表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢とヤンデレ魔術師のゆるっとやり直し生活(希望)〜今世は大聖女ですが気楽に生きてみせますわ!〜  作者: 碧野葉菜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/309

1-4

 そんなわけでナターシャは、親や国の期待をも背負って修道院入り。

 そして、そこでセシリアに出会った。

 ……が、だからといってすぐに変化が起きたわけではない。

 素質検査で一番反応がよかったナターシャと、二番目に反応がよかったセシリア。

 将来有望と言われた二人は、すぐに打ち解け、立派な聖女になるために切磋琢磨し合った。

 そんなある日、ナターシャが修道院の庭の草むしりをしていた時だった。

 後ろからセシリアに「ナターシャ」と名を呼ばれた。

 その瞬間、ナターシャは、ふと疑問に感じた。

 自分は本当に『ナターシャ』なのだろうかと。

 そう感じたのをきっかけに、突然キイィと耳を刺すような高い音が響き、みるみるうちに記憶が蘇ってきたのだ。

 本当になんでもない日常の最中に、突然流れ込んできたそれに、ナターシャは驚嘆した。

 そして同時に、愕然とした。

 なぜって、ナターシャの脳裏に一番最初に浮かんだビジョンは、親友であるはずのセシリアが、自分を貶める場面だったからだ。

 いや……正しくはセシル、だ。

 現世でセシリアと呼ばれている彼女は、前世ではセシルという名だった。

 この記憶が蘇った時、ナターシャはまだ六歳で、同い年のセシリアもまだ幼女だった。

 それでも、頭の映像の中にいる女性が、成長したセシリアであると、ナターシャは理解できた。

 ――ああ、そうですわ、かつてわたくしは『ナタリー』だった。濡れ衣を着せられ、断罪された……。

 ナターシャが自分が何者であるか、を知ったところで、遠くから駆け寄ってくるセシル……セシリアに気づいた。

 彼女はにっこりと微笑み、ナターシャってばほんとに草むしりが好きなのね、と言った。

 記憶が蘇る前のナターシャなら、適当に流すか、そうかもしれないなんて、相手に合わせて頷いていたかもしれないが。

 ――いや……いやいやいやいや、別に好きじゃないですわよ……!?

 記憶が戻った途端、ナターシャはセシリアに対する違和感に気づいた。

 出会ってから……いや、再会してからというべきか、一年ほどの間、なんの疑問も持たずに接してきたが。よく考えてみれば、引っかかる点が多々ある。

 草むしりは最初、一緒にしようと話をしたはずなのに、いつの間にかナターシャの役割になっている。

 その他にも、皿洗いや掃除など、地味な仕事は全部ナターシャに押しつけてきた。しかも、それをあたかも自分がやったかのように、指導者の聖女に報告していたのだ。

 ――ナターシャは私の親友などと言っておきながら、なんという腹黒さ……前世と同じですわね……!!

 自身を欺き、断罪に導いた張本人を前に、ナターシャは怒りに震えた。

 そして復讐をちか……おうとした時、いや、ちょっと待てよと、もう一人の自分が止めに入る。

 別世界か、違う時間軸か知らないが、以前の自分が断罪されたのは確かだ。

 しかし、それは過去の話。終わったことを引きずって、今世まで不幸にするのか。

 ナターシャはよく考えた。

 今の自分の状態は、信じ難いが、おそらく転生している……ナタリーの記憶を持って、ナターシャに生まれ変わっているのだ。

 だとすれば、せっかく与えられた第二の人生、変な奴らに振り回されるよりも、楽しく生きた方がいいのでは? 

 いや、むしろ……楽しく生きる道しかありませんわ!!

 ナターシャはそう結論付けると、破滅エンドを回避すべく、策を練ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