表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/65

第43章 – 聖都サンタの帰還

ジョアナは、瀕死の状態で聖都「サンタ」へと帰還した。

治療院で数日間、手厚い治療を受けながら、彼女は戦いの余韻と向き合っていた。


身体の痛みよりも、心に残る喪失の方が深かった。

報告書を書く前に、彼女は一つの場所へ向かう決心をする――エリアスの妹が暮らす孤児院だった。


静かな午後、ジョアナは孤児院の扉をノックし、少女の前に膝をついた。

「エリアスは、最後の瞬間まで人々のために祈り、戦い、そしてあなたのことを想っていました。」


その言葉を聞いた瞬間、少女は声を押し殺して泣き始めた。

大切な兄を失い、この世界にたった一人残された悲しみが、彼女の小さな身体からあふれ出した。


ジョアナは、少女をそっと抱きしめた。

「もう一人じゃない。あなたを私の娘として迎えたい。

エリアスの犠牲を無駄にしないために、私はあなたを精一杯守り育てます。」


窓の外には、夕日が差し込んでいた。

赤く染まる空の下で、二人の静かな誓いが交わされた。


それは、新たな物語の始まりだった。

かつて誰かの祈りが彼女を支えたように、今度は彼女が誰かの光となる番だった。



---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