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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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044 訓練

 「はい。どうも。みなさんのエスポーサです。まずはランニングをしましょう。どこがいいですかね。誰もいない広々したところですか」


 朝練に続き、訓練が始まってしまった。宗形、稲本夫妻、勝婆さんが参加だ。


「あ。宗形さんが思いついたのは北海道ですね。行きましょう」


 周りの景色が変わる。どこまでも続くまっすぐな道。どう見ても北海道だ。


「ではここを走りましょう。ゴールにいますので走って来てください。うしろは今日はジェナとチルドレンが走ってくれるそうです。では始め」


 エスポーサさんが消えた。やっと見えるくらい遠くの道路脇にパラソルが開いた。あそこまで駆けろと言うことか。


「ヨードンだよ。走るんだよ。宗形のお姉ちゃんにはハンデだよ。おじいちゃんたちが半分くらい先に行ったらヨーイドンだよ」


 後ろを見ると幼児が5人、ニコニコと細い棒を持っている。振るとヒュンヒュン音がする。しょうがない走り始める稲本たちであった。


「君たち学校は?」

「ないよ。そんなもの」

「行かなくてもいいの?」

「いいのいいの。子供は遊ぶのが仕事」


「お姉ちゃんお医者さんでしょう?」

「そうだよ。偉いんだから」

「でもちんちんが腐ったのは治せないでしょう」

 痛いところをついてくるガキだ。

「治せなかった」


「あれはこっちの薬では治らないんだよ。あっちの薬でも治らないけどね」

「どうやって治すの」

「あれは呪いのようなものだから治しようがない」

「呪いなの?」

「あれはおとたんの天罰だから誰にも治せないよ。呪いはおとたん、おかたんなら治せるけど」

「そうなの?」

「そう。勉強になった?」

「なった」


「あれ、爺さん婆さんが意外と早い。駆け足だよ」

「わかった」


 走り始めると後ろでヒュンヒュン音がする。なんと幼児が細い棒を振り回しながらピタッとついてくる。どこまで行ってもついてくる。

 必死になって離そうとするが離れない。


 パラソルのところにはみんなで同着である。エスポーサさんが水を用意してくれていた。

「はい。それではUターンして元の地点まで走りましょう」

 エスポーサさんがパラソルごと消えた。元の地点にパラソルが見える。


 爺さん婆さんが駆け足して行った。半分くらいしたら宗形が出発。幼児のおやつの時間まで繰り返す。おやつの時間はみんなで休んで、おやつが終わるとジェナたちは休憩。他は走る。ジェナたちの休憩が終わるとジェナたちが参加して走る。その繰り返し。


 お昼になり、ジェナたちは昼休みだが、大人たちは休憩なし。走る。簡易トイレは設置してくれた。なんと温水洗浄便座である。したがって逃げようがなく走り続けるのであった。


 日曜日の朝、荒木田夫人が率いて舞さん、円さん、大井先生が揃って遊びに来てくれた。黒龍と黄龍がコロコロと走って迎えに行った。


 大井先生が、

「おはようございます。朝練をやっていると言うので見学に来ました」

 ジャージを着ていて参加する気満々のようだ。鍛えよう。


「そうですか。まずは、体験コース。龍姫たちについて階段を下まで降りて登って来てください」


「行くよ」

 龍姫が掛け声をかけ、龍華、黒龍、龍愛、黄龍の順で階段を降り出した。


 舞たちも階段を降り出したが、追いつかない。大井先生は早涙目である。榊原の婆さん、荒木田夫人、円、稲本夫妻、宗形は先に行ってしまった。

大井先生と舞は、「ファイト。ワン、ワン」と龍愛と黒龍、黄龍に言われている。


 エスポーサがパラソルと机を出してコップに入った水を並べている。

 舞と大井先生がみんなに遅れてはあはあ言いながら登って来た。


「皆さん。お疲れ様です。毎度、エスポーサです。今日もトレーニングのお手伝いをさせていただきます。まずはお水を飲んでください」

 みんな疑いもせず飲んだ。


「では、二本目、頑張りましょう。ドラ、龍姫、龍華、龍愛は奥社奥駈コースの確認に行きました。上級コースです。皆さんはまだ階段初級コースです。黒龍、黄龍が付き合ってくれるそうです。では二本目どうぞ」


 鳥居の下で黒龍がワンワン言っている。階段を降り始めると後ろから黄龍がワンワン。かけ始めるみんな。

 黒龍の先導で二本目が終わった。


「はい。お水」

 飲んで三本目。

 何本やったかわからない。普通ならとっくに足が上がらないはずであるが駆け足で上がれた。


「午前中はおしまいです。初級コース終了。お疲れ様です。水を飲みましょう」

 みんなごくごく。宗形さんは飲んだ後コップをじっとみている。


「科捜研で調べても何も出ませんよ。でも気になるようでしたらどうぞ」

 エスポーサがチャック付きのビニール袋を差し出した。

「調べてみます」

 宗形さんがコップをビニール袋に入れた。


「では、お昼にしましょう。龍姫たちも帰って来ました」

 お昼の支度に先に戻っていた稲本夫人が迎えに来た。

「どうぞ皆さん。食堂へ」


 広い食堂だ。みんな座れた。まだ余裕がある。

 神が挨拶する。

「みなさん、今日は来ていただいてありがとうございます。来るべき時に備えた訓練に参加していただきありがとうございます。午後は奥社奥駈コースに挑戦しましょう。給水等の手伝いは引き続きエスポーサが行います。給水ポイントでは必ず水を飲んでください。それから宗形さん、サンプルが一つでは心許ないでしょうから、給水ポイントでビニール袋を渡しますので、自分が飲んだコップを入れてください。収納して貰えばいいです」


「お手伝いの方を紹介します。エスポーサです。もう一人マリアさんです。銀髪がエスポーサ。金髪がマリアさんです」


 皆外人だと思った舞たちであった。舞はマリアさんにはバーベキューで会っている。


 なぜエスポーサさんは呼び捨てで、マリアさんはさん付けなのかわからない。二人とも綺麗だ。エスポーサさんの方がやや年上か。若奥様風であるがキリリとしている。マリアさんは柔らかい。


「途中、子供達が5人参加するかもしれません。棒を振り回していますのですぐわかります。ではいただきましょう」

 食事が終わったら休憩なしで奥駈コースになってしまった。

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