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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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092 龍愛の眷属 中心国の異形討伐をする

 みんなと話をしているとあっという間に時間が過ぎ基地に到着した。


 飛行機を降り、祓川が出迎えてくれた人に「飛行機はちょっと待っていてくれ。すぐ戻るから成田まで頼む」と頼んだ。

 頼まれた方は目を白黒した。500メートル級怪物をちょっと待つ間に討伐できるのだろうかと思った。一応機体を整備して待っていることにした。


 降りて来た人達は劉特務機関員と大型ヘリに乗り込んで飛び立って行った。


 劉はすぐパラシュートを装着。

 劉のヘッドホンに機長の「すぐ上空です」との声が聞こえる。


 16人が次々に飛び降りる。ヘリの乗員は目を丸くしている。最後に劉がパラシュートで降下した。

 機長は十分離れて見学することにした。

 

 劉がパラシュートで落下しながら見ていると16人はいつのまにか得物を握っていた。四つ足異形は落ちてくる二足歩行に気がついた。立ち上がって、迎え撃つつもりのようだ。


 16人と二匹が異形に殺到する。

 異形は前脚を振って叩き落とそうとした。肩口に4人で斬りかかられ腕を切り落とされた。あっという間に両腕がなくなった。8人の仕業である。


 さらに次から次へと落ちてくる8人に胸から下へ同じところを斬り下げられる。

 500メートル級異形のさしもの厚い皮膚、筋肉なども徐々に深く斬られ最後は塩井阿闍梨の錫杖が胸腹腔内まで到達し縦型切腹状態になった。臓器がはみ出る。


 仕上げに黒龍と黄龍が口から熱塊を切腹の傷口の胸の辺りと下腹部の辺りに射出した。

 熱塊は体内に入り体内で大爆発を起こし爆砕された臓器の成れの果てなどが傷口から飛び出して来た。異形は後ろに倒れた。即死である。


 黒龍と黄龍は熱塊の威力を調整して貫通させず体内で爆発させることが出来て、宗形マネージャーの足下に行って褒めて褒めてと尻尾を振っている。宗形に撫でられて大満足である。


 劉はまだパラシュートで降下中である。すぐスマホを取り出しヘリを呼んだ。勿論ヘリは上空で異形が倒されるのを見ていたから、劉が着地しパラシュートを片付けたらすぐ降りて来た。


 劉が異形の死亡を確認。

 16人と二匹、劉がヘリに乗り込み基地に帰投した。

 基地はヘリから討伐完了と連絡を受けていた。ずらりと並んで出迎えて最敬礼した。


 祓川が「討伐完了。確認してくれ。俺たちは帰る」と基地司令に話しかけた。

「機体整備に1時間ほどください。その間どうぞ中でお茶でも」


 基地司令は副官に接待を任せヘリで現場に飛んだ。

 上空から確認。両前脚は肩口から切り離されている。体は胸から腹へ縦に長く斬られパックリと開いて中はほとんど空であった。全て周りに飛び散ったようだ。


 ヘリからパラシュートもつけず飛び降りて、パラシュートをつけた劉が着地するまでの間にこの状態にした。討伐隊は人ではないだろう。背筋が寒くなった。


 すぐ基地に戻って、中央の軍部に報告。党本部にも報告した。現場写真とヘリから撮ったビデオも送った。飛び降りるところから討伐後、討伐隊を拾うとこまでである。


 党本部と軍本部には心胆を寒からしめる討伐結果であった。すぐ討伐費用を振り込もうとしたらどこにも反対する男がいる。男は実は海外に資産を隠し持っていた。接収されるのを恐れたのである。空中にコップが出現した。反対した男の口が開いてしまう。コップの液体を流し込まれた。男は飲んでしまった。手足がぴくっと動く。


「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ、よいよいよいよい」


 手をヒラヒラさせながら、意味のわからない呪文のようなものを延々と繰り返し唱え、涙を流しながら党本部を踊り回っている。止まらない。

 涙を流しているので意識は正常のようだ。


 踊りを目の当たりにした党本部全員がリューア様のご機嫌を損ねると「えらいこっちゃ」踊りを意思に関係なく踊り出して死ぬまで止められないのではないかと恐ろしくなってすぐ討伐費用を振り込んだ。

