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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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061 その日の軍隊 & ルーシー達はダンス等の訓練をする

 未確認生物の出現現場に機関銃と対物ライフルを大量に持ち込んだ軍。到着してみればすでに未確認生物は討伐されていた。


「隊長、未確認生物は、切り刻まれています。それと首が落とされています」

「そんなバカな。日本で縄張り争いか何かで出た死体を解剖しようとしたら、メスでは歯が立たないという話だったぞ。色々な刃物で試して、日本刀で傷口から刀を入れて内側からやっと切れたという話だ。軍から日本の刀鍛冶に解剖用の頑丈な刃物のデザインを渡し、作ってもらっているという話だ」


「でもあちこちに切り傷があります。それも軽くスパッと切られています。打撲なし。四肢などわざと切り落とさず練習したような気配があります」


「青い液体の出具合からすると、四肢、胴体で練習し終わって最後に首を一太刀で落としたみたいです。首から出た液体は少ないようです」


 隊長は現場保全にあたっていた警官に近寄る。

「誰がどうやってやった」

「ドラゴン2頭が飛んで来て、シン様たちがIGYOに対応するから引けと言われました。警官が引くと10人、ドラゴンから飛び降りてきました。内一人はバイクに跨っていました。2人は監督のようで、周りを妖精様が飛び、狐面の8人が楽しそう言い合いしながら切り刻み、バイクでのしかかったりして、最後はハント伯爵の娘さんのルーシー様が首を落としました。それからドラゴンに乗って飛び去りました。バイクはすっ飛ばして行きました。とても追えませんでした」


 隊長は妖精様、ドラゴンだと、こいつ正気かと思ったが、隣にいる警官も真面目な顔をして聞いている。集団幻覚かと思ったが、切り刻まれている死体は警官のいう通り楽しく切り刻んだような死体だ。一応その通り報告しておくことにした。


 死体の収容は難航。密度が高く重い大きい。やっとヘリに積んだ。ヘリに乗らない部分は吊り下げて運ぶが、下から見えてはまずい。兵が蟻のように死体に群がって押してやっとシートに載せた。ヘリが引き上げようとしたがよろよろしてしまって、ヘリの荷物など全て下ろして、最小限の操縦者で少し浮いて、もう一枚のシートの上に下ろして、シートを二重にして、落ちることを考えて人家を避け、低空で飛んで行った。


 翌朝。薄暗い中に伯爵一家と友人が玄関に集まった。どうやって行くのかわからないが一応集まった。シン様たちが2階から降りてきた。


「では行きましょう」

 一瞬にして日本の宗教施設らしいところに出た。大きな馬もついてきた。


「ではこちらです」

 宗教施設らしいところの脇の家に案内された。子犬が二匹、尻尾を振りながら出てきた。みんなを案内するようだ。住宅のような家の脇を通って裏に行くともう一軒家が建っていた。2階建の西洋の家だ。しっかりした作りである。貴族の邸宅といってもいい。


「どうぞ」

 執事が迎えてくれる。全く違和感がない伯爵一家と友人タイソーである。

「お茶をと言いたいところですが、時間も限りがありますので、ダンスの練習を始めましょう。こちらです」


 ホールの奥の重厚な扉を執事さんが開けると、豪華な部屋が現れた。床はピカピカ、壁面は巨木の絵が描いてある。窓の外はどこか知らない明るい森である。天井はさらに大きな樹が描かれていて、根元に美男美女が立っている。その周りを多くの人が取り巻いている。見たことのある人がいる。豪華なシャンデリアが柔らかく室内を照らしている。シャンデリアだけではないだろう。部屋全体が柔らかい光を放っているようだ。


 伯爵はびっくりである。このような部屋は伯爵邸にはない。大貴族邸にもないだろう。宮殿である。


 何人か男女がいた。

 いずれも服装は、男は燕尾服に白の蝶タイ、女性は裾の長いエレガントなドレスである。


 年嵩の女性が発言する。

「ようこそ。エリザベスと申します。こちらはイサベル。今日は一日ダンスと食事マナーの講習です。ダンスは一日やれば覚えられるでしょう。ではまず見本を。私の父と母です。踊ってもらいましょう」


 エリザベスとイサベルとは何やら強そうな名前だと伯爵夫妻とタイソーは思った。


 楽師が演奏を始め、諦め顔の老人夫婦が踊り始めた。上手である。

 一曲踊り終わった。


「と言うわけで、みたところ、ハント伯爵夫妻、タイソーさん、荒木田江梨子さん、宗形薫さんはいくらか心得がありそうです。荒木田剛、円、舞、大井明日香、榊原強、勝婆さん、稲本利夫さん、和子さん、祓川崇さん、塩井阿闍梨さん、ルーシーさんは初心者のようですね。安心してください。指導できる執事と侍女を用意してあります。私の親と旦那、イサベルも参加します」


 奥の扉から執事と侍女が出てきた。美男美女である。受講者の男性は鼻の下を伸ばし、女性は上気している。塩井阿闍梨は久米仙人状態のようだ。


「マンツーマンの指導となります。ハント伯爵夫妻とタイソーさんを除いてシン様の訓練に参加した人たちです。運動神経抜群、半日もあれば簡単に踊れるようになります。頑張りましょう。ハント夫妻とタイソーさんはお手本です。なお、楽器は多少この星の楽器とは違いますが、奏でる音楽はこの星の音楽です。ダンスもこの星のものです。では始めましょう」


 僕とアカは壁際で見学。龍愛は着々とデータベースを構築しているようで勿論踊れる。

 龍愛、ドラちゃんとドラニちゃんは面白くなったようで、荒木田、榊原、祓川、塩井阿闍梨にダメ出しをしに行った。アーダがついていく。

 それでは踊ってみろと言う顔をされたので三人でくるくる踊っている。つっつかれた荒木田、榊原、祓川、塩井阿闍梨は顔色無しである。子供に負けたとしょぼんとしている。


「あの人たちは次元が違います。頑張りましょう」と侍女さんに言われて、元気を取り戻して、踊り始める。


 午前中びっしりと稽古をした。まずまず踊れるようになった。


「皆さん、お疲れ様でした。食事が用意してあります。食堂へどうぞ」

 引き続きエリザベスが案内する。


 舞踏会場の隣が食堂になっていた。こちらも立派だ。テーブルにはテーブルクロスがかけられ、カトラリーがきちんと並べてある。


「初心者の脇には指導者が座ります。伯爵夫妻とタイソーさんは指導に回ってください。では講習会を始めましょう」


 料理は執事が運んできた。働く人は全て上級の使用人らしいと思った伯爵夫妻とタイソー。ものすごい人件費だと思ってしまった。


 マナーに慣れていない人は隣の人に聞いたりしながら食事をした。

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