第18章 — 灰に響く理由
警報の鐘の音が、狭い路地にこだましていた。
その音は絶望的で、乱れた響きだった——まるで鐘の青銅さえも、もう手遅れだと悟っていたかのように。
主人公は、まるで刑の宣告を恐れぬ死刑囚のように、静かに小道を歩いていた。
乾いた血が衣服にこびりつき、彼が何をしたかを雄弁に物語っていた。
アリアはその後を追い、目を見開いて叫んだ。
「何があったの? 何をしたの!?」
彼は何も答えなかった。
だが、街が——街そのものが彼に代わって答えた。
中央広場から一団の衛兵が現れた。
その先頭には、部分的な鎧を身にまとい、怒りに燃える目をしたセルヴァがいた。
「お前たちは護送隊を全滅させたな」彼女は怒鳴った。
「証拠も焼き払った。それは正義ではない。テロだ。」
主人公は一歩、前へ踏み出した。
アリアはその腕を掴んで止めようとした。
「待って! 説明できるはず、私たちまだ...!」
「もう説明など必要ない」セルヴァは言った。
「この街がお前を裁く。そして…残されたお前に、神々の慈悲があるように。」
周囲には、冒険者たちが衛兵の側に加わっていた。
かつて酒場で笑っていた者たちが、今や何のためらいもなく剣を構えていた。
主人公は退かない。
構えることさえしない。ただ、静かに立ち上がった。
その右目の封印が脈動し始める——ゆっくりと、しかし確かに。
「やめて!」アリアは叫んだ。
「一人じゃ無理よ! 相手は何十人もいるのよ!」
だが、彼の心はすでに決まっていた。
最初の一撃は、両刃の斧を持った戦士からだった。
主人公は紙一重でそれを避け、剣をその男の膝に、そして喉に突き刺した。
二人目は叫ぶ暇さえなく倒れた。
混沌が爆発した。
槍、魔法、叫び声、鋼、炎。
彼の一歩一歩が、死を引き連れていた。
セルヴァは拘束の魔法で制止しようとしたが、彼は人間離れした冷静さでそれを避けた。
重装備の三人の男を飛び越えて、一気に倒した。
アリアは叫んだ。
「やめて!
みんな殺す気なの!?
彼らに罪はないのよ!」
だが、もう彼には届かなかった。
長い間封じ込められていた原始の獣が、意識の奥から目覚めたようだった。
本能。反応。本能的な復讐。
彼は剣を油の樽に投げ込み、それは爆発して火の柱を上げた。
広場が炎に包まれていく。
衛兵は後退した。
冒険者たちは逃げ出した。
市民は、何が起きているかもわからずに走り出した。
そして…彼は禁忌を犯した。
自らの血を使って、広場の地面に炎の封印を発動させた。
それは古く、禁じられた印。破壊の円陣。
炎が壁のように立ち上がる。
家々が燃え落ちる。
街が、悲鳴を上げた。
アリアはその場に膝をつき、それを見ていた。
そして初めて…彼の隣に自分を重ねることができなくなった。
——考えてなどいない。
——ただ、動いているだけ。
——破壊するしか、彼にはできないのかもしれない…
涙は出なかった。
そこにあったのは、ただの虚無だった。
主人公は瓦礫の中に立っていた。
アリアの方を見た。
その目には、憎しみも、悲しみもなかった。
ただ、「そうするしかなかった」という確信だけがあった。
そしてそれが、アリアにとって何よりも——恐ろしかった。