PROLOGUE
テトラス大陸の国王同士が大陸征服を目論み戦の絶えない戦乱の世。平和を望む世は国王の野望とは対称に、流れる血で溢れている。
炎龍に乗るセトもまた戦に身を投じる者の1人だった。
「行くよフィリア! ラマール軍に火炎をお見舞いしてやろう! 」
「あ、暴れるでないセト! 分かっておる! ……火炎流星群!!」
セトを背に乗せた炎龍フィリアは力を溜め、鋼鉄よりも硬い翼、そして全てを噛み砕く鋭い牙の生えた口から無数の火炎玉を放ち、ラマール軍に浴びせた。
ラマール軍は火炎玉を浴び、200もの兵が餌食となった。
「炎龍に怯むな!! 進め!!進めー!!」
『うおぉーっ!!』
ラマール軍はこちらの軍勢へ進軍を続ける。
「まだやれるかいフィリア?」
「誰に言っておるセト! 妾はこれしきで音を上げたりはせぬ!」
フィリアはセトをを乗せたままその場に飛び続ける。ラマール軍を見下ろすと、軍勢の背後には緑色の龍が見えた。
「奴らにも龍姫がいたのか!? ……僕達でアイツを倒すぞ!」
「分かっておる! 奴は恐らく草龍じゃ。……しっかり妾の背に掴まるのだぞ!」
フィリアは龍の雄叫びを上げ、ラマール軍の草龍へと向かって行った……