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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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145/160

145 メルクリオ統括大僧正王 外国訪問する (16)

 その後初級組は二日間剣の基礎をやって、三日間チャンバラ、一日ホークくるくるや水泳などをやって、最後は全員参加のチャンバラ大会を一日やって今回の訓練は終了した。一睡もできない訓練であった。


 宗形と参加者がエスポーサをはじめとするシン様の眷属達にお礼を言って、シン様の眷属達は転移して帰っていった。


 宗形が訓練生に挨拶する。

「皆さんお疲れ様です。今回の初級組は元が力がなかったので基礎訓練に終始し、簡単な訓練となってしまいました。残念です。しかし基礎ができたので次回の訓練が楽しみになりましたね」


 十分、もう十分という顔の初級組。逆らっても無駄だという悟りを開いている中、上級組。


「では山城稲荷神社に戻ってお茶の続きをしましょう。その前に龍愛、汚れ飛んでけを・・・。あれ、龍愛は?黒龍と黄龍は?」


 みんな忘れていたが、龍愛と黒龍、黄龍は訓練の始まりのときに龍愛が出した小さい家に入って、以後は見なかった。


 宗形が大草原の小さな家のドアを開ける。


 中では龍愛が黒龍と黄龍を両脇に抱えて床の上で爆睡中である。3匹の、いや龍愛と2匹の子犬の寝顔が超絶可愛い。


「ま、たまにはいいか」

 そっとドアを閉めた宗形である。


「ホーク愛、帰るよ」


 ホーク愛が降りてきた。


「はい、みんな乗って。ポニーも乗って。ホーク龍は後を頼むよ」

 ホーク龍が小さくなって小さい家の屋根に止まる。


 ホーク愛はみんなを乗せ少し高度を上げてから山城稲荷神社の上空に転移した。

 汚れ飛んでけをホーク愛がした。ホーク愛も進化したのである。


 誰もいない山城稲荷神社の奥社前にホーク愛から全員飛び降りて神社まで降る。


 参拝者が裏山から降りてくる靴下の集団にびっくりしている。


「お参りありがとうございます」

 にこにこと稲本夫妻が参拝者に声をかけてぞろぞろと稲本宅に入った。


 上に上がる前に靴下を確認したが汚れていないのでそのまま上に上がった。さすが魔女製である。


 食堂に集まって少しぬるくなったお茶をアルバイト巫女さんに入れ替えてもらって少し話をしていると龍愛が黒龍と黄龍と一緒に来た。


「みんなあたしを置いて行った」

 ぷんすかしている龍愛。


 黒龍と黄龍は宗形の足元に擦り寄って尻尾を振っている。こちらは龍愛の見張りなのに一緒に寝てしまったので宗形のご機嫌とりだ。


「龍愛と黒龍、黄龍の寝顔が可愛かったのでね、ホーク龍を見張に残してそっとしておいた」

 超絶可愛いというと龍愛が図に乗るから超絶は省略である。


「あたし、可愛い?」

「可愛いよ。いい子だ」


 宗形に頭を撫でてもらってすぐ機嫌が直る。


「それじゃあ、龍愛、挨拶して解散にしよう」

「うん。みんなご苦労さん」


 黒龍と黄龍がみんなに玄関で靴を履いてもらってから転移で送った。たまに龍愛と寝てしまうが黒龍と黄龍は優秀なのである。


 残ったのは、龍愛、宗形、稲本夫妻、勝婆さん、舞とルーシー、カンナ、フリーマン副社長(予定)である。


 食堂から応接室に移って龍愛は宗形に抱っこされてなでなでしてもらってご機嫌である。


 舞が、「カンナとフリーマンさんはオーストラリアで目が届かない。初心者講習だけでは危ないので、もっと鍛えてもらってくる」


 宗形が、「そうだね。本当にレベルの低い初心者だけだったから、剣も寸止めで切らなかったし、実戦に投入は危ないな。補佐と秘書は構わないけど」


「それじゃ、黄龍で送って。シンさんのところに行って実践訓練をしてくる」

「いいよ」

 龍愛が返事をする。


 舞は、ルーシー、カンナ、フリーマンと一緒に、戻って来た黄龍に頼んでシンさんのところに転移して行った。


「助けて~」というフリーマンの声が聞こえた龍愛と宗形と勝婆さんである。


「フリーマンは覚悟が足りないね」


 宗形がそう言うのを聞いて、勝婆さんはまた訓練になっては一大事と口をしっかり閉じて2階の自室に逃げて行った。


 黄龍はすぐ戻って来た。シンさんが訓練を引き受けてくれたそうである。


 アルバイト巫女さんがやって来た。

「巫女舞とお祓いの希望者が待っています。お願いします」


「今行くよ」

 稲本さんが返事をした。


「そうだ。龍愛もやってみる?」

「うん、やってみる」

 龍愛は面白そうだから返事をした。


 宗形がオリメさんに頼んで作っておいた龍愛用の巫女さんの服を龍愛に着せて、頭に金の冠を乗せた。鈴を持たせて出発である。黒龍と黄龍が自分も自分もと言うので榊の枝を咥えさせた。


 拝殿にはすでに15人ほどが待っていた。

 まずは稲本神職の祝詞奏上で始まる。

 次は人気の宗形の舞である。


「あれ、今日は小さい巫女さんと子犬もいる」

 少しざわついたが宗形が姿勢を正すと舞が始まると思って静かになった。


 宗形と龍愛の振る鈴の音があたりに響き渡る。

 シャン、シャン、シャン、シャン。

 黒龍と黄龍が榊を振るう。


 鈴の音とともに神気があたりに満ち、参列者に染み入る。


『これは・・・』


 神の気配を感じた参列者である。頭は自然に下がる。


 拝礼を済ませ、口々に宗形と龍愛に感謝の言葉を述べる。


 滅多に褒められることがない龍愛。嬉しくなった。


「これをやる」


 懐からお守りを出して一人一人に渡す。参列者はありがたき幸せと受け取った。


 気分上々の龍愛である。


 神と同じ空間にいたと感じた参列者は感激して帰りがけに有金全部をもう一度初穂料として差し出すのであった。


「龍愛が踊ると儲かるわね。さすが本物」


 宗形マネージャーは企みがうまくいってにんまり。暇な時は龍愛にも踊らせようと思った。

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