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創作資料(仮)  作者: あわゆき こあめ
天使
5/24

天使・堕天使

大幅に修正をしました。



 アカトリエル

 アカトリエル・ヤ・イェホド・セバオト、アカトリエル・ヤハウェ、アクタリエル、アクトリエル、イェハドリエル、ケテリエルとも。

 旧約聖書」で主自身を指す言葉としてたびたび登場する「主の天使」と同一視され、120万の奉仕天使を率い、全ての天使の上位に位置する偉大な審判の王たる天使だという


 アキベエル

 アキビールとも。

 旧約聖書偽典であるエノク書に掲載されている、サムヤサの指示のもと地上に下りてきた堕天使のうちの一人。人間たちに兆や徴の意味を教えた。

 

 アクリエル

 天使の名。

 

 アケリア

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、金星の第1の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使のうちの一人。

 

 アサエル

 アサーエールとも。

 名は【神が創った者】を意味する。

 人間たちの娘に欲情して、セムヤザを筆頭として神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 アザゼル

 アザエル、アシエル、アゼル、ハザゼル、アサセルとも。

 アザゼルという名は【神の如き強者】という意味のヘブライ語に由来する。他にも【遠くへ去る】、【完全なる除去】、【荒野】、【山羊】という意味がある。

 レビ記のアザゼルはヘブライ語で【強い、ごつごつとした】を意味するアズと【巨大】を意味するエルの合成語。

 このアザゼルの名は何らかの超自然的存在や魔神、あるいは荒野の悪霊を指すとも解釈される。

 堕天使としてのアザゼルはもともとは神に命ぜられて地上の人間を監視する「見張りの者たち」の一人であった。アザゼルら見張りの天使の首長たちは、人間を監視する役割であるはずが、人間の娘の美しさに魅惑され、妻に娶るという禁を犯し、200人ほどの見張りの天使たちが地上に降り、人間の女性と夫婦となった。

 アザゼルが堕天使となった説はいくつかあり、その一つに、神に創り出した人間アダムに仕えるように命じられるも、「天使が人間などに屈すべきにあらず」と頭を下げなかったという伝説がある。このアザゼルの行いは神を否定するに等しい行為で、結果、天界を追放されたとされる。

 

 アザレル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、月の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている2人の天使のうちの一人。

 

 アスファエル

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アスベエル

 第一エノク書に登場する天使の名。

 その名に【神に見捨てられた者】、【神を放棄する者】、【神から脱走した者】を意味する。

 アザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの長の一人。

 

 アスモデル

 黄道十二宮の金牛宮を支配する天使。

 天の階級は「智天使」である。

 

 アスルリュ

 第三エノク書に登場する天使。

 ガブリエル、パズリエル、サブラエルなどとともに地位を分担する天使で、7つある天の第1天の支配者の一人とされる。

 

 アズラエル

 アズラーイール、アズリエル、イズラーイールとも。

 その名は【神の救い】を意味する。

 イスラム教にて死と人の魂を司る天使。

 片手には全ての生者の名を記した書物を持ち、人が死ねばそこから名前が消える。姿形は非常に恐ろしく、全身に無数の目、口、舌を持ち、人の罪を見、語り、裁くのだと伝えられる。

 

 アトゥエステル

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能の天使の一人。

 

 アトルギエル

 アトリギエル、アトルグニエル、アタルニエル、タグリエルとも。

 7つの天のうち第7天を護衛する天使であり、またメタトロンの数多くある名前の一つともされる。

 

 アドナキエル

 黄道十二宮の人馬宮を支配する天使。

 天の階級は「天使」である。

 

 アドナルエル

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アナエル

 アリエル、オノエル、ハニエル、ハミエルとも。

 神の世界創造を手伝った七天使の一人であり、プリンシパリティーの指揮官とされる天使の一人。七層に分かれた天上の第二天ラクイエの長とされることもある。

 

 アナネル

 アナニ、アナネ、カナネル、ハナネルとも。

 アザゼルやシェミハザなどの天使とともに神に反逆した一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長(Chief of Tens)」の一人とされる。

 

 アナニエル

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アナフィエル

 アンピエルとも。

 名は【神の技】を意味する。

 秘密の保持者で水の支配者であり、ケルブの長、あるいはメルカバの8人いる長の一人だとされることがある。

 

 アナヘル

 アナハエルとも。

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」などに見える天使。

 7つの天のうちの第3天である「シェハクィム」を部下であるヤブニエル、ラバキエル、ダルクイエルとともに支配する。


 アバリエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、月の第2の五芒星にヘブライ語で名を記されている天使。

  

 アフ

 名は【怒り】を意味する。

 怒りと人間の死、処罰を司る天使。

 モーゼを飲み込んだ天使。

 兄弟にヘマという名の天使がいる。

 

 アムブリエル

 黄道十二宮の双児宮に支配する天使。

 天の階級では「座天使」である。

 

 アラキバ

 アラーキーバー、アラカブ、アリスティクィファ、アルタクィファとも。

 人間たちの娘に欲情して、セムヤザを筆頭として地上に罪をもたらした堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。またアラキバ自体がアラクィエルの別名とされることもある。

 

 アラクィエル

 アラキエル、アルカス、アルキエル、アルクァエル、アラクイエル、サラクアエルとも。

 名は【大地の支配権を酷使する】の意。

 キリスト教や神秘学における堕天使あるいは天使の一人。

 またアラキバはアラクィエルの別名とされることがある。

 

 アラエル

 天使アリエルの別名とも言われている。アラエルはウリエルの別称の一つとされる。

 鳥を司る天使の一人。

 正確に言えば、鳥の群れを司っている天使である。

 謎の多い天使であり、あまり詳しいことは分かっていないらしい。

 旧約偽典である「ソロモンの遺訓」によれば、四肢を麻痺させる悪魔、スファンドルを撃退させるために呼び出されることがあるという。


 アリエル

 名は【神のライオン】を意味する。

 大地の天使で野生動物を癒す役割がある。

 

 アリオク

 アリオーシュとも。

 名はヘブライ語で【獰猛な獅子】を意味する。元々は人間や悪魔の名前であるが、ミルトンの叙事詩「失楽園」では堕天使として登場する。

 

 アルスヤラルユル

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アルマロス

 アルメルス、ファルマロス、アバロス、アレロスとも。

 第一エノク書に登場する天使の一人だが、堕天使となり、グリゴリと呼ばれる一団に属する。「魔法使いをいかに無効にするか」を人間に教えたという。

 また、もっとも犯してはならない「神の名を教える」という罪をおかした張本人ともされている。

 

 アルミサエル

 名は【神の裁きの山】を意味する。

 子宮の天使という異名を持つ。

 悪魔から妊婦や胎児を守る天使の一人とされている。難産の際の、分娩を補助する役目を担うという。

 

 アルメン

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アレスティキファ

 第一エノク書に登場する天使の名。

 

 アレハナ

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」に言及される、土星の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 

 アレル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、太陽の第7の五芒星にヘブライ語で名を記されている、火を象徴する天使。

 

 イアカディエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、月の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている2人の天使のうちの一人。

