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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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142 メルクリオ統括大僧正王 外国訪問する (13)

 無我夢中、頭の中は空っぽで魔物だらけの滅びの草原をひたすら走る龍愛の眷属たち。


 空中に爆音が轟き始めた。宗形のバイクが空中に出現して降下してくる。


 宗形と一緒に転移してきたドラちゃんからゴードンたちが飛び降りてくる。


 空にはドラちゃんとドラニちゃんがホーク愛とホーク龍と一緒に飛んでいる。


「龍愛。シン様とアカ様に頼んでゴードンさんたちがきてくれた」

「ありがとう。ではみんなストップ」


 エスポーサがコップの水を飲ませる。おばさんトリオと補佐と秘書の足がやっと止まった。


「ではこれから訓練です。私は総監督のエスポーサです。まずは3班に分けます。担当者を紹介します」


 えーこれから。もう十分訓練したと思ってしまった補佐とその秘書である。


「訓練未経験者の初級組の担当は宗形さん、プリシラ、神父。今回で訓練2回目の人は中級組で担当は三馬鹿神父。それ以上の人は上級組、担当はゴードン、マルティナ、サントスです。その他、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジェナとチルドレン、警備員は随時各班に参加します」


 龍愛が追加する。

「黒龍、黄龍、ポニー、ホーク龍、ホーク愛も随時各班に参加するよ。それからコンちゃんと秘書二人には収納袋をあげる。中身はシン様からもらった狐面と竹水筒、あたしが作った剣、ナイフが入っているよ」

 龍愛が収納袋を補佐と秘書二人に渡す。

「ありがたき幸せ」

 と三人は受け取って首にかけた。


「では3班に別れてください」

 龍愛の眷属たちが3班に分かれる。


 エスポーサ総監督が、

「あれ、初級組も結構いるね。それじゃコーチ追加。神父の人数を増やす。それにハビエル神父とトルネード」


「へえ、中級組の人も結構いるか。ラシードと隊員、ベーベーを追加だ」


「上級組は、コーチは追加せずとも大丈夫だな。みんな切られてしまえ」

 物騒なことを言う総監督であった。


 空ではドラちゃんとドラニちゃんが頭と尻尾を軸にしてくるっと回る技をホーク龍とホーク愛に教えている。


「あれは何をしているのでしょう」

 補佐がメルクリオに声をかける。


 上を見上げてメルクリオ、

「ドラちゃんくるくるだ。伝授してホークくるくるだな。すぐわかる」


「追加しておきます。この訓練は10日間行います。ただし地球では10分です。お茶は少しぬるくなるでしょうか。各班の責任者はよろしくお願いします。では始め」


 訓練が始まった。


 龍愛は井の頭公園が変のときにシン様に作ってもらった現場指揮所という名目の小さな家を出して黒龍と黄龍と寝転がって遊んでいる。


初級組

「ではみなさん。宗形だ。ツアコンさんでなくてほっとしていると思う。結構、結構。みなさんはまだ体力が足りないようなのでまずはエベレスト登頂、ヒマラヤ山脈縦走だ。登山隊のベースキャンプあたりから始めると色々うるさいので少し登って人目がないところから始める。すでに高度はかせいであり楽だ」


「あの、裸足で、服も普通の服ですが。それに酸素も登山の装備もありません」

 補佐は全く訓練のことは知らないので質問する。


「気合だ。気合。装備?そんなものは手足があれば十分だ。少しの出っ張りがあれば垂直の崖でも登れる。それにナイフもある。危なければ岩にナイフを突き刺して掴まってもいい。落ちたら頭は保護すること。手足、内臓などはぐしゃぐしゃになってもエスポーサさんたちが治してくれる。酸素は苦しくなれば狐面をかぶれば解決。足は何かないとすぐ骨が見えてしまうだろうからエスポーサ様特製靴下を預かってきた。履いてくれ」


 訓練生は急いで靴下を履く。


「岩にナイフは刺さらないかと」

 まだ常識人の補佐が聞く。


「気合だ。刺さらなければ死ぬと思えば気合が入るだろう。刺さらないと思ったら刺さらない。死ぬ」


「あのう凍傷とかは」

 諦めの悪い補佐が引き続き聞く。


「大丈夫だ。エスポーサさんから薬をもらってきた。熱帯号印、アチアチ塗り薬だ。塗ると」

「塗ると?」

「楽しみだ」

 火傷しそうだと思った訓練生たち。


「寒くて眠くなってしまうとか」

「心配なら24時間どころではない、死ぬまで闘える魔女製造のワンワン印ドリンクがある。補佐たちはさっき飲んだろう。また飲むか?」

「いえ、大丈夫です」

 補佐の質問が終わったらしい。


 訓練生は、宗形は性悪ツアコンジュニアではないかと暗い顔をして下を向いている。


「食事は提供するから安心だ。なお先頭はプリシラさんと神父さんだ。最後尾はハビエル神父とトルネードだ。骨は拾ってくれるぞ。ではエベレスト、ヒマラヤ山脈ピクニックだ」


 宗形が言い終わったら一瞬のうちに周りの気温が下がった。草原でなくなった。すでに足元は雪である。呼吸が苦しい。だいぶ高度があるのだろうと訓練生。すぐ狐面を被る。

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