街歩き(尖沙咀)
基本は金曜日更新にしようと思います。
ただ、月1になるか月2になるかは、その月の状況次第になります。
重慶大厦(チョンキンマンション)。
入口で一旦立ち止まり、ビルを見上げる。
うん。壁だな、もはや…。
香港にしては低層の建物なんだろうけど、年季の入った壁や窓は、なんか歴史を感じる。
マンションと名がついてるだけあって、部屋数も多いのが一目でわかる。
聞いた話だと、中は複雑な構造になっている…らしい。
上層階にはゲストハウスもあるって。
大きなスーツケースを持った人が次々と中に入っていく。
2階までは行ったことがあるけど、それ以上は……。
まぁ、ね…。
本当に寝るだけの広さで、シャワーがあって、お湯が出るなら当たりって……本当か?
まぁ、家賃が高い香港で格安で泊まれるんだ。その辺りは妥協するんだろうな。
もちろん、自分で確かめる気はないけど。
入口の人だかりとか、最初は何かあったのか?って思ったな。でも、ここではそれが普通だ。
みんな色んなところで話に夢中になってる。
そんな人の合間を縫うように建物の中に入っていく。
今回の目的は両替だ。
ここにはたくさんの両替店が入っているから、レートを見比べられる。
フロアをざっと見て回るが…。
結局、いつも入口の白い店で換金することになるんだよ。
お札を渡すと、すぐ機械に差し込んで両替してくれる。
レシートと共にそれを受け取り、一歩横にずれて記載されてる金額と合っているのか、その場で数える。
これだけはその場で数えないと。後ろに人が並んでようが関係ない。
うん、大丈夫だな。
そもそも最近は機械処理だし、間違うはずがない。でも、最後は自己責任だ。
現金をカバンにしまい、店員さんに手を振って店を離れた。
それにしても、よくあんな狭いところで仕事できるな。
前後はほぼ移動できない。手に届く範囲に全部あるって、一人暮らしの部屋かよ。
でも、入口に近いから、外が見れるってだけで気分転換になるんだろうな。
まぁ、俺が気にすることでもないか。
さて、現金も手に入ったし…。
「あ、とりあえずは水か」
水を持って出るの、忘れてた。
確か、この先にスーパーがあったはずだ。
そんな事を考えながら、歩行者信号が変わるのを待つ。
急に、甲高い電子音が耳に飛び込んできた。
早く渡れって言われてるような速さだ。
しかも爆音。
日本の歩行者信号って……優しいよな。
いつも思うけど、ここの横断歩道って横幅広い。
しかも、信号が変わったと同時に人がいろんな方向へ歩き出す。
でも、不思議とぶつからないんだよな。
ぼーっとしていたら、もう一段、音が速くなった。
“ほら、走れ”って言われてるな、これ。
分かったって…。
慌てて横断歩道を渡った。
人となんとかすれ違えるのか?というぐらいの幅しかない階段を降りていく。
結構、地下にあるスーパー多いけど、搬入大変そうだよな。
たまに見かけるけど……俺はやりたくないな。
重い荷物持って階段の登り降りなんて。でも、筋トレだと思えばいいのか?
そんな事を考えながら店内を奥へ進む。地下特有の少し空気が重い感じ。これ、日本にはない気がする。
もしかしたら、それも気のせいかもしれないが。
冷蔵庫からペットボトルの水を一本取り、レジへ向かう。
いつもならセルフレジを使うんだけど…。
今日は有人レジに向かう。
オクトパスカードで支払い、再度オクトパスカードを見せる。
100香港ドル札も渡すとすぐにチャージしてくれた。
今はスマホにオクトパスカードをのせられるけど、言語が得意ではない俺にとって、カードを見せれば察してくれるのは楽なんだよ。
それにしても、海外のペットボトルってキャップ薄くないか?心配になる。さほど抵抗もなく開いたペットボトルの水をごくごくと飲む。
思ってたよりも喉が乾いてたみたいだ。
そう言えば…なんか小腹も空いてきたかも。
階段を登り切ると、正面に人だかりが。
「ちょうどいい」
車の間を縫って、小走りで道を渡った。
近寄ると、食欲をそそる匂いが漂う。
店の前にいる人たちの手には、串だったりカップだったり。その場で竹串を使って器用に食べている人も。
俺も何か食べるか。
街中でよく見かけるが、ここは揚げ物屋…なのか?
ガラスケースには色んな串がずらっと並んでいる。種類が多すぎて目移りする。
「う〜ん、なんにするか……」
一見、なんの食べ物か分からないものもあるんだけど。
まぁ、並んでるってことは食べられるんだろうな。選んでる間にも、隣では何人も注文を済ませて商品を受け取り去っていく。
回転率良すぎじゃないか?
まぁ、食べれるならなんでもいいか。
パッと目についた串を指差して一本注文すると、すぐにフライヤーに入れて揚げてくれる。
おばちゃんにオクトパスカードを見せると、向こうって指をさされた。
了解って頷いて会計を済ませると、もう揚がってるんだが。
相変わらず早いな。
紙袋に入れ、その上から胡椒をかけてくれる。
心の中で「もっとかけてくれていいんだぞ」と思いながらも、やっぱり胡椒控えめな揚げ物を受け取った。
店から数歩離れ、早速紙袋を開けると、スパイシーな匂いが食欲をそそる。
一口かじると口の中に旨みが広がって、思わず笑みがこぼれた。
これだよ、これ。
この、癖になる胡椒。
前にスーパーで胡椒を買って帰ったんだけど、なんか違ったんだよ。
あの胡椒、売ってくれないかな。
さて、腹も満たされたし、もう少しこの辺りをぶらぶらするか。
食べ終わった串をゴミ箱に捨て、来た方向とは反対へ歩き出した。
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