 破壊と損失に寄与する天使であり、死者の魂を呼び出すことができるという。

 

 イェクォン

 イコン、ヤクァムとも呼ばれる。

 名は【扇動者】、【立ち上がる者】を意味する。

 アザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの長の一人。アスベエルとともに「天使達」に「悪知恵を授け、人の娘たちの間で身を滅ぼすように惑わせた」、つまり反逆の主因を作った首謀者の一人だったとされている。

 

 イェクン

 第一エノク書に登場する天使の一人。

 グリゴリのリーダーであったシェミハザやアザゼルなどの天使たちをそそのかして、天から地上に降りることを進めた張本人であるとされる。

 

 イェタルエル

 第一エノク書に登場する天使。

 

 イェヒエル

 キリスト教の「使徒教父文書」の一つ「ヘルマスの牧者」などに言及される天使。

 野獣を支配する職務をカイリエル、テグリ、ムトニエルなどと共有している。

 

 イェホエル

 イェフエル、ヤホエル、ヤオエル、シェルエルとも。

 セラフの長、あるいは支配君主の一人とされることがある。ユダヤの伝説によれば「リヴァイアサンを食い止める天使」だとされる。

 数多くあるメタトロンの別名の一つとされる天使名。

   

 イェルミエル

 第一エノク書に登場する天使。

 

 イオフィエル

 ヨフィエル、ゾフィエル、ジョフィエルとも。

 その名は【神の美】を意味する。

 キリスト教における「智天使」の一人。

 メタトロンに随行する天使の一人とされる。終末に7つのラッパを吹き鳴らす七天使のうち、特定されていない3人の候補の一人で、律法トーラーの支配者とされる。

 アダムとイヴを楽園の外に連れ出したとされる天使と言われており、メタトロンの仲間の1人として天使の503軍団を指揮したともされる。

 

 イスラエル

 第三エノク書や天使ラジエルの書になどに言及されている天使。

 名は【神と戦う者】を意味する。

 

 イスラーフィール

 イスレフェル、サラフィエル、イスラフェル、イスラフィルとも。

 イスラム教における四代天使の一人。最後に審判の日に復活のラッパを吹く復活と歌を司る天使で、四枚の翼を持ち頭は七層の天の第七層に、足は七層の大地の第七層に達するとされる。つまり天地と等しい大きさをもつ。

 最後の審判までは地獄を見回る役目があるのだが、地獄で苦しむ罪人を目にすると胸を打たれ、嘆き悲しむ。このときのイスラフィルの涙が、雨なのだという。アッラーフがこれを止めないと、溢れ出た涙が地上に洪水をもたらすのだと信じられている。

 

 イゼゼエル

 第一エノク書に登場する天使。


 イブリース

 エブリス、ハリスとも。

 イスラム教における悪魔王で堕天使。キリスト教のルシファーかサタンにあたる。

 「アル・シャイターン」(かの唯一なる悪魔)とも呼ばれる。名はギリシア語の【ディアボロス】(悪魔)に由来するとも、アラビア語の【ウブリサ】(何も期待しない)であるとも言われている。

 神がアダムを創造し、居並ぶ天使たちに、「ひざまずいてこれを拝め」といったとき、ただ一人イブリースだけがそれを拒んだ。彼はこのために天国を追われ、悪魔の大王となった。

  

 イヤスサエル

 第一エノク書に登場する天使。

 

 イリン

 名は【見張り】を意味する

 ダニエル書にエノク書に見える双子の天使。

 七つの天のうち、第六天、第七天に済むとされる。

 ダニエル書」によれば彼らはグリゴリの一員である。ときに同じく双子の天使たちであるクァディシンとともに審判の天使としてセラフよりも上位に位置づけられ、彼らより偉大で彼らに匹敵するものはいないとされることもある。

 

 イロウエル

 ユダヤ教の天使の一人。

 恐怖を司る天使。

 

 ウブリシ

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 ウラカバラメエル

 旧約聖書外典「第1エノク書」に言及されている、堕天使の一人。背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。アラキバの別称とされることもある。

 

 ウリエル

 ウリエルという名前は、【神の光】、【神の炎】を意味する。

 「神の御前に立つ四人の天使」の一人。「大天使」、「智天使」、「熾天使」とされることがある。

 ヘブライの伝承では『エチオピア語エノク書』で、ウリエルはエノクを天国へ引き上げ、天国の案内役を勤めた。エノク書では、主の天使たちが地上に降り多くの邪悪を働いたため、神はミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルをそれぞれ役目を与え遣わした。そのときウリエルは、ノアに洪水が迫っていることを報せた。エノクはウリエルを七人の大天使の一人とし、タルタロスと世界を見守ると語っている。また、天におけるすべての発光体と地上の運行、気象、自然現象を司る天使としている。

 『ヨセフの祈り』の中で、ウリエルは『わたしは人間たちの中で暮らすために地上におり、ヤコブという名で呼ばれる』と述べる。この言葉の正確な意味は明らかにされていないが、そうなるとウリエルは天使から人間になった初めての者となる。

 『アダムとイヴの生涯』で、ウリエルは焔の剣を持ってエデンの園の門を守る智天使の一人と記されている。

 『ペトロの黙示録』でウリエルは懺悔の天使として現われ、神を冒瀆する者を永久の業火で焼き、不敬者を舌で吊り上げて火であぶり、地獄の罪人たちを散々苦しめるという。最後の審判の時には、地獄の門のかんぬきを折り、地上に投げつけて黄泉の国の門を開き、すべての魂を審判の席に座らせる役割を担う。

 

 エゼクェエル

 アズケエル、エゼキエル、エゼクィエル、エゼケエル、ネクァエル、ヌクァエルとも。

 その名は【神の力】の意。

 神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 エブフエル

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 エルバテル

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 オファエル

 オフニエル、ヤリエルとも。

 月を支配するとされ「月輪の天使」と称される。旧約聖書偽典「第三エノク書」によれば、16の顔と100対の翼と8466の目を持つとされる

 

 オリフィエル

 オリフェル、オルフィエルとも。

 カバラなどに言及される天使の一人。

 大グレゴリウスによれば7人の偉大な大天使の一人。またソロネの支配君主の一人とされることもある

 

 カイリエル

 カイイエル、ハイイエル、ハイイェル、ハイイリエル、ハイヤル、ハイレアルとも。

 その名は【軍隊】意味する。

 ハイヨトの支配者であり、テグリ、ムトニエル、イェヒエルなどとともに野獣を支配する天使だとされる。そう思うだけで「大地のすべてをたちまち一口に飲み込める」、恐ろしい天使であり、奉仕天使たちが決まられた時間に三聖謡を唱えなかったときなどはカイリエルに火のムチで打たれるという。

 

 カカベル

 カウカベル、カバイエル、カビエル、コカビエル、コカブ、コカブリエル、コクビエルとも。

 名前は【神の星】を意味する。

 旧約聖書外典「第1エノク書」や「天使ラジエルの書」などに見える天使あるいは堕天使。

 星と星位を司る天使であり、仲間たちに占星術を享受する職務に就いている。また彼には365,000の奉仕天使が配下にあり、カカベルはこれらの配下に第2天「ラクィア(Raqia)」から命を出すことによって星を運行していたという。堕天した後もこの365,000の奉仕天使は(堕天使として)配下にあるとされる。

