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第47章 ― 過去の戦い、そして敗北

ジョアナは椅子から立ち上がり、深く息を吸った。

そして、静かに語り始めた。


「……私たちは、何世代にもわたって“刻印者”との戦いを繰り返してきました。

けれど――一人として完全に“滅ぼした”者はいません。」


部屋の空気が重くなる。騎士たちは口を閉ざし、彼女の言葉に耳を傾けていた。


「なぜ彼らが悪魔との契約を交わすのか……その理由は、いまだに分かっていません。

自らの意志なのか、それとも強制されたのか……誰も答えを知らない。」


彼女の視線は、会議の長机の向こうに座る三人の重傷を負った老騎士たちへと移った。


「皆も覚えているはず。

――第一の刻印者との戦いを。」


場の空気が張り詰める。


「当時、私たちは彼を討つため、三人の熟練した聖騎士を送りました。

戦いは苛烈を極め、我々は勝利寸前まで追い詰めた……。

だが、彼は“封印”のひとつを解放し、その力で三人を打ち倒したのです。」


その時の絶望が、部屋に静かに広がった。


「彼はそれ以来、攻撃的な性格を露わにし、常に我々“聖十字”と敵対するようになった。

我々の多くが命を落とし、彼の力を恐れるようになったのは、あの戦いからです。」


重傷を負いながらも生き残った三人の聖騎士たちは、顔を伏せて黙っていた。

その背中には、深い悔しさと無力さが刻まれていた。


ジョアナの言葉が、再び静寂の中に落ちていった。


「……だからこそ、私たちは知らなければならないのです。

“封印”の意味を、そして彼らが何を背負っているのかを。」



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