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転生悪役令嬢とヤンデレ魔術師のゆるっとやり直し生活(希望)〜今世は大聖女ですが気楽に生きてみせますわ!〜  作者: 碧野葉菜


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6-13

「そうだったんですか? ガネット?」


 パトリックが問いかけると、ガネットは三角座りの膝の上で、キュッと握り拳を作った。


「……いし……」

「石?」

「綺麗な石があったから……お兄様にあげたら、喜んでくれるかなと思って……」


 ガネットの答えに、ナターシャはやはりと頷き、パトリックは軽い衝撃を受けた。

 ガネットは日々、いろんな場所を歩き回っては、アリストになにかいいものを持ち帰れないか探している。

 そんな時、チミチミ池の端っこに光る石を見つけて、喜んで取りに行った。が、足を滑らせて見事に池にはまってしまった、というわけだ。

 小さな子供が親に贈り物をするのと同じように、ガネットはアリストに感謝の気持ちを伝えたかった。だけど、それだけじゃない。

 こんなに役立たずでは、いつかまた捨てられてしまうのではないかと……そんな恐怖心がガネットの根底にはあった。


「そう、あなたはとてもがんばったんですわね。だけど、それでアリストは喜びましたか?」  


 ナターシャの質問に、ガネットはふるふると首を横に振った。


「け、結局取れなかったし」


 綺麗な石はガネットと一緒に池に落ちてしまい、どこにいったかわからなくなってしまった。

 だが、問題はそこではない。

 ガネットは勘違いしているのだ。

 アリストが喜んでくれなかったのは、なにもプレゼントできなかったから。

 アリストが少し怒って見えたのは、迷惑をかけてしまったせいだからだと。

 その間違いに気づいたナターシャは、ガネットに真実が伝わるよう、ある質問を投げかける。


「もし、アリストが大怪我をして、あなたにとても綺麗な宝石を持って帰ってきたとしたら、あなたは心から喜べますか?」


 それを聞いたガネットは、は? とでも言いたげな顔つきでナターシャを見た。

 ガネットの恩人であり、尊敬するアリスト。そんな大事な人が大怪我をするなんて……ガネットは想像しただけでも胸が苦しくなった。


「……な、なに言ってんの、そんなの絶対嫌に決まってるでしょ、宝石なんかよりもお兄様の方が大事――あ……」


 ガネットは自分が漏らした本音に、大切な答えが含まれていることに気づいた。

 言葉を切って、真実に至るガネットを、ナターシャは温かな気持ちで見守る。

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