 

 ガギエル

 魚を司る天使の一人。

 第六天を守護する天使である。

 

 カシエル

 カスジエルとも。

 中世のグリモアやバレットの「魔術師」、カルデックの「霊の書」などに言及される天使。

 土星の支配者の一人であり、7つの天のうちの第7天である「アラボト(Araboth)」を支配する天使とされる。アークエンジェルに列される。

 

 カスデヤ

 カスダイェ、カスヤデ、ケスヤデとも。

 名前は【覆われた手】、【秘められた力】を意味する。

 旧約聖書外典「第1エノク書」において言及される堕天使の一人。

 神に反逆した200人の堕天使グリゴリの長の一人とされる。人間に「堕胎を含む様々な悪行」を教えたとされる。

 

 ガドレエル

 ガデレル、ガドリエルとも。

 名は【神は我が助け手】を意味する。

 アザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの一員で長の一人とされる。人間に戦うための武器の製造法や使い方を教えるという罪を犯した

 

 カフジエル

 名前は【神の速さ】の意。

 王の死を支配する天使であり、また土星を支配する7人の天使の一人。「ゾハル」によればガブリエルが戦いに赴く時、筆頭補佐官のヒズキエルとともに副官長として付き従うという。パワーに列される。

 

 ガブリエル

 ジブリール、ガウリイルとも。

 その名は【神の人】、【神の英雄】、【神は我が力】

 神の言葉を伝える天使。受胎告知、復活、慈悲、復讐、死、啓示、審判などを司るとされる。特に聖地の死の天使の役割を担っており、モーセを埋葬した天使の一人とされている。

 キリスト教において、最後の審判のときにラッパを鳴らし、死者を甦らせる天使はガブリエルである。

 天の財宝を守る役割を持っており、そこから天国の財政を任されているともされる。エデンの園の統括者であり、七層ある天界の第一天の支配者であり、神の左側に座る者とされる。

 イスラエルの守護天使の一人としても数えられ、火と雷の支配者ともされた。またその流れで「神の処罰者」としての役割も与えられている。右手に正義と真理をあらわす剣を、左手には公正さを表す天秤を持っている。甲冑を身にまとい、バケツ型の兜をかぶっているとも伝えられる。

 またキリスト教では聖母マリアにイエス・キリストの受胎を告知した天使であるとされる。「神の伝令役」の天使であると考えられ、「ヨハネの黙示録」では最後の審判の日を告げるラッパを吹き鳴らす天使(御前の七天使)とされる。

 

 カマエル

 カミエル、カミウル、カムエル、カムニエル、カンセルとも。

 その名は【神を見る者】の意。

 大天使で、十四万四千もの能天使の指揮官とも、一万二千もの「破壊の天使」を率いているともされる。火曜日の守護天使であるともいわれる。

 神の力を象徴しており、神の立てた正義を前提にして、神に敵対する者達を容赦なく攻撃するといわれている。ヤコブと格闘した天使とも、ゲッセマネにおいて受難を予期したイエスを励ました天使ともいわれる。

 その攻撃的な性格から、オカルト教義では堕天使や岩にうずくまる豹の姿をした地獄の悪魔として扱われることがあったとされ、そのことから「赤い豹」という通り名で呼ばれたともいわれる。

 火星に関連づけられ、蠍座(天蠍宮)の天使でもある。

 

 ガリズル

 ガリスル、ガリツル、アクラシエルとも。

 名前は【岩の啓示者】を意味する。

 第2天を支配する天使とされ、火の天使であるハイヨトの炎のような息が奉仕天使達を焼き尽くさないように翼を広げて守っているという。

 

 ガルガリエル

 ガリグルエルとも。

 天使の階級の一つである「ガルガリン」の名前のもとになった天使であり、リクビエルとともに同階級の長とされる。ラファエルとともに「太陽の天使長」とされるほか、旧約聖書偽典「第3エノク書」によれば、サリム(支配天使)の一人であり「太陽の車輪」の天使長であるという。

 

 クァディシン

 クァディスとも。

 名は【聖なる者】の意。

 旧約聖書偽典「第3エノク書」に見える双子の天使。

 同じく双子の天使たちであるイリンとともに審判の天使とされ、ときにセラフよりも上位に位置づけられ、彼らより偉大で彼らに匹敵するものはいないとされることもある。

 

 クシエル

 名は【神の厳格なるもの】の意。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 地獄を統括する天使で火のむちで異教徒を罰するという。

 

 グリゴリ

 エゴロイ、エグレゴリ、ウォッチャーズとも。

 「第2エノク書」に言及される堕天した天使の一群。

 元々グリゴリとは人間を教育する目的で編成された天使の一群で、アダムとエヴァたちの子孫を見張るために地上から降りてきた者達だった。彼らは人間の娘達に魅了され、人間の娘達と結婚し子供を作ろうと考えた。勿論このような行いは神によって禁止されていたが、グリゴリの一員の決心は固く、結局この計画には数十の首長を含む200人の天使が賛同した。それぞれが美しい人間の妻を娶り、子供を産ませたが、この子供たちは背丈が3000キュピット(1350m)もある巨人となった。この巨人の子供達の食欲はすさまじく、人間の作る食糧ではとても間に合わず共食いまで始める始末だった。しかもグリゴリ達は自分の妻たちに武器の製造の仕方や、腕輪などの作り方、男に媚を売るための化粧法や薬物の製造法といった「知恵」を与えてしまった。これによって人間達の間では姦淫や殺し合いが横行するようになり、この罪によってグリゴリ達は幽閉され、神の裁きによってノアとノアの箱舟の乗員以外の全ての人間は洪水によって押し流されるという大惨事を招くに至った。

 堕天した200人のグリゴリの天使のうち、名前がわかっているのは一部である。教皇文書によれば、「グリゴリ」とは実は天使の9階級の、今は無い第10階級を組織する天使達だったとされている。


 ケエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ゲダエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ゲドリア

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、水星の第3の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 

 ケムエル

 シェムエル、セラフィエル、カマエル、イゼオエルとも。

 名は【神の集会】、【援助者】の意。

 セラフの長ないし支配君主の一人とされる。「モーセの黙示録」によれば破壊を司る12,000の天使の指導者とされる。

 

 ケルヴィエル

 ケルヴィヘル、ゼルエルとも。

 旧約聖書偽典「聖書古代誌」やバレットの「魔術師」に言及される天使。

 プリンシパリティーの支配天使の一人であり、その職務をハニエルなどと共有している。「聖書古代誌」ではダヴィデの教導天使として登場する。

 

 ケルビエル

 ケルビエル・ヤハウェとも。

 キリスト教やユダヤ教における天使の一人。

 天上の階級の第二階級であるケルブの語源となったとされる天使で、ケルブの支配天使とされる。旧約聖書偽典「第3エノク書」によれば、ケルビエルの身体は燃え盛る石炭で満ちており、聖なる冠を戴き、両肩に栄光シェキナの弓があるとされる。

 

 コカヴィエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、水星の第3の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 

 コカビエル

 コアハビアトとも。

 惑星の霊名を与えられた7人の天使の一人である。

 

 コクマヒエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、水星の第3の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 

 ザアフィエル

 名は【神の憤怒】を意味する。

 破壊の天使の一人。

 暴風を支配する天使ともされる。

 

 サヴァニア

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、水星の第3の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 

 ザヴェベ

 ザクィエルとも。

 シェミハザとともに神に逆らい地上に降り、人間の娘と結婚した、堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ザカラエル

 ザカリエルとも。

 名は【神の記憶】を意味する。

 ゲオニムの教義やカバラなどで言及される天使。

 アークエンジェルまたはパワーに列される天使であり、7つの天のうちの第2天である「ラクィア」をラファエルとともに支配する天使とされる。

 

 サキエル

 サチエル、ザドキエル、ツァドキエルとも。

 名は【神を覆うもの】

 水を司る天使とされる。

 ユダヤ教では七大天使の一人、キリスト教の智天使の一人とされる。

 西洋占星術ではサキエルは木星に結びつけられた。そこから、射手座、木曜日、富、慈善事業などと関連づけられる。

 

 ザグザゲル

 ザグザガエル、ザグンザギエル、ザムザキエルとも。

 名前は【神の光輝】を意味している。

 モーセの魂を天に運ぶよう、ガブリエルやミカエルと共に命を受けた天使の一人。

 律法と智恵を司る天使であり、天使達の教師として70の言語を話すという。モーセに神の名前を教えた天使ともされる。

 

 サスニギエル

 サガンサゲル、サスニエル、サスネサギエルとも。

 「平和のために任命された」セラフの一人とされる。知恵の天使とされる。

 メタトロンの数多くある名前の一つともされる。

 

 サタナイル

 サタナエル、サラミエル、サトマイルとも。

 「第2エノク書」においてアザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの一員。

 また「第2エノク書」によればサタンの元々の名前であり、サタナイルはグリゴリの長であったという。ただし、他の記述ではサタナイルはこの大罪を犯す前にもすでに神による処罰を受けていたとされる。

 

 サタレル

 サルタエル、エルタエルとも。

 名は【神の側】を意味する。

 アザゼルやシェミハザなどの天使とともに神に反逆したグリゴリの一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ザドキエル

 ツァドキエル、ジデキエル、ザタキエル、ゼテキエルとも。

 名は【神の正義】を意味する。

 ラビ文献や「旧約聖書」民数記に言及される。終末に7つのラッパを吹き鳴らす御前の七天使のうち、特定されていない3人の候補の一人であり、ドミニオンの指揮官とされる。

 生命の樹のケセドの守護天使である。 他にも、「主天使の長」、「木星の天使」、「慈善・慈悲・記憶の天使」などの肩書きを持つ。

 

 サハクィエル

 名は【神の創意】を意味する。

 空を司る天使。

 四十九万六千もの天使達を従え、第四天を支配している。

文献の少ない天使であり、「第三エノク書」によれば、「七大天使」の一人であるという。

 

 サハリエル

 アスデレルとも。

 旧約聖書偽典「第2エノク書」においてアザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの一員。

 月の満ち欠けやその運行に関する知識、またシリア文字による呪縛魔術(金縛り術)などの知識を人間に与えたとされる。

 

 ザバーニーヤ

 その名は【乱暴に突く者】を意味する。

 『クルアーン』に登場する天使で、地獄の管理者たちのことである。

 19人存在し、彼らの長は地獄の監視者マリクである。マリクやその部下たちは神から地獄の管理を任された忠実で高潔な天使たちであり、キリスト教の地獄に住むような悪魔ではない。

 地獄の業火にあえぐ罪人たちを責め苛むことを仕事とし、彼らに慈悲を乞うても、決して許されることはない。ただし、地獄にあってもなおアッラーを讃える者だけは、ザバーニーヤの手から逃れることができるとされる。

 

 ザフィエル

 にわか雨の天使。

 

 ザフキエル

 ツァフキエル、ヤフキエルとも。

 その名は【神の番人】を意味する。

 ユダヤ教の伝承に伝えられる天使の一人。

 生命の樹のビナーの守護天使であり、座天使の指導者ともいわれる。

 

 ザフキアル

 ザフキエル、ザフィエル、ゾフィエルとも。

 名は【神の知識】、【神の意識】を意味する。

 ソロネの指揮官とされる、終末に7つのラッパを吹き鳴らす御前の七天使のうち、特定されていない3人の候補の一人。


 サブラエル

 サブリエルとも。

 ガブリエル、パズリエル、アスルリュなどとともに地位を分担する天使で、7つある天の第1天の支配者の一人とされる。

 また御前の七天使の一人ともされる。

 

 サマエル

 サミル、サタニル、セイル、サルマエルとも。

 名は【神の毒】、【神の悪意】という意味。

 セラフに属する。

 時として堕天使の一人とされたり、サタンと同一視されたりすることもある。これは彼が「死」を担当する天使だからである。

 天国、現世、地獄で行動する霊の中で最も邪悪で最も崇高、つまり善でもあり悪でもある天使である。「ヨハネの黙示録」においては12枚の翼を持つ大いなる蛇であり、堕天する時に「太陽系を引き寄せた」という。

 モーセの魂を天に運ぶとき、ガブリエル、ミカエル、ザグザゲルがその役目を神から命じられたが三人ともこれを断ったためサマエルがこの役目を果たすこととなった。任務を与えられたサマエルは喜んでモーセの魂を迎えに行ったが、モーセの輝く顔に目が眩んで手ぶらで戻ってきてしまい、神の怒りを買ってしまう。サマエルは再びモーセのもとに向かうが、今度は逆に杖で打ち据えられて盲目になってしまったという。また、アダムとイブに子孫の作り方を教えたのもサマエルだとされる。

 

 サマンガルフ

 サマンガロフ、サマンゲロフ、スムングルフ、セマンゲロフとも。

 エヴァが出現する以前に、リリスがアダムの元を去ったとき、リリスを連れ戻すために神によって遣わされた3人の天使の一人。

 

 サムサペル

 サムサヴェル、シャムシエルとも。

 旧約聖書外典「第1エノク書」によれば、神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 サリエル

 スリエル、サラカエル、ザラキエル、ゼラキエル、サラキエルとも。

 名は【神の命令】の意。

 大天使であり、死を司る。

 エノク書によると七大天使の一人。

 神の前に出る事を許された十二人の天使(御前天使)の一人。

 神の玉座近くにはべる権利を持ち、神の意志を執行する司令官の役割を持つ。一説では医療に精通していて、癒す者として認知されていた。その説によると、サリエルはその力を駆使し、ラファエルの右腕として働いていたという。

 エノク書によれば、サリエルの任務の一つは霊魂を罪にいざなう人の子らの霊魂の看守である。人間がその魂を汚すことを防ぐという役目から死を司る天使ともされる。一説には大鎌を持ち、死者の魂を狩ると言われている。また、悪の道に走った天使の罪を量り、堕天させる役目を持ち、時にはこれまで堕天させた仲間を想い、血の涙を流している。

