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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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060 ハント伯爵の友人タイソーの受難

 内務大臣室では、高官を内務大臣が待っていた。

「タイソー、座れ」


「お前の友達にスコットランドの貴族がいたな」

「はい。ハント伯爵です」


「ドラゴンに乗ったシンというものたちと狐面をつけた忍者、日本の修験者たちが軍の出動前に未確認生物を討伐してしまったとの報告があった。一人は白と赤の服を着てNinjaに乗っていたという。さらにだ。ハント伯爵の娘が未確認生物の首を落としたと報告があった。またさらに妖精を見たという報告がある。意味不明だ。現場には箝口令をしいたが、目撃者が多い。伯爵の地元では伯爵の娘が未確認生物の首を落としたとパレードでもしかねない勢いだ。どうなっている」

「どうなっていると言われましても」


「シンという者は聞いているか」

「ええとたしかハント家の賓客とか」


「お前の関係者だな」

「関係者と言われましても」


「いや、お前は関係者だ。調べろ。おかしいではないか。機関銃が効かない未確認生物だぞ。それをお前の関係者が討伐した」

 関係者とは言いがかりだと思ったが、逆らうとろくなことはない。


「あれはIGYOと言うらしいです」

「誰が言った」

「ハント伯が討伐した人から聞いたそうです」

「ほらみろ。お前は関係者だ。調べろ」


「わかりました。調べて見ます。ですがスコットランド大臣の管轄では」

「政府は極秘に未確認生物対策室を作った。俺がその室長だ。スコットランド大臣もメンバーだ。心配しなくていい」


 自室に戻って友人に電話する。

「おい、内務大臣がお前の賓客のことを調べろと言ってきた。名前はなんだ」

「スコットランド大臣ならわかるが内務大臣とは解せない」

「スコットランド大臣には話を通してあるそうだ。名前はなんだ」

「賓客だ」


「だから名前を聞いている」

「ふん。この国の危機を救ってくれた大恩人を調べろとはなんだ。言葉が違うだろう」

 電話が切られた。しょうがない。内務大臣室にトボトボと向かう。


 大臣室に入る。

「わかったか?」

「それが」

「なんだ」

「この国の危機を救ってくれた大恩人を調べろとはなんだ。言葉が違うだろうと言われて電話を切られました」

「うううむ。確かに一理はある」


 大臣室の電話が鳴った。

「は、はい。まだわかりません。いま調査官を現地に派遣するところです。はい。そうです。明日あたりには詳細がわかるかと。何もわからないではないかと言われましても。あ、そうだ。あれはIGYOと言うらしいです。空軍基地ですか。はい。向かわせます。今日中に詳細がわかるかと。はい。やらせます」

 大臣の電話が終わった。タイソーは睨まれる。


「ヘリで空軍基地まで送る。そこからスコットランドの基地まで行け。基地からヘリでハント伯爵の屋敷に落としてやる。今日中に詳細を連絡して来い」


「今すぐにですか」

「この部屋から直接だ。おい」


 いつの間にかいた屈強の男に拉致され、ヘリに押し込まれたハント伯友人のタイソーであった。


 ハント伯の庭に落とされはしなかったが、ヘリが着陸、タイソーを残してすぐ飛び立った。


 軍用ヘリが何機も飛び交っているのが見えた。軍が出動したらしい。IGYOの死体の収容と調査だろう。遅いんだよと思った。


 後ろから何かに突かれた。でかい馬だ。ヒヒンと笑われた気がする。


 玄関に向かう。使用人が出てきて招じ入れてくれた。ハント伯爵が出て来た。


「おお、夕食にするところだ。一緒にどうだ」

 こんな田舎には食事をするところはない、ヘリも行ってしまった。

「悪いな」

「こっちだ」


 食堂に行くと大勢座っていた。

「紹介しよう。我が家の賓客の、そして一族の大恩人、シン様、アカ様、リューア様、マイ様、宗形様、ドラちゃん様、ドラニちゃん様だ。宗形薫先生はルーシーの主治医だ。それに妖精のアーダ様だ」


 これは、おれに教えてくれているのだなと必死に名前を覚えた。え、妖精。なんと紹介された人たちの周りを飛んでいる。目を擦ったが飛んでいる。


「ハント伯の友人のタイソーです」

「はい。よろしく」


「それから娘のルーシーだ。お前とは小さいときに会ったきりだ。大きくなったろう」


「病気が治ったって、おめでとう」

「はい。おじさま。ありがとうございます。シン様、アカ様、リューア様、友達のマイのおかげです」

「そうか。良かったな」


「硬いことはこのくらいにして食事にしよう」

「おまえ、豪華じゃないか」

「病気が治った祝いだ。お前は運が良かったな」


 そうか。病気の話もあったな。一族の大恩人だと。それはそうだが話が複雑になる。大臣には黙っていよう。面倒だ。


 夕食は差し障りのない話をした。パーティーの話とか、ダンスの話とか。

 ダンスの話でルーシーが困った顔をした。病弱でダンスをしたことがなかった。


 そうか。ダンスは学んでなかったか。舞たちにも教えてやろう。

「よかったらダンスを教えましょうか?」

「え、いいのでしょうか」

「はい。今日稽古をつけたエリザベスさんに見てもらいましょう。ダンスの名手です。明日一日でだいたい踊れるようにしましょう。今日に比べれば楽です」

「お願いします」

 伯爵夫妻、ルーシーが頼んだ。


「それじゃ、明日、日の出前に出ます。ついでですからフルコースも食べてもらいましょう。舞も宗形さんもダンスね」

 えっという顔をしている。


 アカが、「心配しないで。今日来た連中、神社に残った連中。みんなにやってもらいましょう」

 楽しいねえ。先に戻った祓川、荒木田、榊原、阿闍梨さんもダンスだ。面白いねえ。集合は観察ちゃんに頼んでおいた。


「あのう。私も連れて行ってもらえないでしょうか」

 伯爵友人のタイソーが発言した。いなければ余計な連絡が来ないと思ったのである。

「いいですよ。宮仕は大変ですね。一日のんびりしましょう」

 シン様は事情を分かっていそうだとタイソーは思った。


「それでは私たち夫婦もお願いできないでしょうか」

「はい。どうぞ」

 伯爵夫妻もうるさくなりそうなので避難を企んだ。

「明日の朝、日の出と共に出ますので、玄関ホールに集合してください」


 夕食が終わって、タイソーは部下に、シン様、アカ様、リューア様、マイ様、宗形薫医師、ドラちゃん様、ドラニちゃん様を調べよとメールを送った。

 わかりやすのは宗形薫医師だな。他は芋蔓式に宗形医師から出てくるかどうかだ。ドラちゃん様とドラニちゃん様は名前かどうかもわからない。多分わからないだろう。

 妖精様は、言うのはやめた。頭が疑われる。

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