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転生悪役令嬢とヤンデレ魔術師のゆるっとやり直し生活(希望)〜今世は大聖女ですが気楽に生きてみせますわ!〜  作者: 碧野葉菜


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4-3

 なぜ、ナターシャがこんな行動を起こしているかというと、もちろんガネットを探すためだ。

 ガネットはいろんなところを探索していると団員から聞いた。晩餐会にも参加しなかったので、ナターシャと遭遇した後も、館に戻らず違う場所に行った可能性が高い。

 となれば、方法は一つ。

 ティルバイト内をひたすらに探すしかない。

 広さすら把握できていないこの地を、どこまで確認できるかわからないが、時間が許す限りやろうとナターシャは決めた。

 幸い、仮眠を取っていたため、まだ全然眠くない。むしろバキバキに覚醒しているくらいだ。

 しかも、ナターシャの部屋は館の角にあるため、出入り口の扉がすぐ近くにある。

 バスルームも近いし、ずいぶんいい場所を与えてくれたものだと思いつつ、ナターシャは館の扉を押し開いた。

 その瞬間、ナターシャは思考を止めて目を見開いた。

 眼前に広がる景色に、本来の目的が吹き飛ぶ。

 星や月も見えない、漆黒の夜空の下、清廉な光を放つ銀色の葉をつけた樹木たち。

 そしてそれを支える紫の土は、昼間の毒々しさが嘘のように、アメジストのように輝いていた。

 辺りが暗いことにより、さらに煌めきが増したようだ。日が高い時間帯とはまた違った、特別に美しい表情を見せる風景に、ナターシャの目は釘付けになってしまった。

 ――こんな世界が、この世にあっただなんて……。

 金や赤のような派手さはないが、心が落ち着くような幻想的な麗しさだ。まるで夢でも見ているような心地になる。

 もっとそばで見てみたいと思ったナターシャは、アメジストのような地面を歩き、木々に近づこうとした。

 ――その時。


「あ」


 どこからか、少し間の抜けたような声が聞こえた。

 ナターシャは幻想世界に浸ってぼんやりしたまま、なんとなくゆっくりとそちらを振り向く。

 すると、遠巻きにカチッと目が合う。

 館の裏側にあたる壁を背に、地面に三角座りをした、フードを被った白い肌の――。

 それが誰なのか理解した刹那、ナターシャは一気に現実世界に引き戻された。

 ――ま、ま、ま、まずいですわ……!!

 本来の目的を思い出したナターシャは、悲鳴を上げそうになるのを耐えながら、額に汗を滲ませ顔を引き攣らせた。

 まさかこんな時間に、こんな場所で、一番会いたくない相手に遭遇してしまうなんて。

 なぜ一番会いたくないかというと、そりゃあアリストがここで最も偉い人物だからだ。

 ティルバイトの領地の主であり、ロッドベリル魔術団長、権力者である彼に能力がバレたら、王に連絡が行くのも早いだろう。

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