 もう一つの役目が月の支配であり、これが堕天使と見なされる理由である。月は古代人にとって非常な霊力を持つものだった。日中に頭上で輝く太陽に比べて、暗い夜を照らしてくれるのは月であり、しかも満ち欠けという不可思議な性質がある。これは古代の人々にすれば創造、成長、衰退、破壊という全ての生物の宿命を象徹しているようであった。、月は潮の干満を支配することから、生死は月の霊力によって支配されていると考えられた。

 魔力を持つ月の統制権を得たサリエルが神への反逆者と糾弾されるのは、エノク書の中で月の秘密を人間に教えたと記されたからに他ならない。月の秘密とは、月が生命の誕生や死亡に密接に関係している魔力を指すと推測されている。月の運行に関する知識を人間に教えて堕天する彼は優雅に、何も語らず、自らの意志で堕ちたとされる。

 そしてサリエルの象徴は鍵である。この鍵が意味するところは諸説あるが、恐らく魔術との深い関係がありそうだと意識され、一層サリエルのイメージは月に似て神秘的となる。

 サリエルは邪視(邪眼・魔眼)の元祖と目されている。邪視とは一瞥で相手を害する事が出来るもので、見ただけで身動き出来なくさせたり、死に至らしめる強大な魔力である。そのためか、この天使の名が書かれた護符は邪視から逃れる効力があるとされる。

 

 サルタエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ザレブサエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 サンダルフォン

 名は【兄弟】、【共通の兄弟】を意味する。

 ユダヤ教の大天使の一人。

 メタトロンの双子兄弟ともされ、メタトロンに代わって七大天使の一人として数えられたり、メタトロンの異名の一つとされる事もある。

 天国の歌を司るのが職務とされる他、ミカエルと共にサタンと戦う役割を持つともいわれる。

 預言者エリヤが生きながら昇天してサンダルフォンとなったという。

 第五天マティを支配する天使で、天に達するほど巨大な姿の巨人だとされる。

 罪を犯した天使たちを永遠に閉じ込めておく幽閉所の支配者でもあり、誕生を控えた胎児の性別を決める天使とされる事もあり、女性とする説もある。

 

 シェムハザ

 シェミハザ、シャムハザイ、ヤムヤザ、セミアザ、シャマズヤ、シェムヤザ、アメズヤラク、アマザレクとも。

 堕天使の一人で、グリゴリの指導者の一人。

 シェムハザという名は、「シェム」【名】の意と「アザ」の合成で、天使アザまたはウザ【強さ】の意の名が転じたものとも言われる。

 「救いの天使」であるとされる。

 『セーフェル・イェツィラー』によると、他の天使は幻視でしか見ることができないが、シェムハザは物理的に見ることができる可能性があるとされている。

 神に逆らった罪により七層の天界の牢獄として利用されている「第五天」に他のグリゴリと共に幽閉されている。元々シェミハザはこの反逆の計画に反対していたが、結局多数意見に押されて首謀者の一人となってしまったとされている。全ての悪意ある魔法使いの生みの親とされる。

 

 ジブリール

 ユダヤ教、キリスト教におけるガブリエル。

 「誠実なる霊」、「我等が霊」、「聖なる霊」などと称される。イスラム教の教祖ムハンマドに唯一神アラの言葉を啓示し聖典「コーラン」を書かせた。ガブリエルは女性的な天使とされるがジブリールは男の天使とされる。ジブリールは一般的に王冠をかぶり背に翼の生えた男として描かれる。場合によっては背中ではなく腕と胴体の間に翼が生えている姿で描かれることもある。イスラム教でもっと重要な神殿である、メッカのカーバにおいて北東の角に立っているとされる。

 

 シマピシエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 シムキエル

 旧約聖書偽典「第3エノク書」に言及される天使。神が指名した破壊の天使たちの長であり、人間を浄化し、裁きを執行する役目を担っているとされる。


 シャトクィエル

 ユダヤ・キリスト教における天使の一人。旧約聖書偽典「第3エノク書」などにその名が見える。御前の七天使の候補の一人であり、天の第五層を護衛する天使達の支配者とされる。

 

 シャフィエル

 旧約聖書偽典「第3エノク書」などに登場する天使。7つの天のうちの第3天である「シェハクィム」をバラディエルとともに支配する天使とされる。

 

 シャムシエル

 シムシエル、シャムシェル、シャシエル、シャムシャエルとも。

 名は【日の光】、【神の強き太陽】を意味する。

 神に反逆した200人の堕天使長の一人とされ、人間に「太陽の宮」を教えるという罪を犯した。

 

 ショフティエル

 名は【神の裁き】を意味する。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 

 スティエル・ヤハウェ

 旧約聖書偽典「第3エノク書」に言及される天使。メルカバの8人の支配君主のうちの一人とされ、第3エノク書に拠ればメタトロンより上位とされる天使で、メタトロンはスティエル・ヤハウェと道で出会ったときは馬から降りるという。

 

 セネゴリン

 旧約聖書偽典「第3エノク書」において言及される天使群に対しての名称。メタトロンを長として1800名の擁護天使で構成される。

 

 セノイ

 サヌイ、シヌイとも。

 エヴァが出現する以前に、リリスがアダムの元を去ったとき、リリスを連れ戻すために神によって遣わされた3人の天使の一人。

 悪魔となったリリスはセノイを恐れており、セノイの名を刻んだ護符はリリスから幼児を守るのに効果を発揮するとされる。セノイの名は「偽シラク書」や「天使ラジエルの書」にも見える。

 

 セミル

 サムイルとも。

 名は【神のことを聞く】を意味する。

 エノクに天上を見せるため、ラスイルとともにエノクを翼に乗せて天まで運んだとされる。ユダヤの伝承においては地上を支配する天使とされる。

 

 セラフィエル

 キリスト教における天使の一人で、天上の階級の最高位セラフの名の起源となった天使でセラフの指揮官。ただし、イェホエルなどの他の天使が指揮官とされる場合もある。

 

 ゼルエル

 ゼロク、ゼロエルとも。

 名は【神の腕】を意味する。

 名前の通り、力強い天使で戦場では頼りになる存在である。

その昔、アモリ人との戦いで、神に命じられセネツという人間にゲテルという天使と共に加勢した。

アモリ人とは、簡単に言えばユダヤ人の敵対者でその数は二万人にも上るという。

そのアモリ人達をセネツは二人の天使の力を借りて打ち倒したのであった。

因みにゼルエルは力の中でもとりわけ「兵力」を司る天使。

 

 ソコディア

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、金星の第1の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使のうちの一人。

 

 ゾフィエル

 ザフィエルとも。

 名は【神の密偵】を意味する。

 ザドキエルとともに、ミカエルが軍旗を携え戦いに赴く時随行した天使の隊長であるという。ケルブの支配君主の一人とされる。またときに堕天使ともされることもある。

 

 ソフィエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、月の第4の五芒星にヘブライ語で名を記されている2人の天使のうちの一人。ハーブや鉱石が秘めている力について知識を与えてくれるとされる。

 

