後の質問にライヤ・フォールキンは少し顔を歪ませるも、隣にいた王妃そして空と雄吾以外は気付かなかった。



修正する前から読んでくれていた方にはわかると思いますが二つに分けました。


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