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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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017 円と舞 神さんを語る

 ピクニックが無事終わって家に帰って来た荒木田円先生。早速妹の舞に聞いてみる。


「ねえ、今日神さんは早退した?」

「したよ。なんだか急いでいたみたい」


「何時ごろ?」

「お昼前の授業が終わってすぐだよ」

「ふうん」


「なんで?」

「ちょうどその頃神さんと朱さんが来たのよ」

「ピクニックしているとこ?」

「そう。時間差無しだわ」

「どういう事?」

「わからない。ワープした?」

「時計が狂っていたとか」

「そんなことはない。他の先生もいて時間を見てお昼にしたんだから」


「それで神さんは何しに行ったの?」

「龍姫さん、龍華さん、龍愛ちゃんを借りに来た」


「なんで?」

「わからない。お弁当を食べ終わる前に戻って来た」


「変わった様子は?」

「特にないわ。龍愛ちゃんがにこにこしていたくらい。ただ」


「ただ何?」

「神さんがくる前、なんだかわからないけど胸騒ぎがしたのよ。不穏な動きがあるような、危ないような、災難が近づいて来るような、そんな気がした」


「お姉ちゃんのはよく当たるからね。お母さんが怒り出す前に自分だけ逃げたり」

「それはちょっと違うと思うけど。とにかく、神さんが来て龍姫ちゃんたちを連れて行ってしばらくしたら胸騒ぎがなくなった。多分原因が無くなったんだろうと思う」


「どうする?神さんに聞いてみる?」

「どうしようかなあ。神さん達は普通じゃないのよ。昨日の剣道だって、木刀同士でやって木刀がスパって切れるわけがない」

「みんなびっくりしていた」


「それに構えてみてわかった。バッサリ切られる気がした。神流一刀両断派とか言っていたけど、文字通り頭から股まで切り下ろされるのが見えた。頭から木刀が入って振り切られ、最初は何ともないのよ。そのうちポツポツと血の玉が上から下まで出来て来たと思ったら繋がって血が吹き出して来てふたつに分かれて倒れたのが見えた」


「やあねえ、剣道家は。ずいぶんリアルね」

「初めてよ。どんな強い人とやっても切られる未来は見えない。せいぜい面を狙っているなくらいしかわからない」

「そうなの?」

「そう。神さんは刀でいつも切っている気がする」


「ヤバいんじゃない?」

「そうだけどね。悪い「気」がないのよ。清めの刃を振るわれているような、浄化されるような、体の芯が震えるような、切られたいような官能的な剣なのよ」


「剣道家、キモい」

「凡人にはわからないわ」


「どうせ凡人ですよ。朱さんはどうなの?」

「同じ雰囲気。龍姫、龍華さんも同じ。龍愛ちゃんは同じだけど鍛えてない感じ。でも根は同じだから鍛えればいいだけ」


「よくわかるね。お姉ちゃん強いの?」

「自分で言うのもなんだけど、強い。ただ強すぎるから手を抜いている。真剣を持つと気持ちが昂ぶるのよ。真剣を持って生死の境に身を置いてみたくなるのよ。戦国の世向きね。今は銃があるから一発で倒されちゃうだろうけどね」


「本当に剣道、いや剣術家なのね。怖~い」

「だから、手を抜いているんだって」


「他にそういう人いるの?」

「会った中ではそうねえ、お母さんは怒らせると怖いけど。あとは薫ちゃんが怪しい」


「宗形先生?」

「そう。バイクをぶっ飛ばしているけど、怪我一つしない。勿論事故もない」


「へえ。お父さんは?」

「いつも榊原さんとファイトをしているね。棒を持たせたらチャンバラごっこをしそう」


「ふうん。お姉ちゃんの旦那になれる人はいないんじゃない。神さんみたいな人か、お父さんのようなボケでアホな人とか。神さんなんかどう?年下か」

「そうでもないのよ。年上のような気がする」

「でも朱さんがいるからダメだね。大変だねえ。私は凡人だからいいけど」

「ふん。どうだか。同じ血よ」

「お父さんのボケでアホな血のほうが多いかも」


「そういえばね。昨日一緒に屋上で弁当を食べたんだけど」

「うん。それで」

「朱さんが料理を出したんだけど。どこから出したかわからない」


「それで」

「サラダとステーキとパンだった。どなたが作ったか聞いたんだけど」

「稲本さん?」

「ちがう。二百人衆だって。神さんと朱さんに仕えている人達だって言ってたよ」

「????」


「それとね。ピクニックのことは、‘山か。龍姫と龍華がいるから大丈夫だけど’と言っていた」


「それからね。肉は見たこともない肉だった。こちらの人は食べられるかなと言って、水をもらって、食べられるとなって食べた」

「ふうん」


「肉は、少しもらったんだけど、かみごたえがあるけど口の中でとろけるようで今まで食べたことのない美味しさだった」

「牛肉?」

「違う。それに温かった。焼きたてのような感じだった」

「なにそれ」


「それと神さんと朱さんの親はいないと言っていた」

「知らなかった」


「でも支えてくれる人や仕えてくれる人がいると言っていた」

「えええ」


「王をやっていると言っていた」

「ええええ。何々、王様?続きは」

「残念だけど昼休みは終わった」


「こんどちゃんと聞いときなさいよ。王様よ、王様」

「自分で聞いたら。私、凡人だし」

「土曜日奥多摩日帰りバーベキューでしょう。聞いときなさいよ」

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