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転生悪役令嬢とヤンデレ魔術師のゆるっとやり直し生活(希望)〜今世は大聖女ですが気楽に生きてみせますわ!〜  作者: 碧野葉菜


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1-5

 前世に断罪された原因、それを取り除けば、きっと新しい未来が開けるはずだ。

 前世の『ナタリー』は『セシル』に陥れられるほど憎まれていた。

 ナターシャはその理由がすぐにわかった。

 ナタリーは貴族の娘で、女でありながら戦で活躍する女傑のような存在だった。

 剣の特訓などを通して、騎士たちと親しくなり、ほとんどの時間を彼らと過ごしていた。

 ナタリーの功績は素晴らしく、王を含む多くの男たちに気に入られていたのだ。

 貴族令嬢らしく読書にいそしみ、室内で過ごすことが多かったセシルは、そんなナタリーに強い嫉妬を抱いたのだろう。

 住まいが近く、同い年の貴族令嬢ということもあり、周りから比較対象にされることが多かったのも、その一つの要因かもしれない。

 そして今世では、素質検査の一位二位通過者として出会った二人。

 セシリアは自分より期待されているナターシャを妬み、親しいふりをして意地悪を仕掛けてきている。

 つまり、生まれ変わってもなお、同じ状況が起ころうとしていたのだ。

 このままではまずいと悟ったナターシャは、今世では絶対に目立たないと決めた。

 その日から、ナターシャはひたすら出来の悪い聖女見習いを演じた。

 幼い頃は優秀だったのに、伸び悩んで期待外れもいいところだと、そう思われるようわざと仕向けた。

 そしてその甲斐あって、魔力テストで最低値を叩き出し、祝、聖女不合格となったのだ。

 これですべてが上手くいくわけではないだろうが、一番の問題は回避できたはず……とナターシャは思っている。

 自分は追放、セシリアは大聖女。これだけ差があれば妬まれはしないだろう。

 ――くくく……ふふふ……おーっほっほっほ!!

 外に声が漏れないよう、ミュートで高笑いするナターシャ。

 この笑い方も前世と変わっていない。

 ナターシャの前世……ナタリーの二つ名は『豪傑の悪役令嬢』。

 前世の貴族婦人たちの間で流行っていた、ライトノベルなる読み物の中に登場する悪役令嬢。

 そのキャラクターにナタリーが似ているということで、そんな通り名がつけられてしまった。

 ナタリー自身は本に興味がなかったため、ライトノベルも知らなければ、なぜ自分がそんなふうに呼ばれているかもわからなかったが。

 ナタリーの外見や所作は、確かに悪役令嬢のそれに等しかったので、『豪傑の悪役令嬢』という呼び名がものすごくマッチしていた。

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