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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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078 舞とルーシー 大学に進学する

 日原鍾乳洞からの帰り道、のんびり100キロ程度で走る。


「舞よ、大学はどこへ行くんじゃ」

「祓川さんが手が足りないから帝都大学の医学部を受けろとうるさいんです」

「いいんじゃないか」


「でもほとんど講義は出られないと思います」

「特進させてもらえ。どうせ知っていることばかりだ」


「それとルーシーがこちらに来たいと言っています」

「一緒に大学を受ければいい。龍愛のおかげで日本語も話せるから簡単だ」

「あ、そうですね。それじゃ話してみます」


 かくして舞とルーシーは、1月中旬に実施される共通テストを受験。帝都大学医学部を受験し、満点で合格した。


 入学後二人は全ての科目でどの試験も満点。

 教員が講義をすると、最新の研究ではそうではないと言われて、慌てて研究室に戻って調べると確かにその通りで、講義に出るのが憂鬱になる教員が続出。


 代講を舞とルーシーに頼むとその講義がまた大変評判が良く、さらに憂鬱になった教員たち、特進をさせろ、さもなければ全員でストライキをすると医学部長に連名で嘆願書を提出、特進を強要した。


 やむを得ず教授会で一学年特進を認め、2年生になった。またもや繰り返し、3年に特進、さらに4年に特進、5年に特進、6年に特進してしまった。


 英語ペラペラ、臨床実習でも、ぜひ実習生の舞先生とルーシー先生に見てもらいたいという患者が続出。


 難病ではまたも治療に最新の知見を取り入れていないといわれて、研究室に戻り、壱番国のデータベースを検索、欧米のインパクトファクターが非常に高い、超一流誌の最新号に掲載されていた論文を発見。オンラインで論文を確認。たしかにおっしゃる通りであった。


 欧米雑誌に掲載された論文を読んで、その追試をして日本語雑誌に投稿して業績と称している教員、最先端の世界的研究ネットワークに加われない教員には荷が重い学生であった。


 ある教員が同僚の精神科の教授に鬱の相談をしに行った。原因の舞とルーシーの名前を出したらニコニコしていた教授が一変して青い顔になって、聞きたくない、帰ってくれ、俺は鬱病だといいだす始末。


 結局医学部教授会は全員一致で二人を卒業させることにした。祓川は面倒だから卒業させてしまえと意見表明した。


 医学部長より学長に今年入学の二人を卒業させると申し入れた。


 学長は前例がない、6年のところを1年で卒業させるとマスコミに叩かれると困り、それじゃ1年から6年までの進級試験、卒業試験を特別に新たに試験問題を作って受験させて全ての試験結果が90点以上であったら卒業させようと回答。

 法学部出身の学長、高をくくっていた。


 医学部の教員は二人に出て行ってもらいたいので必死になって問題作成、あっという間に問題ができ、二人に受験してもらった。

 結果は言うまでもなく満点。出題ミスはつかれてしまった。


 医学部長が学長に試験結果を持参、卒業を強要した。


 学長はやむを得ず文科省にお伺いを立てた。

 6年を1年でと渋っていた文科省の担当者、二人の名前を聞くと、待ってくれと電話を保留にして、十数分後、文科省担当者よりわかったという回答があった。


 学長は医学部長にわかったと返事をした。

 医学部長は自室に戻って厚労省に電話、医師国試に問題ないかと確認、ここでも二人の名前を出したら待たされ、回答は「わかった」。


 小躍りする医学部長と医学部教員達であった。


 二人は、自分たちの不勉強を自らわかるようにプライドを傷つけないように他の学生にわからないように遠回しに指摘する優良問題児である。


 教員は傷つくのである。

 面と向かって言われたら怒鳴り返すなどするが、丁寧に諭されるように、自ら気づくように言われ、その場では何を言われたかわからないが、あとでじわじわと理解が進むと、面と向かって言われたより深く傷つくのであった。


 医学部長と教員は心底ほっとした。祓川はにんまり。早速二人増員につきと研究室拡張と予算増を申請するのであった。

 自分たちのところに二人が来ては大変だからもちろん医学部では法医の要求をのんだ。


 二人は卒業後、医師国試も満点で合格。臨床研修となった。


 臨床研修では指導医が誤診をつかれて真っ青。

 診療科長が担当した患者の過去のカルテを調べられて質問されて答えられない。科長もわからなかった誤診である。慌てて医療安全対策室、病院長に申し出て、患者さんの遺族と話し合いに突入するのであった。


 手術室では、そこは違うと言われて頭に血が上った医師、それじゃやってみろと言うと見たことのない術式で手術は成功。後で調べると外国の新しい術式で成績が今までの術式より格段に向上していると論文にあった。

 青い顔の医師、次からは手術室の隅で椅子にすわって項垂れているのであった。


 パラメディカルも二人の指示に嬉々として従って、素晴らしいチームワークである。パラメディカルの技量を十分に引き出し、向上させている。パラメディカルは二人に心服してしまったようだ。隅に座っている医師には目もくれない。早々にローテイトしてもらった。


 二人が救急部にローテイトして、夜間当直をすると、交通事故で5人運ばれてきた。

 大慌ての救急部の指導医、あちこちに応援依頼を出した。たまたま法医に来て通りかかった宗形、すぐさま参戦である。宗形と舞、ルーシーの三人で脳外、整形外科、一般外科、形成外科、その他すべてカバーして治療して、応援の医師が到着する前にほぼ処置を終了、患者を救命してしまった。


 指導医と応援の医師は、デビル宗形に弟子ができた。デビルチルドレン誕生と呟いて恐怖に慄いているばかりであった。


 3人が去った後、パラメディカルの指導医を見る目が冷たい。ここにも項垂れ医師が誕生してしまった。


 その後、形成外科医は、ぐちゃぐちゃであった顔が綺麗に整復してあり、縫合跡も目立たずほぼ元通りになることが予想され仰天し、後の治療を任されて下手をすると自分のせいで傷跡がついてしまうと神経をすり減らして治療にあたるのであった。


 宗形は法医に戻り請求書を書いた。出来高払いの宗形である。請求書を助教に預けて帰ってしまった。なんで私が関係ない請求書を預からなければならないのだと転職サイトをスマホで見る助教であった。


 秡川が戻ってきて助教から宗形の書いた請求書を受け取って、楽しそうに救急部部長、病院長、事務長のもとへ持って行った。メロンは持参しなかった。


 内科の研修では、聴診器をあてただけで、肺に病変を発見、CT、生検をして肺がんと確定してしまう。明日からローテイトだからあとはよろしくと言われた指導医。もういやである。


 ローテートするごとに論文を英文誌に投稿、次から次へと引用されていく論文になるのであった。教授、准教授、講師などの論文はほとんど引用されない。各科さっさと疫病神をローテートさせてしまった。


 困った二人、歯学部に中途入学した。宗形も付き合った。ここでも特進に特進を重ねて一年もたたずに卒業、歯科医師の資格も取得してしまった。

 次は獣医学部に入学、こちらも特進で一年もたたず卒業。

 かくして、医師、歯科医師、獣医師の資格を持ったスーパー女医3人が誕生した。

 合間に司法試験に合格、警察の免許センターで取れる免許は全てとってしまった。


 舞とルーシーは一応異形等対策室の非常勤職員、帝都大学医学部法医学の非常勤講師、武蔵西南病院の非常勤医師で、本務は山城稲荷神社であり、ルーシーは英国エディンバラ大学に出張中という名目の里帰りである。

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