 討伐隊は四つ足怪物より怖いと思った。


 やがて男は死んだが、解剖の結果、体内からは何も毒物が検出されなかった。呪文を唱えながら死ぬまで踊り続ける恐ろしい神毒であった。


 燃料補給などを終えた国営航空機。討伐隊を乗せて出発した。基地の人は最敬礼で見送った。


 劉がお礼を言う。

「みなさん、ありがとうございました。大ダムも無事で我が国は救われました。どうぞごゆるりと夕食にしてください」


 夕食は特別に作らせて基地まで運んでおいた中華料理である。老酒も出た。

 塩井阿闍梨が老酒を飲んでみる。

「これはよく熟成してあるな。口当たりが柔らかだ」


「お分かりですか。故郷から特別に取り寄せました。市場には出ていません。日本人はすぐ紹興酒、紹興酒と言いますが、紹興酒以外にもおいしい老酒があります」


「劉さんの故郷のお酒か。老酒であっても普通はもっときつい。トゲトゲしている。これはまろやかで旨い」


「俺には違いがわからないが」

 秡川が余計なことを言う。

「未熟者め」


 劉とキャビンアテンダントも入り宴会になってしまった。赤ちゃんの時から老酒を飲んでいた劉と龍愛の眷属は酔っ払わないからいいが、キャビンアテンダントはすっかり酔っ払ってしまった。接待で飲まされたといえばいいのだろう。


 成田に到着して、大使以下が再び飛行機のドアのところまで出迎えた。最敬礼である。


 大使を先頭に入国ゲートを素通り、灰色車両まで見送ってまたまた最敬礼である。

 灰色車両は白バイの先導で高速を突っ走る。途中で秡川たちの車両と別れて、山城稲荷神社組は武蔵西南市を目指す。

 途中めんどくさくなって、黒龍と黄龍が灰色車両ごと高速の出口まで転移させた。しばらく走って稲荷神社の階段下に着いた。


 灰色車両と別れて稲本さんの家に行き、お茶だ。劉もいる。


 お茶を一杯飲んだら、黒龍と劉と皆殺し愛子と銃オタが劉の国の誰もいない草原に転移して行った。劉が日本に持ち込んだ191型5.8mm自動歩槍QBZ-191と92式手槍QSZ-92-5.8の試射である。


 誰もいない草原で、皆殺し愛子と銃オタが小銃と拳銃を撃ち放題である。すぐ弾丸がなくなった。劉と黒龍が近くの基地に行って大量の弾丸と小銃と拳銃を二丁づつ仕入れて来た。劉は偉いらしい。試射を再開。二人は十分堪能した。

 小銃と拳銃は皆殺し愛子と銃オタに進呈した。大量の弾丸付きである。劉は再度基地に行って弾丸を強奪して来て自分の収納袋に収納した。


 みんな満足して神社に戻った。

 ルーシーは舞と一緒に国に帰った。黄龍が送って行った。舞は数日泊まってくるらしい。


 そのころ財務大臣は銀座のクラブにいた。お気に入りのチャイナ服姿の女性を侍らせて、服のスリットに手を入れた。冷たい声が頭上から降って来た。


「わかっているわね。4口座にわが国から入金されたお金は税金等全て処理済み」


 大臣は震え上がった。前回まで少しぐらいスリットから手を入れてもにこにことしていた女性が冷酷な声で告げた。この女に何を話したか。不味い。非常に不味い。4口座とはどこかできいたような。そうだ。北の大国だった。今度はこちらか。ますますアンタッチャブルだ。


「承知した」

 頭も股間も冷え冷えとしてしまった大臣である。


 財務省

 愛人との密会時間まで仕事と称して残っていた事務次官に一本の電話がかかってきた。政変があったと噂の某大国の党本部からであった。


「次官か?」

「そうです」


「これから連絡する4つの口座について、すべての税務処理等は済んでいる。貴国が心配することは何もない」


 4口座の情報がSMSで次官の非公開の、妻も知らない、誰も知らない、女性との密会用電話番号に送られてきた。電話番号は北の大国の件があってすぐ変えたにも関わらず知られていた。いつか来た道である。


 国税庁長官。税に関する噂がある企業の社長から銀座の会員制クラブで極秘に接待を受けている。両手に花である。クラブにはベッドもある。非公開のクラブの電話に長官宛の電話があった。


「お楽しみですね。これからいう4口座は税務処理等全て終わっているので貴国が心配することは何もない」


 いつか聞いたことがある4口座が告げられた。クラブの極秘の連絡用メールアドレスにもメールが届いていた。差出人は某大国の党本部であった。


 国税庁長官は萎えた。そそくさとクラブを後にした。


 翌日、4銀行の頭取、社長は再び悪夢に見舞われた。

 個人口座に入金された金額が一日としては異常である。調べると例の口座である。振り込み人は中心国である。

 ライバル行に連絡した。どこも同じである。知らんふりをすることにした。

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