066 ルーシーの運命の18歳の誕生日が来た & 龍愛の眷属が出来た
キッドマン小隊が帰ったので、シン一行は伯爵邸に戻った。
夕食にして、談話室でみんなで真夜中までじっと起きていた。使用人も一緒である。
0時を回ったが何も起きない。18歳になったルーシーはにこにこしている。アーダが飛び回る。
思わず、ウォーと声を上げた伯爵。奥方は涙である。病弱なお嬢さんの面倒を見てきた使用人も涙である。
「乾杯だ。乾杯」
使用人がすぐグラスを持ってきてサイダーで乾杯した。
「みんなありがとう。本当にありがとう」
その夜は明るくなるまで宴会であった。
朝になって、伯爵家は忙しい。伯爵と奥方が手分けして、一族に、
「娘は無事、死の呪いは娘の友達マイが連れて来てくれた我が家の賓客、シン様、アカ様、リューア様によって解かれた。もう一族に黒い蝶の痣が出ることはない。報告と一族の祝いの会を開くので追って連絡する」
と電話をかけまくった。
電話を受けた一族は仰天、0時過ぎに自分の子供に痣ができていないことは確認していたが、こちらも電話を一族にかけまくり誰にも痣が出来ていない事をお互いに確認、これは本当かもしれない。報告会には家族全員出ようと思った。
近隣の一族が顔を出した。ルーシーの無事な姿をみて、本当に呪いはなくなったと実感した。
近所の一族の訪問が一段落したので、ルーシーを預かって、ひとまず山城稲荷神社へ。伯爵からの連絡は観察ちゃんにしてもらうことにした。
龍愛がバングルを作れるようになったので龍愛が作ってみんなに渡した。黒龍と黄龍はアンクレットだ。渡したらみんな体が光った。
荒木田剛・江梨子夫妻、円、舞、大井明日香、榊原強、勝婆さん、宗形薫、稲本利夫・和子夫妻、祓川崇、塩井阿闍梨、ルーシー、黒龍、黄龍。
皆、龍愛の眷属になってしまったようだ。バングルには象形文字で‘龍愛と共に生きん’と書いてあるとか。事実上不老不死になってしまった。知らん。
みんなにはそれぞれ戻ってもらった。何かあれば龍愛が呼ぶだろう。
龍愛も長足な進歩をした。神考査でも、甲乙丙丁戊の乙くらいにはなったろう。身贔屓を除いても丙は間違いない。龍愛を撫でてやる。にこにこしている。
残ったのは舞とルーシーの勉強だ。と思ったら眷属になって龍愛のデータベースに接続できるようになったからペーパーは楽勝になってしまった。これはカンニングというのであろうか。わからん。
龍愛も眷属が出来たし、異形は楽に討伐できるだろう。
あとはルーシーに社会の実体験を積んでもらうだけだ。
やらなくてもいいけど、まあ、よくやったからご褒美の休日だ。
ルーシーと龍愛、龍愛の眷属をつれて僕らの星のスパエチゼンヤへ。高級旅館に一泊してもらった。ルーシーは旅館は初めてだろう。
オリメさんとアヤメさんに頼み事をしておいた。
僕は神国で田畑を見て、メーメー、モーモー、コッコ、ピョンちゃん、ベーベー、ミツバチの女王さん、働き蜂さん、小鳥さんに挨拶して、お花畑のベンチでうとうと。
就寝。お狐さんももちろん一緒。僕の胸の上でアーダを抱いて、しっかり僕の服を握って、今日あったことを話してくれる。子供と遊んだ話だ。いい子だ。また見えなくなってしまうと大変と思っているのだろう。もう大丈夫だよと撫でてやる。
ドラちゃんもドラニちゃんも僕のお腹の上で満足だ。
右にジェナ、アカ、オリメさん、アヤメさん、左にマリアさん、黒猫のリン、ステファニーさん。頭の上にエスポーサ、足元にブランコ。
時間的には一ヶ月にも満たないけれど、随分経ったような気がする。みんなと一緒でぐっすり寝られた。
いつもぐっすりだとアカが申しております。
今日は休日だ。僕とアカ、眷属で揃って神国からスパエチゼンヤ高級旅館へ。
龍愛たちを拾って、砂漠の湖に転移。
湖のそばに小屋を出す。アヤメさんとオリメさんが水着を渡して、着替えてもらって、湖で遊ぶ。
ルーシーはこういう遊びをしたことがない。ビーチボールで舞と遊んでいる。
僕はたらい舟を出してアカとユラユラ船の上。すぐジェナとチルドレンがやってくる。家族用のボートを出してやる。
細長いボートも出す。
ジェナとチルドレンが乗り込んだ。
それから、ブランコとドラちゃん、ドラニちゃん
もう一艘には宗形、舞、円、大井、ルーシー、黒龍、黄龍
もう一艘には祓川崇、荒木田剛、榊原強、勝婆さん、塩井阿闍梨
四艘で競走を始めた。
ジェナ艇とブランコ艇が抜け出す。祓川艇は勝婆さんと塩井阿闍梨にどやされて必死に漕いでいる。
宗形艇が先に行かせてなるものかと横っ腹にぶつけた。両艇がひっくり返る。一等はジェナ艇、ブランコお兄ちゃん艇が譲ったらしい。
ひっくり返った、2艇、
「宗形、やりゃあがったな」
「知らないわ。トロトロしているからよ」
宗形と祓川、荒木田、榊原が水中でバトルを始める。
家族用ボートに這い上がって勝婆さんは孫をだらしないと叱り、塩井阿闍梨は祓川を根性なしと決めつける。
稲本夫妻と江梨子さんは家族用ボートでのんびり観戦。
舞、円、大井、ルーシー、黒龍、黄龍も家族用ボートに這い上がり、こちらも観戦。
「バカよねえ」と江梨子夫人。
お昼はバーベキュー。ルーシーは初めて尽くしだ。
午後はラシードさんのオアシスに遊びに行った。ベーベーを借りてみんなに砂漠を歩いてもらった。
夜はテントを張って砂漠の夜を経験してもらう。




