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碧~深き記憶~  作者: 美彩
はじまり~桃~
9/9

始動

「次は、さっきテレビ局で、栄斗達が聞き込みしたこと話してくれるかな?」

「OK!と言っても・・・ねェ・・・」


栄斗くんが伊藤さんに目配せをする。


「悠兄さん。ごめん。全く収穫なかったんだ。誰も彼女のことを見てないって言うんだ。部屋に入るのも廊下を歩いているのも・・・」

「僕が聞いて回っても誰も知らないって言うんだから・・・多分本当に誰もみて見ていないんだと思うよ~~。」


二人の言葉を聞いてみんな静まり返った。

テレビ局という場所柄、沢山の人が働いていて、その中で誰も私を見ていないということは考えられない。

ましてやあんなパジャマみたいな格好の人間が歩いていたら目立たないわけがない。


「それは・・・不思議だね。蒼弥や栄斗に尋ねられて答えない人もいないと思うし・・」


何かを考え込むように顎に手をやり目を伏せる鶴野さんはまるで彫刻の様で思わず見惚れてしまう。


「突然現れたとか?おおお!SFの世界だ!!!」


テンションUPの栄斗くんに周りも呆れながら笑っている。


「まあ、栄斗の言うことは置いといて現状だけを考えるとちょこちゃんの手掛かりは全くない状態だね。そうすると手掛かりは着ていた服と、あのテレビ局の楽屋って事になるね。」


まるで推理小説の中の名探偵のように鶴野さんが苦悩の表情を浮かべるけど、その姿はとても美しい。

答えが出る訳もなく時間だけが刻刻と過ぎていく。


「兄さん。いつまでも考えてても仕方ないだろ?取り敢えずチョコちゃんにはここに住んでもらって、徐々に調べていくしかないだろ?部屋はいっぱいあるんだし」


ニッコリと微笑み鶴野さんの肩を金城さんが優しく叩く。ポンポンと・・・・

それを受け鶴野さんも頷き名探偵を辞めると柔かに皆を見回した。


「じゃ、作戦開始だ。まず、健と光でちょこちゃんの身の回りのもの買ってきてくれる?流石に下着とかは無理だろうからそれは後でちょこちゃんと買いに行くとして・・・今必要なものから頼む。」

「OK!」

「分かった。」

「じゃ、頼んだ。」


それから・・・と唇に人差し指を当て鶴野さんがまた考え込む。

この人はとても慎重派なのかもしれない。考え込むたびに色気を放出するのはどうかと思うけど・・・


「帝はちょこちゃんにこの家のことを教えてあげて。先ずはこの家で僕達のお世話をしてもらうから其の辺の事も」

「了解。」

「僕と栄斗はちょこちゃんの部屋の準備をしよう。じゃ、皆宜しく。」


鶴野さんの一言で皆がそれぞれ動き出す。私の新しい生活のために。そこから始まる何かに私も皆も運命の渦に巻き込まれていくとも知らずに・・・・・


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