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地球に異形出現 幼女神あわてる  作者: SUGISHITA Shinya


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138 メルクリオ統括大僧正王 外国訪問する (9)

 メルクリオはコーヒーを飲みながら秘書に予定を確認する。


「本日は大聖堂でのメルクリオ統括大僧正王来訪記念特別礼拝式、終わったら大聖堂を出て広場を通って大統領官邸まで歩きます。一般参加のパレードが難しいので身元を厳しく調べられた人たちが広場を埋め、その中を歩いてミニパレードです。大統領官邸についたらすぐ晩餐会となっています。晩餐会が終わればビルーの公式行事は終了です。明日は一日休みにしておきました」


「そうか。色々あったからなかなか行事は難しくなったな。明日はインカの遺跡に行ってみよう」


「はい。そう思って飛行機を予約してあります。一日では無理で二日の日程になります。二日目はすぐ最後の訪問地ボリバルに向けて出発します」


「日本人の弾丸ツアーのようだな」


「はい。ボリバルの予定もありますので。ちなみにインカの遺跡には随行員の希望者も一緒に行きます」


「そうか。楽しんでくれるといいな」

「はい」


 すぐ飛行機はビルーの国際空港に着いた。首都近郊である。


「海が近いな。アクエータは高地だったが」

「そうですね。平地は少なくすぐ山になりますが。遺跡は高山の山並みが途絶えるあたりです」

「楽しみだ」


「まずは無事に今日の予定をこなしてもらいましょう」

「わかった」


 飛行機を降りて出迎えを受け、車で大聖堂まで移動した。沿道では大僧正王の車が通ると知った信者らが手を振ってくれた。弔いのニュース映像を見てファンになった人も参加している。

 メルクリオも手を振り返した。


 大聖堂には正面から入った。両脇は群衆である。


 満員の大聖堂で無事に礼拝式を終え、広場に出て群衆の間を歩いて通り、大統領官邸に向かった。


 大統領官邸ではつつがなく晩餐会が終了した。終了後、政府は安全のため表から出る車には影武者を乗せた。メルクリオは裏から車に乗ってホテルまで直行した。滞在ホテル名も公表せずであった。


 部屋に入ったメルクリオ、いつまで待っても補佐と秘書が偶像を持ってこない。


「偶像が来ないな」

「いくらか気がついたのではないでしょうか」


「少し狂信的であった補佐と秘書だが、今まで熱心に信じていた神に疑念が生じたか。芯が折れてしまえばどう振る舞っていいかわからないだろう。可哀想に」


「今日も黙していましたが、敵対する様子はありませんでした」


 部屋に黒龍が出現した。紙を咥えている。取れと言っているようだ。

 メルクリオが手に取ると一行。


 お茶にしよう

        宗形


 二行だった。


「わかりました。行きましょう」


 メルクリオと秘書はホテルから消えた。


 メルクリオと秘書二人が転移したのは山城稲荷神社階段下駐車場である。


 黒龍が階段を駆け上って振り返る。


「メルクリオ様、ここを登るようです」

「よし、登ろう」

 三人で駆け登る。


 登り切ったところに鳥居があった。鳥居の両端には鷲が止まっている。

「龍愛様を乗せていたホークだな」

「そのようです」

 鳥居で一礼。


 境内ではアルバイトらしい若い女性が巫女服を着て箒で掃除をしている。黒龍と黄龍が箒にじゃれついている。アルバイトさんも時々箒でじゃらしていて双方とも楽しそうだ。


「前に進んでお金を箱に入れるようです」

 どこも秘書は有能である。


 メルクリオは100ユーロ、秘書は10ユーロを投げ入れて礼をした。


 子犬がこっちこっちと言っているようだ。

 隣の立派な家に行く。


 引き戸が開いた。矍鑠とした老女が迎えてくれる。

「メルクリオさん、秘書さん、いらっしゃい。どうぞ中にお入りください」

「失礼する」


 靴を脱いで上がって、食堂らしいところに案内された。ずいぶん広い食堂だ。多くの人たちが待っていた。テーブルは丸いテーブルがいくつか置いてある。立食のようだ。


 宗形が、

「みんな揃ったね。紹介しよう。新しく眷属になったメルクリオ統括大僧正王だ。有名人だから知っているだろう。それとお付きの秘書二人」


「メルクリオです。この度眷属に加えていただきました。よろしくお願いします」


「挨拶はそのくらいでいい。お茶だけど立食形式だからあとでお互い話をしてもらおう。それではこちらの紹介。まずは龍愛。この星の神」


「私が神よ。偉いんだから」

 ゴン。宗形の鉄拳が龍愛の頭に落ちる。


「宗形のお姉ちゃん、痛い」

「偉いかどうかは他人が決めてくれる」

「うん」

「よしよし。わかればいいのよ」


 宗形に頭を撫でられてすぐ機嫌が直る龍愛であった。


 それにしてもいつものやりとりである。龍愛は一向に成長しない。宗形も楽しそうだからいいが。


「こっちはだいぶ増えた。名前を呼ぶから手をあげてもらおう」


「龍愛様、宗形様。その前に私の補佐のコンスタンティノス クセナキスと秘書2名を呼んでいただけないでしょうか。信仰で悩んでいます」


「メルクリオさんの補佐と秘書か。いいよ。黒龍とタイソー、呼んできて」


 宗形に言われて、また面倒な役をと思ったタイソーであるがすぐ黒龍がタイソーを玄関に引っ張っていく。靴を履けと言うことだなと思って靴を履いたらすぐどこかの部屋の中に転移した。

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