082 壱番国のIGYOを討伐する
夕食になってもレナード室長は起きてこなかった。だいぶ疲れていたらしい。
夜10時半頃円と明日香がやって来た。榊原の婆さんも部屋から出て来た。レナード室長も起きて来た。
稲本夫人が夜食を作ってくれたので宗形がバングルに収納。
龍愛とドラちゃん、ドラニちゃんがやって来た。
「夜食、夜食」と龍愛がうるさい。
「向こうに行って退治してからね」
「早く行こ」
頃合いはいいか。
「じゃあ行こう。ドラちゃんお願い」
外でドラちゃんが大きくなる。
「みんな乗って」
宗形、円、明日香、勝婆さん、稲本夫妻が乗る。
夜食、夜食とうるさい龍愛が乗った。黒龍、黄龍も乗った。
レナード室長は始めてだ。おっかなびっくりドラちゃんの背に登った。
「行くよ」
ふわっとドラちゃんが浮き上がる。街が小さく見えるまで高度をとった。すぐ大きくなったドラニちゃんが傍に浮かんできた。
「よっしゃ。今回はステルスドラちゃん、ドラニちゃんだ。出発」
あっという間に高空へ。レナード室長はドラちゃんにへばりついている。
「大丈夫だよ。バリアが張ってある。風もこない、レーダーに捉えられない」
言われて風が来ないことに気がついた室長。周りを見渡す。だんだん明るくなって来て下を見ると海だ。もう昼になってしまった。そして朝になる。
「着くよ」
下で砲火が見える。戦車みたいだ。ひっくり返され潰された。
「ドラちゃん、口上。こちらはIGYO対策室 室長 レナード ブライトマンである。龍愛神様にIGYOの討伐をお願いした。すぐ引け。引かなければドラゴンが押し潰す」
空から声が降って来たと見上げる戦車隊員。優に50メートルを超えているようなドラゴンが2頭飛んでいる。慌てて下がった。
「行きますか」
宗形たちは飛び降りた。
レナード室長を小さくなったドラニちゃんが引っ掴んで戦車隊の後方へ下ろした。
「それじゃあ、円と勝婆さん、明日香と稲本さん、私と稲本奥さんで一体づつ担当。終わったら夜食。レッツゴー」
棒、日本刀、小太刀、直刀が舞う。あっという間に討伐完了。首も落としておく。
ひっくり返った戦車は切り刻んで隊員を助けた。もちろん宗形医師が応急手当てをした。
「弱い。つまらん。ハワイで食事をしよう。レナード室長、初穂料はよろしく。宿泊代はいらないわ。食事代と交通費も一緒に振り込んどいてね。戦車隊員救助はサービス」
ドラちゃんに乗ってハワイ着。
ハワイで食事をしてゆっくりして、ドラちゃんとドラニちゃんはシン様の元へ戻って行った。龍愛も一緒に消えた。
「まったくどこの神なんだか」
帰りは黒龍と黄龍が転移で連れ帰ってくれる。
消費した時間は実質ハワイで遊んだ時間のみであった。
朝、口座を確認すると初穂料他が振り込んであった。レナード室長はちゃんと仕事をした。
数日したら壱番国大使館員がレナード個人と戦車隊員個人からの初穂料を持参して来た。もちろんありがたく受け取った。
黒龍と黄龍がレナードと戦車隊員に龍愛の加護付きのお守りを渡しに行ってくれた。信者だから簡単に見つけられると言っている。黒龍と黄龍は超優秀。駄犬ではないことがわかった。