 ソフェリエル・メハイイェ

 ソフェリエル・ヤハウェ・メハイイェ、ソフェル、ソフリエルとも。

 名は【神の名の運び手】という意味。

 メルカバの8人いる偉大な天使長の一人とされる。ソフェリエル・メメトとともに生者と死者を記録する名を任じられた天使の帳簿係である。

 

 ソフェリエル・メメト

 ソフェリエル・ヤハウェ・メミト、ソフェル、ソフリエルとも。

 名は【神の名の運び手】という意味。

 メルカバの8人いる偉大な天使長の一人とされ、ソフェリエル・メハイイェとともに生者と死者を記録する名を任じられた天使の帳簿係である。

 

 ダニエル

 名は【神は我が士師】の意。

 旧約聖書外典「第1エノク書」に言及される堕天使。

 また魔術書「レメゲトン」にも記載されており、元はプリンシパリティーの階級にいた天使。

 地獄で法律家たちに権力をふるうという。

 

 ダネル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 タブリス

 ユダヤ教の天使の一人。

 

 タミエル

 タメル、テメル、タムエルとも。

 名は【神の完璧性】を意味する。

 旧約聖書外典「第1エノク書」においてアザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの一員。

 星の観察方法を人々に知らしめた天使とされている。

 

 タリアハド

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、太陽の第7の五芒星にヘブライ語で名を記されている、水を象徴する天使。

 

 タルエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ツァフクィエル

 ツァフクイエル、ツァフキエルとも。

 名は【神の瞑想】を意味する。

 「ゾハル」やカバラなどに言及される天使。

 セフィロトの第3セフィラ「ビナ(理解)」のインテリジェンス。

 10人のアークエンジェルの第3位に位置する。

 

 テグリ

 トゥリエルとも。

 名は【牡牛の神】を意味する。

 キリスト教の「使徒教父文書」の一つ「ヘルマスの牧者」や旧約聖書偽典「第3エノク書」などに出てくる天使。

 カイリエル、ムトニエル、イェヒエルなどとともに、獣を支配する天使とされる。

 

 トゥトレシエル

 ストゥトラヤとも。

 名は【突き刺す神】の意。

 旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。

 メタトロンの数多くある名前の一つともされる。

 

 トゥバトル

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 トゥマエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 トゥラトゥ

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 トゥルエル

 エノク書に登場する天使。

 

 トゥルヤル

 エノク書に登場する天使。

 

 トゥレル

 トゥラエル、トウリエル、トゥリエルとも。

 名は【神の岩】の意。

 キリスト教や神秘学における堕天使あるいは天使の一人。

 旧約聖書外典「第1エノク書」によれば神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ドビエル

 ドゥビエルとも。

 名は【熊の神】を意味する。

 キリスト教における天使の一人。

 「新約聖書」マタイ伝やタルムード「ヨマ」などに言及される。70の諸民族にそれぞれいるとされる守護天使のうち、名前が明らかになっている四天使の一人で、ペルシアを守護するとされる。

 ガブリエルがドビエルにとの勝負に負けたとき、ガブリエルの代わりに21日間天上の職務を果たしたという。

 イスラエルの守護天使であるミカエルを除く全ての守護天使が民族の偏見のため堕落したとされるため、当然ドビエルも堕天したと考えられる。

 

 ナアリリエル

 ナアルとも。

 旧約聖書偽典「第3エノク書」に言及される天使。

 7つの天のうちの第7天を護衛する天使とされるほか、メタトロンの数多くある別名の一つともされる。

  

 ナキール

 イスラム教において「ムンカル」とともに死者の審判を行うとされる黒い天使。

 数キロにも及ぶ巨大な天使であり、黒い目と火の舌を持った恐ろしい顔つきをしており、その声は雷のように轟くという。

 死んだ人間に詰問を行い、その結果信仰が認められればその者の魂は楽園へと導かれるが、彼らの意にそぐわない返答であった場合、その人の肉体は巨大な鉄の棒で打たれ、その魂は地獄に送られ審判の日まで拷問を受けなければならない。

 

 ナタナエル

 クサタニエル、ザタエルとも。

 名は【神の贈り物】の意。

 ユダヤの伝説などに登場する天使。

 火と復讐、秘事を支配する天使であり、6番目に作られた天使だという。また「レメトゲン」によれば6時をつかさどる天使だとされる。

 セラフの支配君主の一人とされる。

 

 ナレル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ナンガリエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、金星の第1の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使のうちの一人。

 

 ヌカエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ノアフィエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」に言及される、土星の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 招霊にあたっては「申命記」の10章17節「汝の神は神の神主の主大にして、かつ権能ある畏るべき神にましまし、人を偏り視ずまた賄賂を受ず」を唱えることが推奨されている。

 

 ノガヒエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、金星の第1の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使のうちの一人。

 

 バササエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ハシュマル

 カスマル、ハイヤとも。

 名は【神そのもの】の意。

 ユダヤ教、キリスト教における天使の一人。

 「タルムード文献」や「エゼキエル書」に言及される。

 ドミニオンの指揮官とされる天使の一人。

 

 ハスデヤ

 エノク書に登場する天使の名。

 

 パズリエル

 シドリエルとも。

 旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。

 ガブリエル、サブラエル、アスルリュなどとともに地位を分担する天使で、7つある天の第1天の支配者の一人とされる。

 

 バタレル

 バタラアル、バタリエル、バダリエル、バトラエル、バタルヤル、メタエルとも。

 名は【神の力】を意味する。

 キリスト教や神秘学における堕天使あるいは天使の一人。

 旧約聖書外典「第1エノク書」に言及される神に反逆した200人の堕天使「グリゴリ」の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ハドラエル

 バタルニエル、ハダリエル、ハドリエルとも。

 名は【神の威厳】を意味する。

 天国の第2の門を警護する門番の天使。

 ハドラニエルの身長はカムエルより60万パラサング(1パラサング=約5.6km)高く、サンダルフォンより「500年の行程だけ」低いという。

 天使たちでさえ知らない秘密や知識について書かれているとされる「天使ラジエルの書」の存在についてアダムに語っている。

 グノーシス主義ではイェホエルの7人の部下の一人とされる。

 メタトロンの数多く存在する名前の一つともされる。

 

 ハニエル

 アナエル、アニエル、アリエル、アニィエル、アウフィエル、ハナエル、ハミエルとも。

 名は【神の栄光】、【神を見る者】

 ハニエルは権天使と力天使の序列を支配し、金星、十二月、天蠍宮と双魚宮を支配する。

 神秘主義の十の生命の樹では第七のセフィロトに宿るとされる。

 魔術において、ハニエルは寵愛を勝ち取るために呼び出される。また、彼は愛と美を支配しており、愛情、平和、調和を増やす呪文に出てくる。


 バラキエル

 バラクエル、バラクィエル、バルキエル、バルビエル、バルディエルとも。

 名は【神の雷光】を意味する。

 人間の女性と交わることを誓い、ヘルモン山に集まった200人の天使たちの頭の1人とされている。

 人間に占星術を教えたとされる。

 堕天使のリストの9番目に挙げられている。

 

