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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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045 訓練は奥駈コースに突入する

 午後の奥駈コースだ。シンが指示する。

「先頭龍華、順に龍愛、稲本夫人、荒木田夫人、舞、大井、円、勝婆さん、稲本夫、しんがりは宗形と龍姫。黒龍と黄龍は遊軍。大井を守れ。順を崩すと死ぬ」


 有無を言わさぬ神の迫力に誰も発言しない。死ぬと言われて大井先生思わずポロリと涙が。


 宗形はこれは一番弱い大井、次の舞を守る順だと思った。横から襲われたら子犬が対応するのだろう。これは本当に襲われるかもしれないと奮い立つのであった。


「行くよ。出発」

 龍華の掛け声で走り出した。

 神社の脇を通って山道を登る、少し登ると霧が出て来た。霧を突っ切るとまた山道となった。


 いくら行っても山道である。時々エスポーサさんがパラソルの下にテーブルを出して給水ポイントを開設してくれている。


 二ヶ月くらいのコロコロした子犬も前に行ったり後ろに行ったり何かを警戒するように走っている。走りは余裕である。


 宗形は給水ポイントで自分の飲んだコップをしっかり回収して収納した。もらったビニール袋には番号が振ってある。


 エスポーサさんの次はマリアさんが給水ポイントにいた。二人で交代だ。こっちは駆けているのに向こうは先回りだ。わからん。ところどころ霧が出ていた。どこを駆けているのかわからない。


 気がつくといつかの子供が5人、というか幼児だ。棒を振り回して先を走っている。なんとか言っている。


「ムジンボーケン、ムジンボーケン、ショーコインメツ」

 ムジンボーケンがなんだかわからない。途中で急な崖を登って行った。信じられない。登山家が慎重に登るような崖に棒を突き刺して登って行った。


 しばらくしてご機嫌で戻って来た。

「ムジンボーケン、ムジンボーケン」

 ショーコインメツがなくなった。


 そのうち霧に突入し霧を抜けたら幼児はいなかった。訳がわからない。前から白装束、頭に被り物、草履、棒を持った人がかけてくる。合掌されてすれ違い通り過ぎた。どのくらい走ったかわからない。


 だんだん暗くなる。まだストップの声がかからない。山は暗くなるのが早い。もはや真っ暗だ。それでも龍姫ちゃんは走る。足元は不思議と見える。


 白装束さんとまたあった。目を見開いて深く合掌された。

 霧の中に突入。下り坂になって神社の屋根が見えた。やっと終わった。

 あたりは暗くなっていた。


 神社の境内には、神さん、朱さん、エスポーサさん、マリアさんが待っていた。いつの間に先回りをしたのだろう。


「お疲れ様でした。基礎体力の養成は出来たと思います。いささか促成でしたが、まずはよかったです。もしよければ明日から朝練に参加されることを希望します。ぜひお願いします」


 頼まれてしまった。なんとなく来なければまずいかと思ってしまった参加者である。


 解散となって、帰り道。階段を降りて気がついた。暗いはずの階段を苦労せずに降りられた。前を見ると、暗いはずの参道がこれまた昼間のように見える。


「どうしたんでしょう」

 大井先生が口に出した。


「わからない。阿闍梨のような人にあった。あの道はどうみても裏山ではない。少し覚えがある。看板など霧に隠れていたが、大峯奥駈道だ」

「えええええ」


 円の言うことにみな驚いた。が神社の裏の奥社まであんなに何回も給水をして走るだけの距離はない。すぐ着くはずだ。


 武闘派宗形は自分の部屋で、明日も楽しみ、何か出ないかなと期待しているのである。恐れを知らない。

「コップの水の分析が楽しみだ」


 宗形はその日のうちにコップの入ったビニール袋を大きなビニール袋に入れ、さらに段ボール箱に入れてコンビニに行って帝都大学の法医の化け物宛に宅配便で送った。


 昨日の事もあり、化け物に電話をすると面倒な話になるから、メールをしておいた。だいたい渋谷事件の時もたまたま法医のそばを通ったら面白そうなのでついて行っただけだ。切ったけど。

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