 バラティエル

 アタフィエル、アタピエル、アタティエルとも。

 旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。

 7つの天のうちの第7天「アラボト」を護衛する。

 「三本指の頂点」の一人であり、三本の指で点を支えることができるという。

 

 バラディエル

 ユルケイ、ユルケモ、ユルケモイとも。

 ユダヤの伝説や旧約聖書偽典「第3エノク書」などに登場する天使。

 御前の七天使の候補の一人。

 7つの天のうちの第3天である「シェハクィム」をシャフィエルとともに支配する天使とされる

 

 ハロン・ペオル

 ユダヤの伝承に見える天使。

 アフ、ケゼフ、マシュヒトとともに破壊の天使とされる。

 

 ヒズキエル

 カバラ文献に言及される天使。「ゾハル」によれば、ガブリエルが戦いに赴く時、副官長であるカフジエルとともに筆頭補佐官としてガブリエルに仕える天使だという。

 

 ファマエル

 バルク黙示録に登場する天使の名。

 

 ファヌエル

 名は【神の御前】の意。

 旧約聖書外典「第1エノク書」などに言及されている天使。

 神の御前の天使の中でもとくに重要な4天使の一人とされることもあった。アークエンジェルに列される。

 

 ブアル

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能の天使の一人。

 

 フォルラク

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、太陽の第7の五芒星にヘブライ語で名を記されている、大地を象徴する天使。

 

 プシエル

 プルエル、プリエルとも。

 名は【神の火】の意。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 

 フトリエル

 名は【神の杖】の意。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 

 ヘエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ベカ

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ペネムエ

 ペネメ、ペネムとも。

 旧約聖書外典「第1エノク書」においてアザゼルやシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの一員。

 堕天する前は子供たちを守護する役目を担っていた。

 人間に紙とインクの製造方法と筆記法を教えたとされている。

 また人間の子供たちに苦さと甘さ、そして知恵の秘密を教えたのもペネムエだとされる。

 

 ヘマ

 ユダヤにおいて怒りと家畜の死を司る天使。

 アフ、ケゼフ、ハロン・ペオル、マシュヒトとともに破壊の天使ともされる。

 アフとヘマは兄弟の天使であり、二人とも背丈が500パラサング(約2800km)もあったという。

 アフとともにモーセをに見込もうとしたことがあったが果たせず、逆にモーセに殺されたとされる。

 

 ヘルエムメレク

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ヘロヤセフ

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ボエル

 ボウル、ボオエル、ボヘル、ドヘルとも。

 名は【神はその人の内に在り】の意。

 何層かに分かれた天上の第一天に住む7人の高位のソロネの一人とされ、地上の4隅を開ける4つの鍵を管理しているという。

 この鍵は天使たちが「エデンの園」に入るために必要になる。

 

 マシュヒト

 マシトとも。

 名は【破壊者】の意。

 子供の死と懲罰を司る。

 アフ、ケゼフ、ハロン・ペオル、ヘマとともに破壊の天使ともされる。

 また「ゾハル」ではアフ、ヘマとともに偶像崇拝、殺人、近親相姦といった罪を犯した者たちを地獄で罰する3人の一人である。

 

 マスティマ

 マステマ、マンセマットとも。

 名は【敵意】、【増悪】を意味する。

 この天使は、神のためにサタンに近い任務を果たし、すなわち人間を害し、また誘惑する事で神への忠誠心を試みる存在であるとも言われている。

 その意義においては、人間の信仰心と善性を見極めるための必要悪の存在であり、まぎれもなく神に帰属する者と言われている。

 マスティマは悪魔の大軍を配下に所有しているが、神によって完全に管理されている。

 エジプト脱出の時、逃げるユダヤ人を追う悪魔たちを押し止めるために、神はマスティマの天使軍を派遣した。


 ミカエル

 ミハイル、マイケル、ミハエル、ミヒャエル、ミシェル、ミゲル、ミケーレ、ミカ、ミーカール、ミキャエル、ミヒル、ミシャエル、ミヒール、ミハーイ、ミカエラ、ミハウとも。

 名は【神に似たるものは誰か】、【誰が神のようになれようか】、【神に似た者】、【神の如き者】を意味する。

 ユダヤ教・キリスト教における四大天使の一人。終末において七つのラッパを吹き鳴らす天使の一人。

 鞘から抜かれた剣と天秤によって象徴され、四大元素の「火」、四方位の「東」と知性、「慎重」という美徳を司る。

 イスラエルの守護天使ともされる。

 時代を通じて常に天使のトップに君臨する天使として認識されている。

 もともとはカルデア人の間で信じられていた神の一人だったと考えられている。

 神に付き従う第一の従者のような存在であり、ヴァーチャーやアークエンジェルの指揮官だと考えられている。

 また「神の御前のプリンス」、「慈悲の天使」、「正義の天使」、「聖別の天使」など多くの称号を持っている。

 「ヨハネの黙示録」において、サタンを倒し、底なしの淵に封印したのはミカエルとされている。

 ミカエルは「最後の審判の天使」であり、終末において人間の魂を秤にかけ、罪と善行を裁くという役目を担っている。

 キリスト教では死の天使としても知られ、「永遠の光」で人の魂を読み取り、善きキリスト教徒の霊を救うとされる。

 

 ムトニエル

 キリスト教の「使徒教父文書」の一つ「ヘルマスの牧者」に言及される天使。

 野獣を支配する職務をカイリエル、テグリ、イェヒエルなどと共有している天使とされる。

 

 ムンカル

 イスラム教において「ナキール」とともに死者の審判を行うとされる黒い天使。

 数キロにも及ぶ巨大な天使であり、黒い目と火の舌を持った恐ろしい顔つきをしており、その声は雷のように轟くという。

 死んだ人間に詰問を行い、その結果信仰が認められればその者の魂は楽園へと導かれるが、彼らの意にそぐわない返答であった場合、その人の肉体は巨大な鉄の棒で打たれ、その魂は地獄に送られ審判の日まで拷問を受けなければならない。

 

 メタトロン

 ミトロン、メトラトン、メタラオン、メラトンとも。

 名は【王座に侍る者】を語源としている。

 終末に7つのラッパを吹き鳴らす七天使のうち、特定されていない3人の候補の一人。キリスト教では詳細不明のミステリアスな天使とされているが、ユダヤ教、特にカバラ思想を掲げる「セーフル・ハ・ゾハル」の信奉者達の間では「神の代理人」として重要視される。

 人間と神を直接繋ぐ役目を担っているされ、神の書記官サンダルフォンとは双子の兄弟とされている。

 生命の樹の第一及び第十のセフィラを守るとされている。

 また、自分に背く者たちを串刺しにしたという逸話がある。

 

 メルエヤル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 メルケエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ヤヘル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」において、月の第4の五芒星にヘブライ語で名を記されている2人の天使のうちの一人。

 

 ヨムヤエル

 ヨミアエル、ヨミエルとも。

 名は【神の日】の意。

 旧約聖書外典「第1エノク書」によれば、シェミハザなどとともに神に反逆し、天国から追放された200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ラカニエル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」に言及される。

 土星の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 招霊にあたっては「申命記」の10章17節「汝の神は神の神主の主大にして、かつ権能ある畏るべき神にましまし、人を偏り視ずまた賄賂を受ず」を唱えることが推奨されている。

 

 ラグエル

 ラグイル、ラスイル、ルファエル、アクラシエル、スリアンとも。

 名は【神の友人】を意味する。

 「神は我が光」、「地球の天使」、「光の世界に復讐する者」などの称号を持っており、天使が堕天使にならないように監視する天使だと考えられている。

 エノクが天国を訪れた際に彼が案内役を担ったとする説もある。

 また、『ヨハネの黙示録』ではラグエルは神の命令で終末のラッパを吹き鳴らし、地上に過酷な天罰をもたらす存在として描かれる。

 

 ラジエル

 ラツィエル、サラクァエル、アクラシエル、スリエル、ガリズルとも。

 名は【神の秘密】、【秘儀の天使】の意。

 御前の七天使のうち、特定されていない3人の候補の一人。

 天界と地上における全ての秘密を知っているとされ、それを1500項目に渡ってまとめた書物「セファー・ラジエル」を携えているとされる。

 このラジエルの書は宇宙の全てを網羅し、奇跡や魔術を可能にするとされているが、ラジエルだけが分かる秘密の文字で綴られており、人間はおろかラジエル以外の天使にさえ解読は不可能とされている。

 ラジエルはエデンの園を追われたアダムとイブに同情し、この書をアダムに与えた。

 その後嫉妬に駆られた天使たちによって書は奪われ海に捨てられてしまったが、海を支配する天使ラハブが神の命によって探し出し、無事にアダムに返された。

 その後エノクが「エノク書」を書くために利用され、次いでノアが箱舟を作るためにこの書を手にした。

 またその後アブラハムの手に渡り、その一部がエジプトで教えに用いられ、文明の進歩に一役買ったとされる。

 またまたダヴィデの手を経て最後にはソロモン王がこの書を手にした。

 ソロモンが人間を超越した魔術師となったのもこのラジエルの書によるところが大きいと言われている。

 ソロモンの死後この書がどこにいったかは分かっていない。

 

 ラドゥエリエル

 ラドウェリエルとも。

 メタトロンより上位とされる天使の一人であり、詩と記録を司る天使だとされる。

 ラドゥエリエルは天使を創造する特権を与えられており、ラドゥエリエルが口から言葉を発するとその言葉の一つ一つが天使になるのだという。


 ラハティエル

 名は【燃え上がる者】の意。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 

 ラハブ

 名は【暴力】を意味する。

 新約聖書や旧約聖書の「ヨブ記」などに見える怪物めいた天使。

 海を支配する天使であり「原始の海の王子」と称され、世界と等しいほど大きな蛇の姿をしていたと考えられている。

 神の天地創造の際に世界中の水を全て飲み込むように命じられたが、これに反抗したため神に蹴り殺され、堕天使となった。

 ラハブの死骸はひどい悪臭を放つようになったので、神はその死骸を深い海の底を沈めたという。

 また別の伝説によればラジエルがアダムに与えた世界の全てが書かれた秘書「セファー・ラジエル」が妬み深い天使によって奪われ海に捨てられた時、ラハブはこれを探し出しアダムに返したとされる。

 

 ラビエル

 ユダヤの伝承などに見える天使名。

 元々ラファエルの名前はラビエルであったが、神の人類創造の命を承ったときラファエルに改名したのだという。

 この神の命に従わなかった天使は焼かれてしまったとされる。

 

 ラファエル

 イスラーフィール、ラビエルとも。

 名は【神は癒される】、【神の熱】の意。

 ユダヤ教・キリスト教における四大天使の一人。終末において七つのラッパを吹き鳴らす七人の天使の一人。

 炎の剣によって象徴され、四大元素の「風」、四方位の「西」と理性、「正義」という美徳を司る。

 元々はバビロニア南部のカルデア人によって信仰されていた神格であり「ラビエル(Labbiel)」と称されていた。

 旧約聖書外典「第1エノク書」のギリシャ語写本には「人間の霊魂を司るもの」と説明されている。また他にも「癒しを行う輝ける者」、「エデンの園の“生命の木”の守護者」などと言われ、外科医や医者を守護する天使とされる。

 また巡礼者を守護するともされ、杖と水筒を持つ旅人の姿で描かれることもある。

 「旧約聖書」の「創世記」にはラファエルがヤコブを祝福するに至った経緯が記されている。

 ヤコブが故郷に向けて旅をしていたとき、知らない者があらわれていきなりヤコブにレスリングを申し込んだ。

 腿の関節が外れてもヤコブはその人を離さなかった。ヤコブはその者が天使であることがわかっていたからだ。

 ラファエルはヤコブに「イスラエル」の名を与え祝福し、腿を治療して元通りにしたという。

 また高齢になってから割礼を受けたアブラハムを癒したのもラファエルとされている。受動的で母性的な能力を象徴するラファエルは女性として絵画にかかれることも多い。

 

 ラブシ

 カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

 

 ラミエル

 ラムエル、レミエル、ラメエルとも。

 名は【神の雷霆】の意。

 幻視を支配する存在であり、その力で地上の人間に神からのメッセージを伝えるとされている。

 

 ラムエル

 ラマエル、ラミエルとも。

 旧約聖書外典「第1エノク書」によれば、神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 ラメエル

 ラムテルとも。

 旧約聖書外典「第1エノク書」によれば、神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長」の一人とされる。

 

 リクビエル

 ソロネやガルガリンの長とされる。

 またメルカバに列されることもある。

 神の戦車の車輪に任命された天使の一人で、「第1エノク書」の教説によればメタトロンよりも高位の天使であるという。

 

 ルシファー

 ルキフェルとも。

 名は【光を与える者】の意。

 旧約聖書「イザヤ書」などに見える天使。

 イザヤ書には「お前は天から落ちた/明けの明星、曙の子よ」という文章が出てくるが、これによって後世ルシファーは堕天した者と考えられ、サタンの堕天する前の天使としての名だとされた。

 だが実際この文はバビロニア王ネブカドネツァルに呼びかけたものであり、今では誤読だと考えられている。

 ルシファーはミカエルと双子の兄弟とされることがあり、またミカエルと姿を同じくして浅黒い肌を持つとされる。

 

 ルマエル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 ルムヤル

 エノク書に登場する天使の名。

 

 レリエル

 名は【神の夜】の意。

 『ゾハール』では出産を見守り、守護する女性的な天使であり、子供が生まれるとその子の運命を予言するという。

 しかし、ユダヤの伝承では男性的な天使とされることもあり、預言者アブラハムを助けて王たちと戦ったといわれる。

 また、夜を司ることからしばしば悪魔的な存在とみなされることもある。

 

 ロエルハイファル

 魔術書「ソロモンの大いなる鍵」に言及される、土星の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。

 招霊にあたっては「申命記」の10章17節「汝の神は神の神主の主大にして、かつ権能ある畏るべき神にましまし、人を偏り視ずまた賄賂を受ず」を唱えることが推奨されている。

 

 ログジエル

 名は【神の憤怒】の意。

 「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム」に言及される7人の懲罰の天使の一人。

 

 

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